WRCチームの後方支援業務は、どんな時でも手間のかかる仕事だ。ラリー開催地に赴く60名のスタッフのホテルや飛行機の手配とともに、特注の14mのホスピタリティユニットや4台の36トントラックをはじめとする、貨物輸送も行わなければならない。移動ワークショップ、移動キッチン、2台のレッキカー、2台のマネージメントカー、フォークリフト、2台のミニバス、300本のホイールやそれ以上のパーツ、タイヤ、予備部品など、挙げたらきりがないほどの物資を輸送するのだ。WRC史上初の2週連続開催に向けた準備は、特に大変だったに違いない。555スバル・ワールドラリーチームのコーディネーター、ケン・リースに聞いた。
私にとって一番の難題は、いつもの1戦ではなく、2戦にわたって行きっぱなしなるチームのメンバーのために、準備を行うことだった。1戦目が終わって英国に戻ってこられたのは、6人だけだった。ほかは、次のラリーが始まる前に戻ってきてゆっくりする暇などなかった。だから、戻ってこられないメンバーが、ツールドコルスのあとに休養をとる時間をスケジュールの中に確保するようにした。
もう1つ大変だったのは、必要書類を準備することと、そのものすごい分量を管理することだった。今回の旅には、何もかも2戦分を用意しなければならなかったのだからね! さまざまな地図、スケジュール、ロードブック、チケットなどの書類が入っている私のかばんを空港で計量すると、いつもはだいたい25kgだが、今回はなんと48kgだよ! 言うまでもなく、必要なものがすべてそろっているように、とても入念な計画を立てる必要があった。そのほかに普段と特に違ったのは、ラリーが終わってから後処理などを済ませる1週間がなかったことだ。いつもは、その週に費用の清算をしたり、必要な手紙を書いたり、やりかけの仕事を片付けたりするんだ。ところが今回は、コルシカを経つ前にすでにカタルニアラリーの準備のために電話をかけたりしていて、後回しにしなければならない仕事もあった。
物資の運搬という面では、直接コルシカからカタルニアに輸送する手配のほうが、実は楽だった。1度英国に戻していたら、もっと大変だっただろう。英国着と英国発の輸送が1回ずつ省けて、時間とコストを削減することができた。サンレモから英国に戻り、コルシカに向けて準備をしている時が一番ハードだった。そのあとのターマック2戦に備え、すべての機材や装置が確実にトラックに積まれているようにしなければならなかったからだ。あの時きちんと準備をしておいたから、トラックはラリーが終了したらすぐにコルシカを出ることができた。そして、21時間でカタルニアに着いた。
今後また、WRCの年間スケジュールに2週連続でラリーが組まれたらどうする?
今回のように、十分前からわかっていて、両ラリーの性質が似ていれば、もちろん喜んで準備するよ。特に、今度で経験済みだからね! 私にとって最も大事なのは、チームの皆に快適に過ごしてもらうことだ。そして、皆ができるだけ休息をとれるようにすることも、十分心掛けてきた。もし、3週連続ともなれば私も文句を言うかもしれないけどね!
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