旧型マシン最後のイベントとなるスウェーデンで勝利を飾ってからまもなく迎えた、SUBARUインプレッサWRC2005の実戦デビュー、ラリー・メキシコ。最初から最後まで一度もトップを譲ることなくペター・ソルベルグがパーフェクトな形で新型マシンのデビューウィンを飾ったSUBARUワールドラリーチーム(SWRT)は、ニューフェイス、クリス・アトキンションのセンセーショナルな速さと共に、WRCマニュファクチャラーズの中でも、最も波に乗った好調を見せている。この新型マシンのデビュー戦で大成功について、SWRTチーフラリーエンジニア、ピエール・ゲノンに聞いた。
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まずは、あなたのチームでの役割を聞かせてください。
私はチーフラリーエンジニアとして、SWRTの全マシンに関して、実戦とテストでのエンジニアリングの責任を担っています。各イベントの基本セットアップやタイヤチョイスなど、マシンの仕様も私が決定します。4人のエンジニアを抱える部署をまとめる傍ら、テストに関しても私が責任者を務めます。各シーズンの、開発テスト、プレイベントテスト、それぞれの計画を立てるのも私の仕事です。
新しいSUBARUインプレッサWRC2005の開発には関わったのですか?
私は開発には関わらないのですが、もちろんとても興味深く見ていました。
今年、ラリー・メキシコで新型マシンを投入することになって、どのような気持ちでしたか?
新型マシンを投入する時は、通常よりも解決するべき要項が増えるものですが、特にメキシコのような難しいラリーではなおさらでしたね。冬の間、ヨーロッパ圏内でメキシコに似たコンディションを探すことが非常に困難なため、メキシコへ行くまでに信頼性を確保することが一番大きな課題でした。我々は、イタリアのサルディニア島でグラベルステージを探し、そこで調整を行うしかなかったのですが、FIAのレギュレーションで決められていることなので(FIAでは、WRC登録チームにヨーロッパ外でのテストを禁じている)、どのチームも同じ状況。こればかりは、どうしようもありません。また、新型マシンとなれば未知の部分も多いわけですから、いつもよりもトラブルの不安が増えます。特にメキシコは、暑くて高地ですから。でも、こんな状況でも我々のマシン設計がバッチリ適応して、とても信頼性があることを証明できました。
新型マシンの投入には、興奮しましたか?
もちろん、新しいマシンを投入する時は、いつもエキサイティングですね。シーズン後半になれば技術要素も煮詰まってきますから、イベントに集中し、より精密なチューニングやタイヤチョイス、マシンのセットアップに専念できます。メキシコに向けては、新たに手間がかかることも多いだろうということは分かっていましたから。
特にメキシコで新型マシンを投入することで、仕事は増えましたか?
いつもよりも作業リストが増えて、セットアップに関してはやや複雑になりました。新型マシンは旧型よりもワイドトラックになりジオメトリーも変わりましたから、当然この仕様でのセットアップも手持ちの経験が少なくなるからです。カレンダーの前半に全てのラフイベントが集中するので、我々はマシンの信頼性確保に専念し、ほとんどのテストをその点に費やしました。この戦略は大正解でしたが、その反面でメキシコに関してのベストセットアップを見出すには充分ではありませんでした。その影響は現地で現れましたが、しかしシェイクダウンの後に変更を施し、それが功を奏してペターは最初のSSでステージウィンを獲得しました。それでもその時は、ペターはまだ100%満足はしていなかったので、マシンにはまだまだポテンシャルがあることを証明したと言えます。我々はラリーが始まってからも変更を重ねていきましたが、すべてがいい方向に向かって行ったようです。
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レグ3の残り2ステージに向けて、ペターが29秒差でレグ2を終えた時、どんな気分でしたか?
あの時点で、私にはかなり自信がありました。レグ2の午前中は、プジョーがかなり追い上げてきたのでプレッシャーがありましたが、ペターは見事に対応して、後は結果が示すとおり。レグ2中盤のサービスではセットアップを向上させて、ペターはその次のステージで8秒も勝ったのです。あの時点で、非常にいい傾向が見えましたね。
ペターがメキシコを制したことについてはいかがですか?
新型マシンを投入したイベントでのデビューウィンは、素晴らしい気分ですし、設計担当、テストチームなど全チームメンバー、そしてここまで壮大な尽力を注いできた全ての人たちにとって、最高の結果です。旧型マシンでのスウェディッシュ勝利も最高でしたし、それに続いて新型マシンでの勝利ですからね。
また、シーズンのこんな早い段階でドライバーズ選手権の首位に立ったことも、ここ数年では初めてのことです。これまでは、この時期には追いかける立場でしたが、今年は首位を守っていかなくてはなりません。首位に立つことで、たとえばニュージーランドでは先頭からスタートしなくてはならないなど、懸念事項もあります。非常に不利な立場ですが、これもトップならではの苦しみです!
クリスのパフォーマンスに関しては、総合的にどう考えていますか?
とても楽しみです。計り知れないほどのポテンシャルを持っていると思いますね。クリスがつかまった場所は、昨年のローブと同じ場所でした。クリスはまだ経験が少ないのに、同じミスをするということなんです。それまでにクリスが出したタイムは、比類のない速さでした。ラリーでこんなに短い間にこれだけの成長を見せたドライバーを、今まで見たことがありません。
ニュージーランドに向けての予想は?
勝てるポテンシャルはあると思いますが、先頭スタートという不利な面もあります。それは仕方のないことですし、むしろチャンピオンシップの最後まで、その不利を背負う立場であり続けたいくらいですね! 初日をうまく終えられるように努力し、そこからはポジション争いです。ぜひ注目してください!
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