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RACE REPORT

2016.03.27 - SUPER GT公式テスト - 富士スピードウェイ
第2戦を見越した富士でのテストでも、マシンの進化をはっきりと確認
岡山国際サーキットでの公式テストから1週間後の3月26日(土)~27日(日)、富士スピードウェイで今年2回目のSUPER GT公式テストが開催されました。39台ものGTマシンが顔を揃える中、SUBARU BRZ GT300 2016モデルも参加しました。
富士でのポイントの一つは、ブレーキのバランスでした。そのセッティングは前後の(ブレーキの利かせ方の)強弱の調整だけではなく、サスペンションのジオメトリー、作動時のタイヤの動き方なども併せて考えていく必要があり、簡単な話ではありません。しかしチームは、岡山でのテストの結果や過去のデータから、サスペンションの取り付け位置やサスペンションアームまで多岐にわたる調整を施しました。その結果、テスト初日の走り始めから着実な進歩が見られました。辰己英治総監督は「まだ100点満点と言う訳ではないけれど85点ぐらいかな、まずまずよい結果が出せました。ただ2日目に、もう少しタイムを上げていくと、さらなる高みも見つかってくると思うので、まだまだ伸びしろは残っています」と初日を締め括っています。
また、 昨年モデルからの大きな変更点であるタイヤと空力は、超高速コースである富士スピードウェイでも、SUBARU BRZ GT300 2016モデルにたいへん有効であることが証明されました。フロントタイヤのサイズを300/680からリヤと同じ330/710に拡大したことによってコーナーでのパフォーマンスが引き上げられたことは岡山の公式テストでも確認済みでしたが、富士のセクター3(ダンロップ・カーブから最終コーナーを立ち上がるまで)の、中速コーナーが連続する上りのセクションで区間タイムが大幅に短縮されていたことが確認されました。さらにフロントタイヤを大径化したことで空力的には不利になり、富士ではトップスピードでライバルに大きく差をつけられるのでは、との不安もありましたが、セクター3からの立ち上がり、つまり最終コーナーの脱出速度が高まったことで、ストレートのトップスピードも引き上げられていることが判明したのです。
更に、コンピュータによるシミュレーションや風洞実験により、ヘッドライトの端やフロントバンパー左右の立ち上がり方、フロントフェンダー後端の形状からドアミラーのサイズや取り付け位置の変更など、細かな改善の積み重ねで、リアウィングへの空気の流れが整流され、ダウンフォースが引き上げられたと同時に、抵抗となる空気の流れもより効率化されていたことも今回の改良点です。
テスト初日の26日は前夜まで降っていた雨の影響で、路面はウェットコンディションでした。気温も低く、また雲に陽射しが遮られてしまい、午前のセッション前半はハーフウェットで、コースにはウェットパッチが残っていましたが、多くのマシンが周回を続けたことと、セッション中盤からは陽射しが戻ってきたこともあり、セッション後半には完全なドライコンディションへと変わっていきました。このセッションではブレーキバランスやサスペンションのジオメトリーなど、新しいセッティングの確認をメインに走行。トップからコンマ5秒差の8番手に着けていました。完全なドライコンディションとなった午後のセッションでもトップからコンマ5秒差に着けていましたが、ポジション的には11番手と、このセッションを走行した21台の中では中盤に位置していました。

2日目は早朝から好天に恵まれました。日曜日、しかも学校が春休みに入っていることもあって、前日よりもさらに多くのファンが富士スピードウェイに詰めかけることになりました。またお昼にはオープンピットに加えて、パドック内の特設ブースでは同日に富士重工業のスバル研究実験センターにて開催されたスバル FAN MEETINGとの中継連動企画「山野哲也さんとGT公式テストを観に行こう!」が催され、多くのスバル・ファンで賑わっていました。
走行セッションは午前と午後にそれぞれ2時間ずつ、計2回が行われました。前日に比べるとセッションが赤旗で中断されることも少なく、またコースにはラバーがのってコンディションが良くなったこともあり、タイヤテストをはじめとするテストメニューを効率的に消化することができたようです。午前のセッションでは4番手。タイヤテストで長い周回数を走った午後のセッションでは19番手に留まったものの、結果以上に収穫の多いテストとなりました。先日、テスト中にアクシデントに遭遇した山内英輝は、大事をとって今回のテストはピットで“見学”するにとどめ、2日間、172周の走行は井口卓人が一人で走りきっています。

次回はいよいよ開幕戦。4月9日(土)〜10日(日)に岡山国際サーキットを舞台とした300kmのレースで2016年シーズンの火ぶたが切って落とされることになります。
辰己英治総監督
「シーズンオフにやってきたことは間違いでなかった。岡山に続いて今回は、それが一層明確に証明されましたね。タイヤサイズをアップすることでコーナリング性能が引き上げられ、セクター3で随分速くなるとともに、最終コーナーの脱出速度が高まってストレートスピードも伸びています。もちろんこれには空力の改良も手伝っています。今回ポイントとしたブレーキバランスも、セットアップの方向性がつかめました。今回のテストでは100点満点には仕上がりませんでしたが、それは言いかえればまだまだクルマに伸びしろがある、ということです。開幕戦の岡山ではストレートエンドでのブレーキングから1コーナー~2コーナーと連続するコーナーで、高いブレーキ性能に加えて旋回性能も発揮できると思っています。是非とも応援して下さい」

井口卓人
「今回いい方向に向かったのがブレーキ。チームの方で上手く調整してもらって、クルマの姿勢やフィーリングがとても素直になり、ドライバーのイメージとクルマの動きがリンクして、セットアップも一層進みました。タイム的にもまずまず納得できるものでした。前回までのテストの時に比べて、どこをどう直せば良くなるかがつかめたような気がしていて、決勝までには強いクルマに仕上がっていると思います。岡山国際サーキットは、個人的には好きなコースですが、これまで結果が残せていません。でもクルマ的にはむしろ得意としているコースであり、ダンロップタイヤもマージンを持っていると思います。ブレーキ性能もアップしたので開幕戦の本番が楽しみになってきました」

山内英輝
「サーキットに来ているのに走れないのはちょっと変な気持ちで、もちろん悔しさはあるのですが、開幕戦により良い状態で臨むために、今回は走ることを我慢しています。でも、こうしてサーキットに来てチームと一緒に行動することで情報も、より効率的に共有できるので、やはり来てよかったと思っています。ファンの皆さんにはご心配をおかけしましたが、幸い、怪我は大したことなく、今は毎日、治癒するために効果的と言われる酸素カプセルに入ったりして、準備に明け暮れています。開幕戦の岡山は、僕の地元にも近いコースなので、何とかいい結果を出して今シーズンのいい流れを造りたいと思っています」
2016.03.21 - SUPER GT公式テスト - 岡山国際サーキット
開幕戦の舞台でのテストは上々の滑り出し 今年はコーナリングマシンの復活を狙う
4月9日(土)〜10日(日)の開幕戦を控えた3月19日(土)〜20日(日)、その舞台となる岡山国際サーキットにおいてSUPER GT合同テストが開催され、SUBARU BRZ GT300 2016モデルをはじめとして、40台を超えるGTマシンが参加しました。今シーズンもGT300クラスを戦うSUBARU BRZ GT300 2016モデルの大きな変更ポイントは、東京オートサロンでの2016年のモータースポーツ活動計画で発表したとおりタイヤと空力です。
1つ目のポイント、タイヤについてはフロントのタイヤサイズが300/680からリヤと同じ330/710に変更され、従来よりタイヤ幅と外径が30mm大きくなりました。この変更について辰己英治総監督は「昨年、ドライバーの意見を聞いて、彼らがダメ出しをした場所を検討したところ、タイトコーナーが連続する際、2つめのコーナーでタイヤが熱くなり過ぎてアンダーステアが出る傾向があることがわかりました。BRZはストレートスピードがどうしても抑えられてしまうマシンなので、コーナリングマシンとしての長所をもっと活かせるように仕上げたかった。そのためにはどうしたらいいかと考えてタイヤサイズの変更に踏み切りました」と説明しています。昨年からのテストでのドライバーの反応も良く、フロントタイヤを収めるフェンダー、バンパー、フードの形状も見直して岡山へ持ち込みました。
2つ目のポイント、空力面についてはコンピュータによるシミュレーション、風洞実験を実施し、Cd値を向上させました。ヘッドライトの端、フロントバンパー左右の立ち上がり方を変更し、フロントフェンダー後端も従来の跳ね上がる形状からストレートに変更したほか、ミラーのサイズを変更し取り付け位置も低くすることにより、リヤへの空気の流れ、特にウイングへ向かう空気の流れを変え、リヤのダウンフォースを向上させました。マシン全体でも、ダウンフォースを増やしています。
テスト初日の19日は前夜までの雨は上がったものの、路面はウェットコンディション。しかし連休ということもあり、朝早くから多くの熱心なファンがサーキットに集まりました。午前のセッション1では、路面がハーフウェットで車両とタイヤの確認を目的に走ったこともあり、参加27台中13位でした。午後のセッション2では気温も16℃まで上がり、路面のウェットパッチも減り徐々にドライコンディションになりました。このセッションではセットアップを煮詰め1分27秒621とトップと0.100秒差の3位につけるなど、手応えを感じる一日となりました。
2日目は晴天となりましたが、冷たい風が強く朝は気温も10℃。しかし天気が回復したことで、開幕を待ちきれない多くのファンがサーキットへ詰めかけ、サーキット周辺は渋滞が起きるほどでした。朝のセッション3では、1秒26秒923へとタイムアップ。トップからは0.878秒差の5番手につけました。
お昼休みに行われたオープンピットでは、ピットロードが埋まってしまうほどのファンで賑わいました。井口卓人と山内英輝もピット前に姿を現し、サインをするなどファンと交流を深めました。
テスト最後のセッション4では、各チームともロングランテストを行いました。アクシデントやマシントラブルによる赤旗中断もありましたが、SUBARU BRZ GT300 2016モデルも、コンスタントラップ周回によるタイムやタイヤの確認を行いテストは終了。この2日間で201周を走りこみ、多くのデータを収穫することができました。次回は3月26日(土)〜27日(日)に富士スピードウェイにおいて合同テストが開催され、いよいよ4月の開幕戦を迎えることとなります。
辰己英治総監督
「今年はよりコーナーの立ち上がりを重視したクルマにしました。タイヤサイズやエアロの改良に加え、今後はエンジンの最高回転数を少し上げて行く方向です。現状ではシフトアップした際にエンジントルクがついて来ない状態なので、そのあたりを何とかしたいですね。全体的にはコーナリングで強いクルマ、コーナーで抜かれないようなクルマにしていきます」

井口卓人
「フロントのタイヤサイズが大きくなったことで、クルマ全体のフィーリングがアップしました。去年の開幕前のテストを考えると、とてもいいスタートが切れたのではないかと思います。周囲はFIA GT3勢を中心に速いクルマが多いので、もっとセッティングを煮詰めて行く必要があるでしょうね。とはいえ、今年は戦えるぞという気持ちになっています。地元柳川の琴奨菊関が今年の初場所で優勝して綱取りが掛かっていますが、僕も彼と同じ柳川の観光大使としてとても刺激になっています。そんなこともあって初心に返ろうと考え、今年はカート時代のカラーリングを施したヘルメットを使う予定です。どんなヘルメットなのか、ぜひチェックをしにサーキットへ足を運んでください」

山内英輝
「去年の今と比べるとすごくいいクルマになっていますし、いい位置にいると思います。もちろん勝つためにはやらなければならないことは多いですから、もっともっと詰めていかなければいけないですが、張り合いが違います。ストレートスピードはライバルたちにはかなわないけれど、その分コーナリングスピードで詰めていけるので、ポジティブに考えています。僕も今年はヘルメットをカート時代のカラーにして戦います。父は鈴鹿でFJを長年やって、F3もテストまでしたドライバーだったのですが、彼と同じセナのような黄色のヘルメット。こちらもチェックしてください」

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