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2016.05.31

SUBARU WRX STI、SP3Tクラス2年連続優勝

ニュルブルクリンク24時間レース

スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は、5月26日(木)〜29日(日)にドイツで行われたニュルブルクリンク24時間レースに市販車ベースのレースカー「SUBARU WRX STI NBRチャレンジ2016」を出場させ、24時間で121周約3,070kmを走破し、SP3T(排気量2リットル以下のターボ車)クラス優勝を果たしました。

出場車両は、2014年に登場したSUBARU WRX STIをベースに左ハンドル化され、STIコンプリートカー、STIパフォーマンスパーツ開発で培ったノウハウや技術を投入し、戦闘力を強化したレースカーです。パワーユニットは市販車と同じEJ20型2.0リットル水平対向ターボエンジンで、レギュレーションの変更によるリストリクターの小径化により、セッティング変更がなされています。また車体オーバーハングを主とした軽量化による慣性モーメントの低減や、ダウンフォースの前後バランスの向上を意図した空力性能の最適化などにより、コーナーの多いニュルブルクリンクにおいて、そのスピード向上などが図られています。ドライバーは昨年の優勝メンバーである山内英輝(日本)、マルセル・ラッセー(ドイツ)、カルロ・ヴァンダム(オランダ)、ティム・シュリック(ドイツ)の4名体制で臨みました。26日(木)に行われた1回目の公式予選では、セッション開始と共に突然の降雨に見舞われるというコンディションの中、記録したベストタイムは9分14秒714で、総合55位・SP3Tクラス2番手となりました。翌27日(金)に行われた公式予選2回目では、ヴァンダムが路面コンディションの回復を待ち、終了10分前に予選アタックを行い、クラストップタイムを塗り替えましたが、その後ライバルの#104アウディに再逆転されて予選クラス2位で決勝レースに臨むこととなりました。

ヴァンダムが第2グループの2列目からレースをスタートして約45分、ノルドシュライフェの深部を雹をともなう激しい降雨が襲い、アレンベルクコーナーで複数のマシンがスピンアウト。WRX STIもコースオフしましたが、グラベルにスタックしていた車両をすり抜けてコースに復帰。スリックタイヤを装着したマシンにより、その後もスピン車両が後を絶たず、コース内外にスタック車両が続出したため赤旗中断となりました。3時間後の19時20分からレースは再開、続いて走行となった山内がクラス首位を奪還、そしてラッセー、シュリックの順でドライバー交代を繰り返し、一昼夜にわたってその後一度も首位の座を明け渡すことなく、走行を続けます。チェッカー1時間前、最後のレギュラーピットで本来予定されていた山内ではなく、地元ラッセーにアンカーを交代。29日午後3時30分過ぎにラッセーのドライブでチェッカーフラッグを受け、クラス優勝を確定しました。1周の中でも天候が変わり、また24時間のうちにめまぐるしく変わるニュルブルクリンク。SUBARU/STIの“安心と愉しさ”の実証の場であるこのレースにおいて、スバルが誇る水平対向エンジンの持つ低重心、バランスの良さを活かし、シンメトリカルAWDの機能を最大限に発揮し、WRX STI のポテンシャルの高さを世界に誇示する結果となりました。総合順位でも上位クラスのマシンをおさえての20位、2連覇となるSP3Tクラス優勝は、2011年、2012年に続き2度目のことです。

SUBARU/STIチーム総監督の辰己英治は、「SUBARUグループのチーム力を結集し、そしてSUBARUファンの皆さんに後押ししていただいたお陰でここまで来ることができました。しかし、やはりニュルは簡単には攻略できるものではないと実感しました。SP3Tクラストップでゴールできたことで、ファンの皆さんにも喜んでいただけたと思います。応援をありがとうございました。心からお礼を申し上げます」と語っています。
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