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SWRTはWRCのブレイクタイムも大忙し
ピエール・ゲノンに聞くテストプログラムの舞台裏

Letter from SWRT
16 June 2006


6月のアクロポリス・ラリー終了から8月のラリー・ドイツのスタートまでの9週間、SUBARUワールドラリーチーム(SWRT)が集中する矛先は、イベント参戦から、テスト・開発に移る。このWRCのブレイクタイム中にSWRTが予定しているテストは3回。今回はテスト・開発のチーフエンジニア、ピエール・ゲノンに、テストプログラムについて話を聞いた。



この夏の間の予定について、詳しく聞かせてください。
「次のラリーまでに、我々は3つのテストを計画しています。7月の1週目には開発テスト、そして7月と8月にはそれぞれドイツ、フィンランド向けのプレイベントテストです。このテストでは、この2戦のスペックを確定することに加え、来シーズンのための新開発に関する内容を決定します。WRCカレンダーにブレイクがあることで、新しいパーツでさらに走り込みを行い、後半戦でのそのパーツのパフォーマンスや、次世代のSUBARUインプレッサの方向性をより確実にすることができます」

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プレイベントテストの目的は何ですか?
「プレイベントテストは、エンジニアやドライバーが各イベントの準備としてセッティングを行う、数少ない時間です。マシンのセッティングや、各ラリーに合わせてのいろいろなタイヤ選択を評価します。開催される国内のできるだけ会場に近いエリアでテスト場所を探し、イベントで予測されるコンディションと似たような状態でのテストを目指します。しかしそれがいつでも可能というわけにはいきません。FIAではテスト場所を規制しており、ヨーロッパ圏外ではテストを行うことができませんから、英国、フランス、スペイン、イタリアなどのヨーロッパの国々からしか選べませんし、北欧ではテスト可能日数が決められています。こうした制限にかかる場合は、とにかくラリーコースと似たような性格の場所を探すしかありません」

開発テストについて、もう少し詳しく教えてください。
「開発テストの目的は、マシンのパフォーマンスを強化するための施策を評価することにあります。どこか一つのイベントに適合する向上を求めるのではなく、グラベルかターマックでのパフォーマンス向上という、おおまかな目標とも言えるかもしれません。ですから、複数イベントのコンディションをカバーするようなテスト場所を使います。ここではサスペンションやトランスミッション、通常のセッティング要素のアウトラインを客観的に見ます。プレイベントテストと開発テストの違いを要約すれば、開発は箱を描くようなもの、プレイベントはその箱のパフォーマンスを最大限に活用すること、という感じですね」

プレイベントテストと開発テストには、同じスタッフが参加するのですか?
「プレイベントテストは、ラリーに同行するエンジニアやチームスタッフが担当します。現在、我々はテストを年間80日行っており、うち40日がプレイベント、40日が開発です。ドライバーに関しては、プレイベントテストではもちろんラリーのドライバーに乗ってもらいたいですし、我々の優先順位に沿って両テストで彼らを使い分けます。しかしもちろん、ペターとクリスがラリー16戦に加えてすべてのプレイベント、開発テストに参加できるわけではありませんから、開発作業にはテストドライバーであるパジ・ハグストロームが参加します。違った視点で見ることも大切なことですし、パジは5年間もチームでテストドライバーを担当していますから、経験も豊富です。彼は、前モデルの開発やセッティングでも作業に関わっていますから、彼のテスト走行やフィードバックは見事なものです。信頼できるいい基準を持っているドライバーですね」

開発テストがラリープログラムに与える影響には、どんなものがありますか?
「開発テストでは、我々は様々な新アイテムのパフォーマンス効果を分析し、それからそれがイベントで使えるかどうかを決めます。このアイテムの信頼性を確認し、マシンのパフォーマンス向上を証明しなくてはなりません。この2つの項目にOKが出たら、イベントエンジニアに、このパーツが使えるという確定を出すことができるのです。もしテストがうまく消化できれば、パーツは間違いなく機能するはずですし、エンジニアも自信を持ってこのパーツを使うことができるのです」

テストの開始までに、どれくらい前もって計画を立てるのですか?
「1年の初めには、いつ、どんなテストを行っていくのかが分かっているので、この時点でプランを立てることができます。シーズンを通してのパフォーマンスによっては優先順位も変わるので、既存のテスト日程を追加したり削減したり、テストそのものを追加するなどの例外もあります。通常、数ヶ月前に計画を立てますが、特に開発テストに関しては、何を評価したいのかを把握しなくてなりませんから、1,2ヶ月前が効果的です。
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プレイベントも、マシンスペックのアウトラインを出して、テストに使いたいタイヤを選ぶため、数週間前には準備をします。もちろん、いくつか要素が変わることもありますが、これで基本的な計画を把握することはできます」

その他にもテストを行うことはありますか?
「リサーチ・開発(research and development = R & D)テストというものがあります。これは、今後数年間の設計に影響を与える基礎となるテストですが、最終的に具体化する前に行わなくてはなりません。例えば、もしエアロダイナミクスを得られるけれど重量増にもなってしまうというアイテムがある場合、ある程度の重量やその他のリスクを負ってでもエアロダイナミクスを得るのかどうかを決めなくてはなりません。競技中には、こうした小さな部分までの違いを判断することはできませんから、客観的に判断するためにもテストを行わなくてはならないのです。こうした材料は、その後何年もマシンデザインに影響を与えるので、正しい選択を見つけなくてはならないのです」

7月に行われる次のテストでは、どんなことに視点をおきますか?
「今回は開発テストで、1番に専念することは、新しいトランスミッションの開発、特にフロントとリアのディファレンシャルです。この部分は今年新しいレギュレーションが導入されていて、それをまだ模索しているところです。元のデザインとは違うパーツはホモロゲーション公認を受けなくてはなりませんから、いくつかの成果は今シーズン中に取り入れられないものもあるかもしれませんが、いずれにしろトランスミッションコンポーネンツは時間がかかります。我々は、既に来年のことを視野に入れているのです」




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