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自動車メーカーとしての責任
「マニュファクチャラー・プリンシパル」の役割
Letter from SWRT
28 January 2004
2004年のSUBARUワールドラリーチームの組織図に新たなポジションが設定された。「マニュファクチャラー・プリンシパル」。メーカー代表、という意味である。SUBARUの意志をチームに伝え、哲学を共有すること、チームの要望・事情をSUBARU本体とともに実現・検討することが目的である。守備範囲は、車両自体の戦闘力強化はもちろんのこと、チーム運営、マーケティングなどと広範囲だ。これまでも、STIがチームとSUBARUとの橋渡し役として機能していたが、改めてチームの内側からマネジメントすることとなったのである。この役を果たすのは、STIのSWRT担当PGM(プロジェクト・ジェネラル・マネージャー)、東稔也だ。

メーカーとチームの関係強化について、東に聞いた。
「SWRTとメーカーであるSUBARUとの関係は、14年前の1989年から続いています。当初は、STI/SUBARUがWRC用エンジンを開発し、チームが出場車両のシャシーを開発するという分担でした。その中で、SUBARUはベース車であるインプレッサの基本設計をWRC向きに対応したり、FIAのホモロゲーション取得手続きなどを行ってきました。ここ数年はSUBARUの中にWRC関連の開発プロジェクトを設けて、エンジンだけでなく、素材、駆動系、エレクトロニクス、空力、設計、実験、解析などの専門エンジニアが集まってそれぞれの専門分野のサポートを行っています。しかし、近年のWRCは開発競争が激化し、またスピードアップしています。その状況に対応するため、メーカーとチームがさらに緊密に連携して開発やチーム運営を行う必要が出てきたのです。」

「新しいマニュファクチャラー代表というポジションは、チームとメーカーの新しい関係実現のための役割といえます。メーカー自らがWRCソサエティに進んで参加し、WRカーの開発や円滑で効率的なチーム運営を目指していくのです。また、SUBARUは自動車メーカーなので、最新鋭の研究・開発設備を持っています。これをWRカー開発に最大限活用すれば、資金的、テクノロジー的または人材リソース的にもさらなる効率化、スピードアップ化が図れると確信しています。また、フィロソフィーを共有することで、メーカーとチームが同じ目的に向かって一丸となれるのです。」

東がSTIのWRC担当として着任して3年。この間、STI社長の桂田勝とともに様々な効率改善を推進してきた。そして、チームは勝つために何をすべきかを理解し、ようやく2003年にペター・ソルベルグのWRCドライバーズタイトル獲得でその努力を結実させたのである。SWRTは、いまやまさにWRCの頂点にいると言える。

「現在とてもよい状態だからこそ、チーム力をさらに強力にしいく必要があるのです。追う立場よりも追われる立場に居続けることのほうが、数段多くのエネルギーを使うものです。」と東は語る。

2004年WRC開幕戦のモンテカルロ。SWRTは今シーズンのチーム体制を発表した。ディフェンディング・チャンピオンのペター・ソルベルグ、2003年シーズンで現役を引退したトミ・マキネンの秘蔵っ子ミッコ・ヒルボネン、SWRT代表のデビッド・ラップワースと並び、東が報道陣の前で方針を明らかにした。

「ご存知の通り、SUBARUの量産車であるインプレッサ、レガシィ、フォレスターとWRカーの基本レイアウトが同一であるため、WRCはSUBARUの走りの性能を実証するために非常に重要な位置づけとなっています。縦置き水平対向エンジン、シンメトリカルAWDシステムがそれです。量産車とWRカーの両方を磨き上げることで、確かな走りの性能をもつSUBARU車と強いWRカーが共存し、表裏一体を形作っているのです。」

新体制は、グローバル企業であるSUBARUとWRCのトップチームであるSWRTの緊密な関係をさらに推し進めることで、より良い商品の開発、より高い次元のモータースポーツ成果を追求しようという意気込みである。これこそが、メーカーとしての最大目的であり、同時に果たすべき責任なのである。


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