

3月22日(火)、スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は本年のニュルブルクリンク24時間レース(ドイツ 5月26日(木)~29日(日)、44.ADAC Zurich 24H Rennen、略称NBR)に向けてのシェイクダウンテストを富士スピードウェイにて行いました。
SUBARU/富士重工業の公式facebookページにて当日にも速報をお伝えしましたが、このシェイクダウンの最中、第1コーナーにおいてSUBARU WRX STI NBR チャレンジ2016車の単独クラッシュが発生しました。全開のスピードで起きた事故の衝撃は大きく、マシンは大きなダメージを負ってしまいました。幸いにも、ドライブしていた山内英輝は右肩に軽い打撲を負ったものの大きな怪我も無く、今週末の3月26日(土)~27日(日)に富士スピードウェイで開催されるSUPER GT公式テストにも参加する予定となっています。

マシンの修復は、24時間レースまでの2ヶ月では非常に困難であり、一時は今年の参戦は断念するという選択肢も浮かびましたが、ニュルブルクリンク24時間レースはSUBARU/STIの“安心と愉しさ”の実証の場であるという想いが強く2連覇へのチャレンジを継続することをSTIは決意しました。
また、2016年のマシンのポテンシャルの高さがシェイクダウンで確認できたこともこの決断を後押しした大きな理由でした。2016年マシンは昨年の車両をベースに熟成と改良を重ねてまいりました。特にコーナーの多いニュルブルクリンクでマシンのコントロール性をアップさせるべく、慣性モーメントの低減、軽量化、空力バランスの改良をおこなっております。
エンジンはレギュレーションにより課せられたリストリクター径の変更(1mm小径化)で約20馬力のパワーダウンとなりますが、これらの改良によりマシンがその損失をカバーしうるだけのポテンシャルをもつことを、富士スピードウェイでの走行で確認できました。

総監督の辰己英治は今回の参戦継続の決定とともに、「このたびは応援していいただいている皆さんにご心配をおかけし、申し訳ありませんでした。クラッシュを受け、このチャレンジの続行について議論をしてまいりましたが、やはりこのクルマでニュルブルクリンク24時間レースを走り、応援していただいている皆さんと共に優勝を勝ち取りたいと考えました。とは言え、いざ参戦するとは決めたものの立ちはだかるハードルは高いです。しかし、STI社員、チーム一同、そして協力企業の皆さんと力を合わせ、心を一つにして、ニュルブルクリンクでの2連覇をめざしますので、引き続き応援をお願いします」とコメントしました。
今後、チームは車両を修復し、4月末までには国内でのテスト走行を終えてドイツへ空輸。5月14日のニュルブルクリンクでのVLNレースでの最終調整を経て、5月26日からの24時間レースに臨む計画です。

また、チームには今年も全国各地からディーラーメカニックの6名が加入します。これは、WRC(世界ラリー選手権)時代に始まり累計300名以上を数えている制度です。実戦でのサービスメカニックとして参加する彼らのコメントを紹介します。
新潟スバル 佐藤高志
「勝つために全力で力になれるよう頑張りますので、応援よろしくお願いいたします」
北陸スバル 廣澤伸晃
「走っているクルマを見てさらに勝ちたいと思いました。本番も最高のパフォーマンスを発揮できるよう頑張ります」
神奈川スバル 花屋仁司
「夢の舞台に立てる機会をいただいたので、全力で頑張っていきたいと思います」
東京スバル 佐久間智憲
「私も夢の舞台に向けて全力で戦えるように、そしてチームに貢献できるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」
名古屋スバル 酒井一輝
「ここにいる6人で力を合わせ少しでもチームの力になれるように頑張っていきたいと思います」
滋賀スバル 若林智
「昨日から合流しましたが、同じ釜の飯を食べ最高のチームだと思いました。全力で勝てるように頑張りますので応援よろしくお願いします」