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NURBURGRING 24H RACE

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2015.05.15 - ニュルブルクリンク24時間レース・直前情報
1回目のプラクティスはトップタイム

RACE REPORT

午後3時45分からプラクティスが始まりましたが、SUBARU WRX STI NBR 2015は少しコースコンディションが落ちつくのを待ってからピットアウトしていきました。スタートしたのは、地元出身のラッセーです。彼は開始早々に9分15秒907のベストラップタイムを記録。最終的にこれがSP3Tクラスのトップタイムとなりました。その後、ヴァン・ダム、山内、シュリックの順に交代し、慣熟走行を繰り返しました。写真は、ニュルブルクリンクで最も有名な「カルーセル」と言われるヘアピンコーナーです。内側がバンクとなっており、レースマシンは下面を路面にこすりながらザザッザザッという音を立てて通過していきます。
2015.05.14 - ニュルブルクリンク24時間レース・直前情報
ドライバー達もだんだん気合が入ってきました

RACE REPORT

ドライバーブリーフィングの後、SUBARUテントではメディアの皆さんを集めたフォトセッションが行われました。その数は約20数名。今年は日本からのやってきたメディアも多く、関心の高さが伺えます。また、アメリカやアジア諸国からきているフォトグラファーやジャーナリストもいます。年々人気が高まっている証拠です。今年チームに加わったシュリックはドイツでは知られた人気ドライバーであり、TV番組解説などやレースカーに乗ってオンボードで感想コメントを放送する仕事もしているそうです。一見、神経質そうに見えますが、とてもおしゃべりで陽気なドライバーです。職場の雰囲気が明るくなります。
2015.05.14 - ニュルブルクリンク24時間レース・直前情報
ドライバーブリーフィングが行われました

RACE REPORT

木曜日のお昼には、ドライバーブリーフィングが行われました。160台のレーシングマシンをドライブするのはざっと600名で、ブリーフィング会場となるメディセンターはドライバーとチームマネージャーでごった返します。そのため、ブリーフィングはドイツ語版と英語版の2回に分けられているほどです。ピットイン・アウトの仕方や、ピットレーンの通過速度制限(50km/h)、イエローコーション、ダブルコーションの制限、最高速規制セクションの説明など、ほとんどがレースの安全運営に関わることばかりです。初めてニュル24時間を走る山内は、「事前に聞いていたことばかりだったので、戸惑いはないですよ」と笑顔で語っていました。
2015.05.14 - ニュルブルクリンク24時間レース・直前情報
ディーラーメカも走行準備に余念なし

RACE REPORT

日曜日から当地に赴き、徐々に体を慣らしてきたSUBARUディーラーメカニックの6名は、本日初めて自分たちが整備したレースカーがニュルを走る経験をします。北海道スバルから派遣された新村さんは、「数日経過したので、身体はこの地の空気感に慣れてきました。でもレーシングチームの一員として、このようなビッグイベントに参加するのは初めてなので良い意味で緊張しています」。本番と同様に耐火スーツを着用し、ブレーキローターの交換練習や各部の点検シミュレーションを繰り返すなど、彼らはここでも時間を見つけては練習に余念がありません。本日午後、まずはプラクティス走行が始まります。
2015.05.14 - ニュルブルクリンク24時間レース・直前情報
今日から走行スケジュールが始まります

RACE REPORT

14日木曜日の朝を迎えました。今日から走行が始まります。まずは、プラクティス走行が午後3時45分から2時間行われ、続いて午後7時25分から11時25分までの4時間にわたって公式予選となります。本日の予報は晴れのち曇りですが、日没前後の9時過ぎには所によって小雨が降るかもしれないとのことです。その後はナイトセッションとなりますので、初めてニュルの夜を走るドライバーには要注意の時間帯です。ブラインドコーナーが多い「ノルドシュライフェ」には照明はなく、加えて車速が速いと危険なセクションには最高速規制が設けられており、ドライバーは最も神経を使うはずです。
2015.05.13 - ニュルブルクリンク24時間レース・直前情報
2015年STI NBRチャレンジドライバーを紹介します

RACE REPORT

全ドライバーは、競技ライセンスや運転免許証、各国のモータースポーツ統括組織が発行した出場証明書などの必要書類を持参してチェックイン。係員がそれらを手際よくさばき、必要条件を満たしているかのチェックリストに目を通します。ルーキーの山内の番が来ましたが、担当者は山内の手を取ってドライバーであることを示すアームバンドを巻きました。これで彼の24時間レース出場は確定です。山内は、「僕は元々やる気満々で来ていますが、出場資格が完全に確認できていなかったので、これでひと安心。あとはレースに集中するだけです。日本の皆さん、応援をよろしくお願いします」と語っています。
2015.05.13 - ニュルブルクリンク24時間レース・直前情報
ティム・シュリックがチームに合流

RACE REPORT

13日にドライバーのチェックインが始まり、パドックはひときわ賑やかさを増してきました。SUBARU / STIチームもカルロ・ヴァンダム、マルセル・ラッセーのふたりに加え、日本からは山内英輝もチームテントに集まってきました。そして、ニコニコ笑顔のティム・シュリックもやってきました。シュリックは、初顔合わせのメンバーに挨拶すると、自己紹介を兼ねて話し始めました。「日本には13年ほど前に行ったことがあります。それは、岡山サーキットで行われたツーリングカーレースでした。SUBARU WRX STIは、乗り込んだ瞬間から体にフィットし、すべての操作系が自然に使えるようになっているのに感心しました」
2015.05.13 - ニュルブルクリンク24時間レース・直前情報
WRX STI NBR2015は無事車検通過

RACE REPORT

13日(水)朝8時から始まった二日目の公式車検では、STIのSUBARU WRX STI NBR 2015がトップバッターとして検査を受けることになりました。重量ラインでは規定重量の1220kgより少し超える数値で通過。STIの辰己総監督は、「フロントのバンパー内側に衝突バーを追加し、その他少しずつ改良を施しているので、規定重量ギリギリというわけにはいきませんでした。新設した衝突バーは、軽微な接触ならバンパーの奥に位置するラジエターなどにダメージを及ばさないためのものです」と語っていました。最終ラインを通過した車両には、合格証に当たるステッカーが貼られます。辰己総監督が指差ししているのがそれです。
2015.05.13 - ニュルブルクリンク24時間レース・直前情報
公式車検が始まりました

RACE REPORT

ニュルブルクリンク24時間レースの公式行事のひとつに公式車検があります。車両がレギュレーション通り作られているか、安全装備は基準を満たしているか、レースの円滑運営に必要なGPSや車番認識装置(トランスポンダー)などのデバイスが適正な方法で取り付けられているかなどを検査員が一台ずつ検査します。重量計測からはじまる車検ラインには、クラス別・エンジン形式別に指定されている空気流入量規制装置(エアリストリクター)のチェックと封印などの検査項目もあります。参加車両160台以上が集まるニュルブルクリンクでは、丸二日かけて検査を実施します。安全に関わることなので、車両検査は例外なく厳格に行われているのです。
2015.05.13 - ニュルブルクリンク24時間レース・インフォメーション
山内英輝、ニュルブルクリンク24時間レースに挑戦

RACE REPORT

スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は、このたび、本年5月14日(木)~17日(日)にドイツにて開催される第43回ニュルブルクリンク24時間レースに出場する四人目のドライバーとして、山内英輝(26歳)の参戦を決定いたしました。

山内英輝は、フォーミュラ出身の若手ドライバーで、20歳だった2009年にはSUPER GTに転身。主に、ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニGT3、メルセデスSLS GT3などのヨーロッパ車をドライブしてきた経験を持っています。速さと安定感、順応性に優れており、その素質と将来性を買われて本年2015年シーズンからSUBARU BRZ GT300のレギュラードライバーとなりました。STIでは、8回目のニュルブルクリンク24時間レースに挑戦にあたり、予定していた佐々木孝太が出場辞退することとなり、カルロ・ヴァンダム(オランダ)、マルセル・ラッセー(ドイツ)、ティム・シュリック(ドイツ)の三名と組む、四人目のドライバーを検討していました。山内は、4月上旬のクォリファイレース、同下旬のVLN(ニュルブルクリンク長距離選手権)第2戦ではSTIチームに帯同し、プラクティスと予選で出場車両のSUBARU WRX STI NBRチャレンジをドライブしています。

今回の参戦にあたり、山内は、「このようなチャンスを与えていただき、心から感謝しています。ニュルブルクリンクは難しいレースと聞いていますが、すでにシミュレーションと現地での実走を経験し、コースについては頭に入れました。24時間レースに出場する以上は精一杯与えられた仕事に集中し、チームに貢献したいと思います」と決意を語っています。

STIチームは、本年のニュルブルクリンク24時間レースにおいて、SP3Tクラス(排気量2リットル以下のターボエンジン車)での三回目のクラス優勝を目指しています。
ニュルブルクリンク24時間レースを現地よりLIVE配信

SUBARU/STIは5月14日(木)から17日(日)にかけてドイツ・ニュルブルクリンクで行われる「第43回ニュルブルクリンク24時間レース」で、今年も現地よりU STREAMにてLIVE配信を行います。レポーターにはピエール北川氏を起用し白熱の実況レポートをお届けします。オンボード映像配信、監督、ドライバーのレポートも予定しています。また、特設サイトSNSなどで様々なチームの情報を発信し、ファンの応援メッセージを募集いたします。
《配信サイト》
・STI NBR CHALLENEGE 2015 特設サイト(http://www.subaru.jp/nbr24h/
→LIVE配信画面とマシンの順位、タイム、GPS情報、ドライバーがリアルタイムで表示されます。

《配信スケジュール》 
・5月15日(金)16:30〜18:30【公式予選2回目】
・5月16日(土)22:30〜17日(日)23:00【決勝】
※配信時間は予告なく変更する可能性があります。

《WEB・SNS》
・SUBARUオフィシャルFacebookページ(https://www.facebook.com/SUBARU.jp
→現地撮影の動画などを交えレポートをお届けします。

・SUBARUオフィシャルTwitter(https://twitter.com/subaru_fhi_pr
→リアルタイムにチームの状況を発信します。ハッシュタグは#stinbr24

・SUBARU MOTORSPORT MAGAZINE :(http://www.subaru-msm.com/2015/nbr/report/
→レース前の情報や、レース1時間毎のチームレポートが更新されます。
2015.05.13 - ニュルブルクリンク24時間レース・直前情報
アデナウのガレージで準備を完了

RACE REPORT

マシンの整備が終了し、12日(火)にはディーラーメカニック達主体のピットワークトレーニングが繰り返されました。メカ達はピットインしたマシンに向かってニュータイヤを運び、ホイールの脱着、トルクレンチでのチェックまでを1ターンとし、タイム計測をしながら作業効率を追求していきます。また、高温となるブレーキパッドの交換は、安全を確保しながら迅速に遂行されなければなりません。耐久レースとはいえ、ピットでのロスタイムは度重なるとボディブローのように効いてくるので、反復習熟しロスを削ることが肝心となります。トレーニングは夕方まで延々と繰り返されましたが、彼らはSUBARU車整備のエキスパート。落ち着いて対応していました。
2015.05.12 - ニュルブルクリンク24時間レース・直前情報
NBRレースウィークがスタート

RACE REPORT

5月10日(日)に日本を発ったSTI NBRチームは、11日(月)にはニュルブルクリンクに近いアデナウ市内のガレージに集合。日本全国から集まったSUBARUディーラーメカニック達もさっそくワーキングウェアに着替えて、SUBARU WRX STI NBR 2015マシンとの再会を果たしました。3月に富士スピードウェイで行ったシェイクダウン以来のことです。マシンは4月末のVLNレースで前部にダメージを負いましたが、1週間前から先発していたメカニック達によって修復が行われ、この日には完全に元の姿に戻っていました。また、リスク回避のための新たな改良も盛り込まれています。レースウィークの長い一週間がいよいよ始まります。
2015.05.02 - ニュルブルクリンク24時間レース・インフォメーション
STI、ニュルブルクリンク24時間レースのドライバーラインアップを変更

RACE REPORT

スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は、本年5月にドイツで開催されるニュルブルクリンク24時間レースへの出場を予定していた佐々木孝太が辞退を申し出たため、ドライバー編成を変更します。レギュラーのカルロ・ヴァンダム(オランダ)、マルセル・ラッセー(ドイツ)に加え、新加入で既に出場車両の「SUBARU WRX STI NBRチャレンジ2015」のテストドライブを終えているティム・シュリックの3名をベースとし、4人目にSUBARUドライバーとしてSUPER GTに出場している山内英輝の採用を予定しています。

STI総監督の辰己英治は、「(佐々木)孝太が出場できなくなったのは残念ですが、カルロ、マルセルそして新加入のティムもニュルを得意としているし、心配はありません。今年モデルのWRX STIを思いっきり走らせてくれると思います。ただ、24時間は長丁場ですので、4人目のドライバーとして山内の起用を検討しています。彼は、今後に繋がる可能性をもった有能な若手ドライバーですし、既にニュルのクォリファイレース、VLN第2戦のプラクティスと予選を走っていますので、他のドライバーとのコミュニケーションは図れているので、コンビネーションも問題ないでしょう」と語っています。
2015.04.26 - ADAC 24時間VLN第2戦レポート
SUBARU WRX STIはVLN第2戦決勝不出走ながら好感触

RACE REPORT

4月25日(土)にドイツ・ニュルブルクリンクにて「ニュルブルクリンク長距離選手権」(VLN)第2戦が開催され、5月第3週に当地で行われる24時間レースに向けたテストとして出場したSUBARU WRX STI NBRチャレンジ2015(マルセル・ラッセー/山内英輝/ティム・シュリック)は、良い感触を得てテストを終えています。
このレースウィークには、前回のクォリファイレースで走れていないラッセーとシュリックがチームに合流。プラクティス走行では、それぞれ3周ほど走行し、マシンの感触を確かめました。この時点でラッセーは、「高速コーナーで少しリヤの不安定さを感じる」とコメントしていましたが、のちにサスペンションセッティングや空力バランスを調整することで解決しています。また、初めてWRX STIに乗ったシュリックは、「とても素晴らしいクルマです。レースが楽しみ」と、SUBARUのハンドリングに満足の様子です。このセッションはドライコンディションで行われたため、前回完了していなかったタイヤのデータ収集を実施。
新しく投入する仕様のタイヤについても、特性を把握することができました。しかし、決勝レースのスターティンググリッドを決める予選で、目の前の車両がスピン。WRX STIを運転していたラッセーはこれを避けようとしましたが、避けきれずに接触。以後走ることができず、タイムが記録されなかったため4時間の決勝レースに出走することができませんでした。このアクシデントが発生したのは予選開始直後であり、小雨が降る中タイムアタックに臨んだWRX STIは、スリックタイヤを装着していました。ラッセーは、「路面はまだうっすらと湿っている程度で、インターミディエイトタイヤを履くほどでもありませんでした。しかし、スタートから14kmほどのハイポイント先のコーナーでスピンしたクルマと接触してしまいました。避けられなかったアクシデントでしたが、チームには大変申し訳ない思いです」と語っていました。マシンは、バンパーやグリル、ラジエターの一部などにダメージを受けましたが、フレームやサスペンションアームなどには影響はなく、パーツ交換だけで修復が可能とのことです。
STI総監督の辰己英治は、「決勝レースには出走できなかったものの、2週間前のクォリファイレースで発生したトラブルはほぼ解消しているので、24時間本番に向けては良い感触を得たと言えるでしょう。まだ細かいトラブルは出ているので、それらが起きないように対策も練っておくつもりです。また、タイヤについても新しい仕様について、これまでじっくりテストをしている時間がありませんでしたが、今回プラクティス走行がドライで走れたため、ようやく空気圧やサスペンションのセッティングなどをそれにあわせることができました。ギリギリのタイミングとなってしまいましたが、それも大きな収穫です」と語っています。
ニュルブルクリンク24時間レースは、5月14日(木)にプラクティス走行が行われ、その後翌日の公式予選を経て、16日16時に決勝レースのスタートを迎えます。
2015.04.14 - ADAC 24時間クォリファイレースレポート
SUBARU WRX STI、試練に立ち向かう

RACE REPORT

4月12日(日)にドイツ・ニュルブルクリンクにて、ADAC 24時間のクォリファイレースが行われ、STIからエントリーした「SUBARU WRX STI NBRチャレンジ2015」(カルロ・ヴァンダム/佐々木孝太/山内英輝)は、予選クラストップからレースをスタートしましたが、ヴァンダムから佐々木に交代した直後に他車と接触し、マシンにダメージを負い、リタイヤとなりました。
予想外のトラップがチームを待ち受ける
3月末にドイツに向けて空輸されたWRX STI NBR車は、出走準備を経て10日に始まったクォリファイレースの公式スケジュールに臨みました。今回は、過去に24時間レースを経験しているヴァンダムと佐々木を中心に、今後の24時間レース出場に向けた経験を積むためSUPER GTでSUBARUチームの一員となったばかりの山内を加えた3名体制でエントリー。マシンのセットアップとタイヤのデータ収集を主目的に取り組む予定でした。しかし、金曜日のフリー走行が始まると、新採用のパドルシフトにトラブルが発生。なかなか思うように周回が稼げません。どうやらギヤそのものにダメージがあることがわかり、土曜日の予選を前にトランスミッションをアッセンブリー交換することになりました。作業は長時間におよび、これだけでもメカニックやエンジニア達には、大きな負担となってしまいました。STIチーム総監督の辰己英治は、「今年は勝利を目指すために大胆な改良メニューを投入していますが、新たなチャレンジは、やはり簡単には受け入れてもらえません。ギヤボックスだけでなく、その他の部分にもトラブルがあり、それらが重なって、走る時間は刻々と経過して行ってしまいました。しかも、ニュル特有の変わりやすい天候のため、ウェットからドライへのコンディション変化もありました。このため、2回あった予選までは十分には走れていませんでした」と語っています。
ダメージは大きいもののしっかりと手応えも
12日午前中に再度予選があり、ここでヴァンダムは今回のベストタイムを記録。SP3Tクラストップで4時間レースをスタートできることとなりました。またこの時間に、新人の山内が3周だけ走行し、良いリズムで周回できたのは、良い収穫だったと言えるでしょう。「たった3周でしたが、ノルドシュライフェのコースレイウトもよくわかったし、とても良い経験となりました」と、山内は答えています。その後、決勝レースはドライコンディションでスタート時刻の12時を迎えます。SUBARU WRX STI NBRは、ヴァンダムがステアリングを握り、コースインしていきました。通常周回を終えてピットに戻ったヴァンダムは、佐々木にバトンタッチ。タイヤの磨耗などを見るため、ルーティン周回をこなしていくのが通常のテストメニューですが、コースインした佐々木の担当周回3周目に予想外のアクシデントが発生しました。
WRX STIは、横に並んだ状態で他車と接触。運悪く互いのタイヤが当たってしまい、WRX STIは跳ね上がって斜めに着地。佐々木はなんとかピットまでたどり着きますが、ダメージはバンパー、アンダーフロアパーツ、サスペンションやボディの一部にまで及んでおり、チームはレース続行を断念することになります。辰己は、「ダメージは広範囲に及んでおり、レースは続けることができませんでした。また、用意していたテストメニューの多くがこなせなかったのが大変残念です。しかし、予選ではカルロヴァンダムがまだパドルシフトに不安を抱えた状態にもかかわらず、9分10秒のベストタイムを記録し、ポールポジションをとってくれました。これによって、念願だった9分を切るラップタイムも不可能ではない、という目星がつきました。これは確かな手応えです。クルマを元に戻し、思う存分走り、真価を発揮することに集中したいと思います」と語っています。
2015.03.06 - シェイクダウン
SUBARU WRX STI NBRチャレンジ2015が富士でシェイクダウン

RACE REPORT

3月4日(水)、スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は、富士スピードウェイにて本年5月のニュルブルクリンク24時間レース(ドイツ)に出場する「SUBARU WRX STI NBRチャレンジ2015」のシェイクダウンテストを行いました。

昨年夏から開発をスタートした同マシンは、すでに栃木県のSUBARUテストコースにて走行実験を繰り返してきましたが、この日は報道陣やパートナー企業などの前で初めてサーキットでの走りを披露しました。同マシンのステアリングを握ったのは、今年5回目のニュルブルクリンク挑戦となる佐々木孝太で、1時間の走行時間を終えた佐々木は、「昨年のクルマと比べると、前後方向のシャシーの剛性感がよりしっかりし、前輪と後輪の連動性が高まったと感じました。また、ノーズの回頭性もさらにクイックとなり、ニュルではAWD車ならではの走りがしやすいだろうと思いました。初めて導入されたパドルシフトはまだ変速ショックが強く調整の必要がありますが、これもタイム短縮には効果があるでしょう。また、空力に関しては、フロントのダウンフォースがよく効いていますね。早くニュルで走らせてみたいです」と目を輝かせました。「今年は日本人ドライバーが僕ひとりとなり、日本のSUBARUファンの期待を背負っているので、緊張しますがやりがいも大きいです。この機会を与えられたことに感謝しています」と続けました。
参戦計画説明の場でSTI社長の平川良夫は、「昨年悔しい思いをしましたので、今年は是非SP3T優勝を取り戻したいです。ですから、昨年のレースから戻った7月にプロジェクトをリスタートさせ、大胆な発想で勝てるマシンを作るように開発陣にはっぱをかけてきました。エンジン房内をご覧になった方は、昨年のクルマとは大きく異なっていることに気がつかれることでしょう。この一事をとってみても、期待が広がるのではないでしょうか」と語り、チーム監督の小澤正弘は、「これまでの我々の武器は信頼性と耐久性でしたが、2015年モデルはパフォーマンス面でもライバル達に見劣りしない性能をもたせるべく取り組んできました。ライバル達は手強く、さらに進化しているはずです。チーム一丸となってぶつかっていくつもりです」と抱負を語りました。

車両の開発を指揮した辰己英治STI総監督は、「2012年にSP3Tクラス優勝してから、“何が何でも勝つんだ”という執念、迫力が欠けてきていました。今年は、昨年の結果を徹底的に分析し、クルマの各部に見直しをかけましています。エンジン補機類のレイアウト変更やパドルシフトの採用もその一環ですが、大きい変化はシャシーの補剛と空力性能の改善です。左ハンドル化も右回りコースであるニュルでのドライバーの視界を確保するだけでなく、ポストで振られるフラッグの視認性やピットイン時の作業の効率化にも貢献しています。私たちは、SUBARUの量産車技術とSTIがコンプリートカー開発で培ったチューニング技術を結集し、総合力でこのレース車を開発してきました。その意味でも今年はどうしても勝利を持ち帰りたいと思います」と話しています。

NBRチャレンジマシンは、このあと細かなチューニングが施され、テストコースでの確認を経て3月中旬にはドイツに向けて輸送されます。4月第二週のクォリファイレースと同月末のVLNレースに出場してニュルでのセッティングを煮詰め、5月第3週の24時間レースウィークを迎える予定となっています。
2015.03.04 - ニュルブルクリンク24時間レースエントリー
ニュルブルクリンク24時間レース2015、SP3Tクラス優勝奪還を目指して8回目の挑戦

RACE REPORT

スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は、本年のニュルブルクリンク24時間レース(ドイツ 5月14日~17日、43.ADAC Zurich 24H Rennen、略称NBR)に、SUBARU WRX STI(CBA-VAB)でエントリーし、2011年・2012年に続く3度目のSP3Tクラス(2リットル以下のターボ車)優勝を狙います。なお、今回の出場で2008年以来8回目の同レース挑戦となります。STIがこのレースに連続して出場している意義は、世界中のSUBARUファンのために、自ら提唱する「強靭でしなやかな走り」を磨き、SUBARUが提唱する「安心と愉しさ」をレースフィールドで実証することです。

出場車両は、SUBARU WRX STIをベースに、SUBARU量産車技術を最大限活かしながら耐久レースならではの特別仕様を織り込んでいます。2014年仕様車に対し、コーナリング時のダウンフォースと高速走行時の空気抵抗を高度にバランスさせ、空力性能の改善や四輪接地性の向上などでレース競争力を高めています。また、ニュルブルクリンクのコース特性に合わせ左ハンドル仕様としました。ニュルブルクリンクで行われる4月11日(土)~12日(日)のクオリファイレースおよび4月25日(土)のVLN(ニュルブルクリンク長距離選手権)に出場してマシンのセットアップを進め、24時間レースのレースウィークを迎えます。

「WRX STI NBRチャレンジ2015」を駆るドライバーは、昨年から継続となる佐々木孝太、マルセル・ラッセー(ドイツ)、カルロ・ヴァンダム(オランダ)の3名にティム・シュリック(ドイツ)を加えた4名を予定しています。なお昨年に続き、STIの辰己英治がチーム総監督、小澤正弘が監督のリーダー体制でチームを率います。
また、SUBARUサービスマンとしてチームに加入するSUBARUディーラーメカニックは、新村大輔(北海道スバル)、小山田優(新潟スバル自動車)、村木大介(神奈川スバル)、寺田英生(滋賀スバル自動車)、寺山健路(山口スバル)、黒木英樹(南九州スバル)の6名となっています。

なお、スバルトラベルサービス(スバル興産株式会社 旅行サービス部 本社:東京都渋谷区)は、昨年度と同様にニュルブルクリンク24時間レースの観戦ツアーを企画しています。
http://www.subaru-kohsan.co.jp/travel/tour/nbr2015/index.html
【ドライバープロフィール】
佐々木孝太
Kota Sasaki
1974年三重県生まれ
二輪レースを経験した後21歳で四輪デビュー。F4、フォーミュラドリームを経由し、2000年からは全日本GT選手権(のちにSUPER GTと改称)に出場している。2005年GT300チャンピオン。スーパー耐久シリーズにも出場しており、2005年にはST-5クラスチャンピオンとなる。2010年にR&D SPORTに移籍しレガシィB4 GT300をドライブ、2012年から2014年までSUBARU BRZ GT300をドライブした。NBRチャレンジには2011年以来5回目。

ティム・シュリック
Tim Schrick
1976年ドイツ生まれ
ミュンヘン在住のレーシングドライバー兼テレビタレント。エンジン部品開発会社を営む父親の影響で、シュリックは若い頃からモータースポーツを楽しんでいた。特に2003年にデビューしたニュルブルクリンク24時間での経験が豊富で、数多くの車種で同レースにチャレンジしている。2014年のオペル・アストラカップチャンピオン。ドリフトなども器用にこなすマルチドライバーで、経験値の豊富さと適応能力の高さによりSTI NBRチャレンジチームに加入することとなった。

マルセル・ラッセー
Marcel Lasée
1982年ドイツ生まれ
1993年にカートデビュー。200年にフォーミュラルノーにステップアップし、2001年・2002年にはジョーダンF1のテストドライバーとなる。2003年はF3にチャレンジし、2004年にはセアト・レオンでスーパーカップに出場してルーキーランキング2位。ニュルブルクリンク24時間レースには2006年と2007年に出場している。STI NBRチャレンジチームに加入して臨んだ2013年の同レースでは、早い段階からチームにフィット。後半の劇的な追い上げに貢献した。

カルロ・ヴァンダム
Carlo van Dam
1986年オランダ生まれ
8歳でレーシングカートデビュー。2001年国際FAヨーロッパ選手権でチャンピオン。2004年にフォーミュラ・ルノーにステップアップし、2007年にはドイツF3へ。デビューイヤーの同年にチャンピオンとなる。2008年に来日して全日本F3チャンピオンを獲得。2013年はSUPER GTにマクラーレンMP4-12C GT3で出場し、2014年もアウディR8でスポーット参戦した。2010年からSTI NBRチャレンジチームに参加している。
2015.02.26 - 2015車の風洞実験を実施
STIがSUBARU WRX STI NBR Challenge 2015車の風洞実験を実施

RACE REPORT

2月21日に、STIは群馬県太田市の富士重工業本工場敷地内にある風洞実験施設にて、本年のニュルブルクリンク24時間レースに出場するSUBARU WRX STI NBR Challenge 2015車のテストを実施しました。

この施設は、ムービングベルト方式と呼ばれる走行状態の車両各部の空力性能データを採取することができる最新鋭の風洞設備を備えております。STIもこの設備をレースカーの開発に活用しており、これまでのNBR出場車やSUPER GT車もここでの空力性能解析試験を受け、最終的な空力デバイスの形状などが決められてきました。

東京オートサロンで初めてお披露目されたNBR2015車は、その後ここで基礎データの採取が行われ、その結果に対するモディファイが盛り込まれています。このテストを経て最終的な仕様が決定され、今後のシェイクダウンテストを経てマシンはドイツに輸送される計画となっています。

昨年の雪辱を果たすべく、本年仕様のNBR Challengeマシンは、曲がりくねったニュルブルクリンクの北コース「ノルドシュライフェ」で必要なダウンフォースを得ながら、コースの後半に待ち受ける長いストレートからグランプリコースの第一コーナーに至る高速セクションでは、なるべく空気抵抗を受けない空力セットアップが必要という、ある意味矛盾する目的を両立させるテーマを掲げています。そのためには、リヤウィングのマウント位置をレギュレーションで許される最後端に移動し、なるべく多くのダウンフォース(CLr値がマイナスになれば下方に押し付ける力=ダウンフォースとなります)を得たい。それにあわせてフロントアンダースポイラーとカナード(フロントフェンダー最先端の空力的付加物)などで発生するフロントのリフト量(CLf)を調整できるようにする。車体の側面を流れる空気の抵抗を低減するように、フロント、リヤのフェンダー形状を工夫する。エンジン房内を通る空気を効果的に排出することで、空気抵抗を低減したい。これはエンジン房内の冷却にも貢献しないとならない、など課題は多岐にわたります。
これらの課題は事前にCFD(流体力学計算)解析ツールを使って様々な条件とデザインされた付加物の形状がインプットされ、実車風洞を受ける前に産業用コンピューターで計算して理想に近い形状を導きだします。このツールは各部分の空力性能だけでなく、クルマ全体の空力バランスも解析してくれます。これらを駆使して設計された空力デバイスに形を与え、それを実車に架装したのちに実施するのがこの風洞テストということになります。しかし、ここで計測される性能データは万能というわけではなく、やはり実走してみないと最終的で微細なセティングは決められません。この日のテストも朝早くから様々なデバイスの装着組み合わせの空力性能を計測していました。空気という見えない要素を相手に理想の形を決めていくのは、非常に難しく繊細な作業です。そして、CFD解析ツールを駆使し、風洞実験でそれを検証して実車に織り込んでいくのはあくまでも「人間」です。扱うエンジニアの経験値の豊富さと「センス」が必要となります。

このような試験による検討の結果、今年のNBR車のボディ形状は、昨年のものから変化しています。これによって、マシンがどれだけ速くなり、そして燃費に貢献するか、今年のレースでの結果が待たれます。

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