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ステファン・サラザン、難関コルシカを語る

Letter from SWRT
14 April 2006

WRCの名イベント、ツール・ド・コルスは、今年で開催50周年を迎える。早くからこのラリーの愛称として親しまれている「1万コーナーのラリー」というニックネームは、このイベントを実によく表わしていると言えるだろう。

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2006年FIA世界ラリー選手権第5戦ツール・ド・コルス
いくつものヘアピンコーナーとシャープでツイスティな下り、非常にテクニカルで、ドライバーにとってはジャッジが難しい。 「ステージは本当に素晴らしいのだが、同時に非常にチャレンジングだ。特にヴィコ−コル・デ・サーラザーニュの峠は非常にナロー。ここでは集中していないと、すぐにミスにつながる」とは、SUBARUワールドラリーチーム(SWRT)のドライバー、ステファン・サラザンからのアドバイスだ。

「アスファルトのエース」として名高いサラザンは、今シーズンはシリーズのターマックイベントに参戦を絞りながら、SUBARUのタイヤパートナー、ピレリとのターマック強化テストプログラムの任を担っている。 「うまく行っているよ。チームのパフォーマンスに役立つための、セットアップを行っている。正確なライン取りやコーナーを正しくインカットする、僕の経験が役立っている。小さなアドバンテージは、時間の有効活用になるからね」

2006年のツール・ド・コルスは、サラザンにとって、今年参戦するアスファルトイベント4戦のうちの3戦目。サラザンは、母国ファンの応援が白熱するような活躍を見せたいと思っている。「どのイベントでもベストは尽くすのだけれど、このイベントは特別。とてもいいフィーリングなんだ」昨年のツール・ド・コルスでは、サラザンは自身のWRCベストリザルトタイとなる、総合4位を獲得している。

サラザンは、自分の持つサーキットレースでの経験が、ターマック路面のパフォーマンスに役立っていると考える。2004年のフランスラリーチャンピオンであり、F1、ルマン、GTレースで活躍してきた彼は、 舗装でのドライビングに要求される正確なライン獲りと寸分も狂いのないブレーキングスキルを備えている。サラザンは、FIAのフォーミュラ1世界選手権、世界ラリー選手権、両イベントに参戦経験のあるエリートドライバーの一人。F1チャンピオンを2回も獲得しているジム・クラークやルマン優勝経験のあるベテランレーサー、デレク・ワーウィックやマーチン・ブランドルと肩を並べるのだ。世界ラリーチャンピオンのコリン・マクレーやカルロス・サインツ、トミ・マキネンもF1マシンに乗ったことはあるが、すべて競技外のテスト時だけ。

サラザンが初めてラリーに参戦したのは、1995年。南フランスで行われた、「ヴァール・ラリー」という舗装イベントだった。そして、サーキットレース時代を経て、2000年、サラザンは再び「ヴァール・ラリー」でラリー参戦を果たした。5年ぶりのラリーとなるこのイベントで、サラザンはグループNでのクラス優勝を獲得。
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2004年WRC初参戦
FIA世界ラリー選手権第10戦ラリー・ドイツ
翌年はさらに1999年仕様のグループN SUBARUインプレッサで、なんと総合優勝を遂げたのだ。

続く2004年、サラザンは、文句なしにSUBARUフランスのラリープログラムを獲得。そして、同シーズン、初挑戦のフランス国内ラリー選手権を制した上に、自身最上位となるスペインでの総合4位を含め、WRCの3イベントでトップ10に入る快挙を見せたのだ。

ラリー界の最高峰で、SUBARUワールドラリーチームから参戦した2005年は、コルシカでの自己ベストタイを含め、見事なデビューイヤーを送った。今年で、サラザンはさらに好成績につなげるために、自分の経験を全投入する。 「ターマックでのドライビングスタイルは、他のラリーとは違う」とサラザンは語る。「路面はうんとスムースだから、ルーズな路面よりもさらに精密に、タイトなラインを取らなくてはならない。グラベルでは、コーナーに入る前はドリフトだけど、アスファルトではグリップ走行だ」

サラザンの後押しをするかのように、SUBARUインプレッサWRC2006の仕様も変わった。 「僕たちは、要求されるライン取りのために、異なるセッティングをマシンに施した」とサラザンはコメントする。
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2006年FIA世界ラリー選手権第5戦ツール・ド・コルス
「コーナーで安定力を出すため、高いGフォースにも耐えるよう、グラベルイベントよりも、サスペンションはより固く車高が低くなっている。

サスペンションを沈めて高速でのヘアピンコーナーでの反応力を上げたインプレッサWRC2006は、コルシカではメキシコのようなルーズ路面のイベントよりも、60mm近くもローダウンする。道路からちょうど100mmというこの高さは、分厚い英仏辞典を入れるのもやっとな程だ。

「コルシカのヘアピンは、それはタイト。マシンは、ステアリング応用力が高く、堅くなくてはならない。コーナーをクリアする時には、ロールはできる限り小さく。そのため、僕たちはマシンをレーシングカー並みに安定力が高いセッティングを行う」とサラザンは解説してくれた。ステアリングをフルに活用するため、マシンのロールを減少させるためにサスペンションのスプリングも変更されている。これにより、マシンは横の動きが減ることになる。

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実際、スプリングのレートは、舗装イベントでは60%も堅くなる。 「このイベントでの長く、摩耗が激しくグリップの高いステージでいいタイムを出すためには、すべて不可欠なことなんだ」 コルシカのコーナーを抜ける時、インプレッサWRC2006は、横の動きは2度発生するのがやっと。分度器でアングルを測らなければ分からないような数値だ。 「コルシカのためにこのようなセッティングを行うことで、ブレーキのタイミングを遅らせることができるし、コーナーからのパワーをためるのも速くなる」とサラザンは付け加える。

コルシカのコースは、他の舗装イベントやグラベルイベントに比べて、ドライバーにかかるプレッシャーが膨大に高いため、クルーにとってタフなラリーだ。コルシカでコーナーを抜ける際に発生が予測されるGフォースは、横G・1.5g、縦G・1g。これは、スタンダードのSUBARUインプレッサが通常走行で考えられるGフォースの、ほぼ2倍に当たる。フルウェットのコースでも、SUBARUインプレッサのWRカーは見事なグリップを得ることができる。2005年に行われたシェイクダウンはウェットコンディションとなったが、サラザンのチームメイト、ペター・ソルベルグはそれでも横G・1.475gを記録。これはオープンな高速道路でサンデードライバーが発生する平均値に対し、50%増しの数字に当たる。

さらに速く、さらに強いGフォースに挑むその時、経験が生きる。




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