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新井車に搭載されたSWRT・100基目のギアボックス

Letter from SWRT
8 September 2006

Copyright © STI 
SUBARUワールドラリーチーム(SWRT)のメンバーにとって、SUBARUのホームイベント、ラリージャパンは、どんな時でも特別なイベント。しかし、2006年の今年は、チームのトランスミッション部門にとってはとりわけ感慨深いラリーとなった。SWRTで製作したギアボックスの記念すべき100基目が、このラリージャパンで実戦使用を迎えたのだ。この100基目のギアボックスは、新井敏弘のSUBARUインプレッサWRC2006に搭載され、総合6位でのフィニッシュを決めた。

SWRT製作のギアボックス・1基目が実戦デビューを果たしたのは、1999年のFIA世界ラリー選手権(WRC)開幕戦、ラリー・モンテカルロ。ユハ・カンクネンのSUBARUインプレッサWRC1999に搭載された。ベテラン・フライングフィンのカンクネンは、この時、総合2位でフィニッシュしている。

その信頼性、スピード、ギアチェンジの精度の向上を得るために、初ラリーから2004年までの間、ギアボックスの設計にはわずかなマイナーチェンジしか行われなかった。5年経った2004年シーズンの中盤、加速度とトップスピードを向上させるために、新しいディファレンシャル、ソフトウェア、ギア比に、デザインの改修が施された。

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現在の6速セミオートマチックギアボックスは、英国バンブリーにあるSWRT本部内で製作されたもの。各ギアボックスは350以上もの部品で構成され、組立には始まりから最後までに約1週間かかる。今年、このデザインではギアチェンジのスピード向上が強化された。これにより、ペター・ソルベルグとクリス・アトキンソンは、コンマ0.018秒という、F1マシン並みの速さでギアチェンジを行うことができるのだ。

SWRTトランスミッション・スーパーバイザーのポール・ロバーツは「このギアボックスのデザインは、1999年のモンテカルロでデビューした1号目から進化してきました。チームは効率を上げるために作業を行っており、自分たちのギアボックスはラリー界でも最も最先端のものであるという自負があります。各ボックスの製作には大変手間がかかり、担当はギアボックス製作の取りかかりから最後まですべてに関わるので、自分たちのプロジェクトとして臨んでいます。もう100基も作ってきたなんて、信じられませんね!」



ラリーマシンの意外な装備
長距離リエゾンに便利なクルーズコントロール

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豪華な高級車ならまだしも、自動的に運転速度を維持するクルーズコントロールシステムがSUBARUインプレッサWRC2006にも搭載されていると聞いたら、おそらく驚かれる方も多いのではないだろうか。ラリードライバーは、できる限り速く走ることを望むものではないのだろうか?――もちろん、この豪華装備はラリーのロードセクションでのみ使用されるもの。長距離のロードセクションでは、ペター・ソルベルグやクリス・アトキンソン、一定したペースを維持して走ることができるのだ。

SUBARUワールドラリーチーム(SWRT)は、ステージ間の長距離移動中での燃費を向上させる目的で、2004年からクルーズコントロールを導入している。特にWRCの中でも最も長距離のロードセクションが設定されるラリージャパンでは、重宝する装備。今年のラリージャパンでは、3日間のコースのうち、クルーがステージ間やサービスまでロードセクションとして走行した距離は、1240km。これはチームの本部がある英国中部のバンブリーから、ドイツ東部のベルリンまでの距離に相当する。

これだけの長距離の間、マシンを一定ペースで維持するには、極度の集中力やドライビングに専念することが要求される。特に制限速度が市街地で時速40km、それ以外では60kmと非常に低い日本では、気力を維持するのも一苦労だ。
SWRTのチーフエンジンエンジニア、ニック・デニッシュは、このシステムの使い方をこう説明する。
「ドライバーがステージを離れロードセクションに出たら、ステアリングの下にある、LC(launch control=コントロール開始)ボタンを押すと、クルーズコントロールを使用することができます。ここでは、ドライバーはアクセルを踏む必要がありません。一度システムが稼働した後は、ギアシフトのパドルを引けば速度が上がり、押せば下がります。これで速度を調節し、希望の速度になった後は、ドライバーや乗員が何をすることもなく、マシンはそのまま走り続けるのです」

デニッシュは、このシステムは、簡単に解除することができると続ける。「このシステムはクラッチかフットブレーキを踏む、またはハンドブレーキを引けば解除されます。ドライバーがパドルを使ってギアチェンジができるようにする前に、クルーズコントロールを解除しなくてはなりません。ペターもクリスも、SSスタート前のタイムコントロールに到着する直前にシステムを解除し、ステージのスタートに臨むのです」


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