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クリス・アトキンソンのチーフエンジニア
リチャード・トンプソンに直撃!

Letter from SWRT
7 July 2006

SUBARUワールドラリーチーム(SWRT)のドライバー、クリス・アトキンソンは、ステージを1本走り終えると、ただちにサービスに電話を入れる。ステージはどうだったか、マシンのフィーリングはどうだったか、次のサービスで変更・調整したいところはないか、などを話し合う。その電話をいつも受けるのは、アトキンソンのエンジニア、リチャード・トンプソン。今回はトンプソンに、チームの若手ドライバー、アトキンソンに携わる仕事について、話を聞いた。


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エンジニアという仕事はどのような内容なのですか?
仕事は、実際にラリーに行く前から始まっています。まず私は、次のラリーで使用するマシンの仕様詳細を記した製作シートを作ります。ラリーチームのテクニシャンや、エンジン&トランスミッションのワークショップなど他の部門はこれに沿って、マシンの製作や補足の組み立てなどを行います。エンジニアはクルーに対し、パフォーマンスやセーフティの他、マシンの内部・外部を把握する責任を担っていますから、私は全部門との連携を取り、製作工程を通して全てが行われているかを管理します。製作が終了すると、マシンの責任者であるチーフテクニシャンと共に、ワークショップで全センサーのリセットやエンジンチェック、シフト・ディファレンシャル機能を含めた全てのシステムをチェックします。

最終段階は、工場から北に1時間ほどのところにある、自動車産業研究連盟 (Motor Industry Research Association =MIRA)のテストコースで、シェイクダウンを行います。そこではマシンや必要とされると全てのスペアパーツに関する、いくつもの項目のチェックを行っていきます。これを確認することで、マシンがイベント会場に到着した時には、シェイクダウンに向けて準備万端となるのです。


イベント前はとてもお忙しそうですね。イベント現場での仕事はいかがですか?
ラリー会場に着くと、私はFX(ソルベルグのエンジニア)と共に、ステージの調査に出かけます。路面コンディションや、地温・気温、タイヤチョイスなどをメモしていきます。ラリーや優先事項にもよりますが、一般的にはイベントで走行する時期にすべてのステージをレッキしたいところです。そうすれば、我々の基準もより正確になりますから。ステージを走り終わった後、サービスに戻り、ドライバー陣やピレリのタイヤエンジニアであるテレンツィオ・テストーニと話し合い、シェイクダウンに向けて最終的に何の作業を優先するかを決めていきます。

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実際のステージを走るなんて面白そうですね。全てのSSを走るのですか?
「残念ながら、そうはいきません。運転はFXと交替しながら行っています。またステージでは、路面の写真を撮ったり気温を記録したりと何度も停車するので、それほど速くは走れるものでもないのです。また、チームのイベントコーディネーターであるケン・リースと、車を傷つけないように約束しているので、とても慎重に運転しているんですよ!サービスパークの外に出ている時間は、とても気分がいいものです。例えば、アルゼンチンのエル・コンドールという山の高地にあるステージでの早朝や、(モンテカルロの)チュリニ峠はいいですね」

イベント中、イベント外を通じて、アトキンソンとはどれくらい緊密に作業を行っていますか?
「クリスがどこにいるかによって、電話だったり直接向き合ったりになりますが、ほとんど毎日のように話しますね。今週は、彼は開発テストに出かけていまして、このテストには通常イベントエンジニアは参加しませんから、彼は初日が終わった後に電話をかけてきて、テストで得たものや、それらを次のイベント前テストにどのように反映できるかなどを話し合いました。彼はとても頭の切れる人間で技術的な感覚も持っているので、我々が行った変更やその効果についてもよく理解しています。クリスは英国にいる時には工場の近くに住んでいるので、我々が何か特別なことをやっている時には、いつでもやって来て私や他の部署のスタッフと直接話すことができます。私たちは何時間もかけてインカー映像やイベントでのデータを見て、ペターのパフォーマンスと比較し、クリスが速いところ、遅いところがどこなのかを把握します。またクリスはMIRAでシェイクダウンを使うので、大きなアドバンテージになりますね。おかげで私たちは、ステージのことやセッティングについての話し合いにより時間を割くことができますし、シートベルトの長さやステアリングのポジションなど基本的な変更も短い時間で行うことができます。イベントでは、クリスと話す時間は実はそれほど取れないので、時間が取れる時に出来ることは全てやっておきます」

この仕事をするきっかけは?
「私は、イングランド北部の森にあるダルビーいう村の南部の生まれで、ここでは70、80年代にラリーが行われていましたから、少年の頃には家の前をマシンが走っていくのを見ていましたし、村がサービスになっていました。スゴイ!と思いましたね。その後、地元のドライバーと仕事をするようになり、学校を卒業すると、4年間、いわゆるメカニックの見習いをしていました。その頃はもっとイベントに出かけるようになり、その後1991年、21歳の時に日産でラリーメカニックとしての仕事に就いたのです。スティグ・ブロンキストやトミ・マキネン、フランソワ・シャリオーなどと仕事をしていましたが、WRC活動から撤退すると、24時間レースや英国ツーリングカー選手権、英国、ギリシャ、ポルトガル、オランダ、日本などの国内選手権で仕事をするようになりました。そのころ学校にも戻り、テクニシャンからエンジニアに転向するために設計を2年間学びました。日産で9年間働いた後、プロドライブに移りましたが、その後、日産でパリーダカールプロジェクトに参加する機会を得ました。2年間フランスに住んだ後、プロドライブに戻り、SWRTに入ったのです。とても充実していますよ。仕事と言うよりもライフスタイルですね。チームの雰囲気も最高。いいチームというのは、いい人間の集まりなのです」

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ソルベルグと比べればアトキンソンは経験の少ないドライバーですが、あなたの経験は活かされていますか?
「私の経験はおまけのようなものだと思いますが、ベターな優先事項を考えるときには役立っています。クリスがとても速いドライバーであることは疑いありませんし、ステージではキャリアがすべて、私たちは”ベストを尽くしてクラッシュはするな”としか言えませんし、あとは祈るばかりです。アンラッキーな時もありましたが、コリン・マクレーやペター・ソルベルグ、マーカス・グロンホルムなどどんなトップドライバーも、キャリアの途中では、全く同じ様なミスを経験してきたのです。クリスに関しては、サルディニアのレグ3が典型的な例です。非常にいい走りでトップ4のSSタイムを出していたのに、気をそらしてコースオフしてしまった。マーカスも、2001年のラリー・GBの時、群衆の一人に手を振って、全く同じ様なミスをしましたね。こうした経験に近道はありません。誰もが体験していることです。チャンピオンになるまでの道のりは遠いですが、全ての歯車が噛み合った時、彼を止めることはできませんよ





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