Event Report
2005.07.01
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7月1日、東京晴海埠頭で「SUBARUモータースポーツ・プレスミーティング」が行なわれた。会場となった旧晴海見本市会場の駐車場跡地に特設したWRCのサービスパークのような巨大テント。昨年この場所で行なった際はあまりにも暑かったため、今年はエアコンを完備したテントがプレゼンテーション会場として用意されたのである。当日は、残念ながら雨となったがこの快適な会場には600名を超す多数の報道関係者が詰めかけ、関心の高さを示した。
はじめに、富士重工業社長の竹中恭二が「SUBARUは様々なモータースポーツに挑戦してまいりました。とりわけ、ラリーにはこだわり続けてきたメーカーです。WRCへの本格挑戦は1990年のサファリラリーに参加したレガシィからです。以来、WRCに参加することで高速4WDカーとしての優秀性とノウハウを蓄積し、生産車へフィードバックすることを目的としてきました」と挨拶した。さらに「何故SUBARUがラリーにこだわり続けてきたか。それはWRCで勝つためには、4輪のトラクションを最大限に生かすことが重要だからです。常に4輪の接地性を上げ、懐が深くフリクションの少ないサスペンションとドライバーの操作に忠実に反応するフロントサスペンションおよびその動きにシッカリと追従してくるリヤサスペンションが必要となります。この結果、ドライバーの意思どおりの走りが得られる訳です。これこそがSUBARUの目指す走りなのです」とWRC挑戦の意義を語った。そして、「近年、SUBARU-SWRT-STIのコラボレーション体制でWRC戦に臨んでいる。本日はモータースポーツと量産車の密接な関係を是非感じ取って欲しい」と結んだ。
続いて、SUBARUのモータースポーツ活動を統括するスバルテクニカインターナショナル(STI)社長の桂田 勝は、モータースポーツに参戦する意義について説明した。「目的は2つです。1つは、SUBARU車の走りの良さをアピールすること。世界的に見ても類まれな低重心シンメトリカルAWDの優秀性を証明することです。そしてSUBARU全体のイメージをアップ図ることです。2つ目は、様々なモータースポーツで得られたノウハウを量産車にフィードバックすること。この2つの循環が大切」と力説し、SUBARUワールドラリーチーム(SWRT)でマニュファクチャラー代表を務める東 稔也につないだ。東は、「SWRTは、シリーズの折り返し点にたち、チームと量産部隊とのコラボレーションによりクルマには自信があるが勝負には苦戦している」と正直に認め、「苦しさは長い歴史の中で何度も経験したこと、苦しいときこそ、勝ちに向けて歯車を噛み合わせることが大切」と語った。量産車開発部門とモータースポーツ実戦部隊とのコラボレーション体制は、WRC活動のみにとどまらない。新型インプレッサの開発を統括した富士重工業・商品企画本部プロジェクトジェネラルマネージャー(PGM)の森 宏志は新型インプレッサの特徴をプレゼンし、「国内のSUPER GTとスーパー耐久の参戦マシンについても、参戦チームとのコラボレーション体制で開発を進めています。空力を考慮したデザインをSUBARU側で行ないました。
SUPER GTについては7月23、24日に菅生で行なわれる第4戦でクスコ・インプレッサがデビューします。スーパー耐久については7月17、18日の十勝24時間レースにプローバ・レーシングディビジョンからデビューします」と発表した。2台のレーシングカーの活躍に期待したい。
いよいよ、昨日まで栃木のSUBARUテストコースで量産車のテストをしていたペター・ソルベルグの登場だ。新型インプレッサ・グループN仕様車(プロトタイプ)に乗って登場という演出に会場はいっきに熱気に包まれた。現在シリーズポイント2位のペターは「今年の目標はタイトル奪還だ。後半戦に期待して欲しい。特にラリー・ジャパンは僕にとっても、SUBARUファミリーにとっても重要なラリー。沿道やスタジアム(スーパーSS)の観客など、とても素晴らしいラリーだ。もちろん、今年も必勝体制で臨む」と宣言した。その後席に戻ろうとしたペター。言い忘れた事があると再びマイクを握り「僕は、2位には満足できない。常に1位を目指していく。最後まで諦めずに闘い抜くから応援して欲しい」と力強く語った。
WRCのもう一方のカテゴリー、改造範囲が厳しく制限された競技車グループNの取組については、STIグループNチームPGMの柴野憲治が、世界的規模でインプレッサのグループN車両が順調に拡大していることを報告した。そして、柴野の紹介でPCWRCシリーズポイントトップの新井敏弘が登場。「新型インプレッサは格好良くなりました。クルマはまず格好いいことが大切です。来年このクルマで参戦することが楽しみ」とコメントし、「僕は今年こそワールドチャンピオンを取りたい」と今年の抱負を語った。また「スペックCという大変良い車を作ってもらい、感謝しています。でも、トルコから次のラリー・ジャパンまで4ヶ月間あります。そこでモチベーションとドライビング・スキルを維持するために、APRCシリーズにエントリーしています。もちろんテストも兼ねてです。ラリー・ジャパンはもちろん勝ちにいきます」と態度を明らかにした。
さてプレゼンテーションが終了し、いよいよペター、新井による同乗走行&デモランだ。パイロンで作られた特設コースを2台の新型インプレッサ・グループN仕様が走り回った。圧巻は、2台同時にコース・インし、まるでフィギアスケートのペアのように近づいたり離れたりする2台のインプレッサによるドリフトダンス。さすがは、世界のトップドライバーの競演だった。最後は、ペターお得意の箱乗りドーナッツターンで締めくくった。
現在、量産車とモータースポーツの密接な関係を持っているのがSUBARUファミリーである。この一体感こそがモータースポーツでの強さであり、優れたSUBARU量産車を生み出す原動力となっている。