SUPER GT

辰巳コラム

  • TEST
  • Rd1
  • Rd2
  • Rd3
  • Rd4
  • Rd5
  • Rd6
  • Rd7
  • Rd8
2017.08.09 - 第5戦 富士スピードウェイ

手応えのある、いい内容の1戦だったと思います

今回は、とにかくストレートでライバルに抜かれないこと。そこに最大の焦点をあてていました。すでにお話ししていますが、予選は旋回性能を重視し、決勝ではスピードを引き出すようなセットアップを施しました。もちろん両立できれば言うことはありませんが、なかなか二兎を追うことは難しいです。ストレートスピードは決して速いわけではありませんが、ブレーキングでリカバリーしたり、“抜かれにくいセットアップ”ができたレースでした。
戦略、マシン、チーム、ドライバーがそれぞれの役割を果たした

このレースでは、土曜の段階から走り込みができました。持ち込んだセットアップもそこそこいい状態だったのが良かったですね。タイム自体はあまり出ていませんでしたが、私はそれほど気にもしていませんでした。予選に向けて少しマシンを調整して、Q1では井口が3番手タイムを記録してくれました。Q2では山内がセクター2の全体ベストを獲っています。5番手でしたが、あのコースでは上出来かなと思います。
レース前は後ろのFIA GT3勢、つまり9号車と3号車がどう来るかと心配しましたが、序盤でポジションをキープすることができれば、そのままいけるという手応えはありました。3号車は序盤でリタイアしてしまいましたが、9号車に抜かれないまま走れたことが大きかったですね。
それに、前戦と違ってセーフティカーも出ず、レース自体が安定していてくれたおかげで戦略がきちんと機能しました。今回はピットでリヤタイヤ2本のみ交換しましたが、メカニックたちもミスなく作業をこなしてくれました。かなり短時間でマシンを送り出すことができたと思います。後半スティントを担当した井口のリヤタイヤは、一度熱の入ったユーズドタイヤを装着しました。新品を装着する作戦もありましたが、気温がどんどん下がっていったため、山内の周回数を増やして対処しています。
ストレートスピードが足りない我々としては、ピットの作業時間を短くしてクルマを速く出し、逃げ切るという戦法しかありません。当然のことながら、2本のみの交換ではタイムの伸びはイマイチになりますが、4本すべてを交換変していると、ライバルに前に出られてしまうのです。前にいればポジションを守ることはできますが、先行されてしまうと追い付いても抜き返すことができません。だから、うまくやらないとレースがフイになってしまうのです。ですから、ラップタイムの速いライバルが揃うなかで4位を守り切ったというのは、立派な結果だと思います。
次戦鈴鹿のポイントは、旋回性能の向上とタイヤ戦略です

次戦の鈴鹿は中高速でのコーナリングが多く、ストレートスピードも要求されないので、高速コーナーである130Rも含めた旋回の安定性をひたすら狙っていきます。あとは義務づけられた5回のピットをうまく使って戦略を考えます。タイヤの交換本数をいかに減らすことができるかが勝負でしょう。4本交換するタイミングの見極めができれば最高ですが、その場で判断していくしかありません。夕方の気温が下がってくる時に適切なタイヤを使っていないといけませんから、メインで持ち込むタイヤを考えるために天気予報とにらめっこです。 鈴鹿ではウェイトを50kg搭載します。これ以上重たいと、勝つのは厳しいかもしれません。今回のレースで表彰台には乗っておきたかったのですが“ウェイトを積まずに済んだ”と前向きに考えることにします。燃費があまり良くないため、戦略の幅が狭い点をどう克服するかですね。お盆休み明けにチームとミーティングをして、鈴鹿に乗り込みます。引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします。

TEAM PARTNER

  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube
  • ニコニコチャンネル
Scroll to top