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FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(P-WRC)第2戦「ラリー・メキシコ」は3月10日(現地時間)、レグ2が行われた。メキシコのステージでは、この日もドラマが頻発し、ペースノートには現れないような石が散乱する道に多くのドライバーが苦戦を強いられた。
1日目と同様、このレグも3本のステージのループを、日中サービスを挟んで2回走行。その後、スーパーSSを2本走行して締めくくりとなった。
ドライバー陣は、レグ1よりもグリップレベルがよくなったと伝えてきたが、それでも多くのセクションはスリッパリーなままだった。
P-WRCの争いでは、山岳ステージ6本中5本とこの日のスーパーSS2本をSUBARU勢が制した。午前にクリスチャン・ショーベリがSS9、SS11の2本でステージウィンを獲得。ショーベリは午後のSS14でもベストタイムをマークした。またミルコ・バルダッチも活躍を見せてSS10とSS12でステージウィン。この日夕方のスーパーSSでは、ベテランの新井敏弘が、レオンの大観衆の前でのステージを2本とも制した。
午前中のステージ、ミルコ・バルダッチはP-WRC2位からスタート。アンラッキーにも選んだタイヤが合わず、最初のループではペースが上がらなかったが、それでもSS10でベストタイムをマークした。
ミルコ・バルダッチ:「この午前にはハードコンパウンドのタイヤを選んだが、ソフトにするべきだった。これで大量のタイムロスにつながった。SS11では、大きなジャンプにハイスピードで進入し少しヒヤリとする場面もあった。それ以外では、午前中は問題なく過ごした」
午後になるとバルダッチはSS12後には一時P-WRC首位に立ったが、次のステージで後退。上位のバトルは激戦を極め、様々なドライバーがベストタイム合戦を繰り広げた。バルダッチはSS14で不運にもパンクに見舞われ、ペースダウン。この日を首位から、パンクで失った分のちょうど4分遅れで終えた。
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クリスチャン・ショーベリは、この日も上位争いに食い込む走りを見せ、この日3回のステージウィンを獲得。午前中唯一ステージウィンを逃したSS10も、スローパンクに見舞われていたため。ここで10秒ほどのタイムロスとなった。SS11では、サスペンションがソフトになったが、それでもショーベリの速さは他の追随を許さなかった。ショーベリの午後は比較的トラブルはなかったが、ギアボックスにマイナートラブルが起こり、SS13以降この日を終えるまで、3速なしでの走行となった。
WRC初参戦のトラヴィス・パストラーナは、2日目も印象的な活躍を見せ続けた。「午前のステージでは僕たちのペースノートはあまりよくなかった。でも、僕たちは昨年のノートを修正して使っていたので、それも予測はしていた。P-WRCレギュラー陣のペースには、とにかく驚くばかり。彼らはいつも限界まで攻めている。信じられないよ」
米国のパストラーナはSS10で巨石にヒットし、ステアリングのアライメントが狂った。このアクシデントと左リアのショックがソフトだったため、ややペースダウン。午後はトラブルなく、初めてのWRCイベントでテクニック面に集中することができたと伝えた。
新井敏弘にはSS11でドラマがあり、スピンを喫してマシンがストール、15秒近くのロスとなった。それ以外では、日本のエースらしいいつも通りの走りを見せた。「そうだね、ハッピーだよ。かなり速かったしマシンも順調」と日中サービスで新井は頼もしく答えた。
この日2回目のループでは、新井はスローパンクに見舞われたが、その後のロードセクションまでタイヤ交換することなく走行、タイムロスを最小限に抑えた。SS14のミルコ・バルダッチのアクシデントで、新井はP-WRC2位に浮上。その後のスーパーSSでは、2.2kmのステージ2本でベストタイムをマークした。
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アレクサンドル・ドロシンスキーは、コース上の石の犠牲となった。SS10ではスピンを喫して、ここでもペースダウン。午後はSS12でステアリングアームを曲げ、その後のロードセクションで交換を行った。その後、トラブルはなかったが、SS14のフィニッシュ手前8kmでフォズテクに追いつかれ、まさに後塵を拝しながらの走行となった。
アレクサンドル・ドロシンスキー:「そうだね、今日は昨日よりも格段によかった。今はもっと余裕ができたし、グリップもよくなった」
スピロス・パブリデも、他のコンペティター同様、石に苦戦。パブリデの場合、事態はさらに深刻で、スペクテイターが投げた石がフロントガラスを破損し、コ・ドライバーのデニス・ジローデは目を洗浄しなくてはならなかった。午後もさらにドラマは起こり、SS13をスタートしてわずか500mのところで同じ様な事態に遭遇。またSS14ではリアのショックがソフトになり、2本のパンクで遅れを喫した。
レチェック・クザイは、SS9で燃料ポンプにトラブルが発生し、このステージを通してスロー走行。このステージのフィニッシュでポンプを交換し、その後は順調に走行を続けた。SS10では低速コーナーへの進入速度が高すぎたため膨らみ、バンクにヒットして右フロントのサスペンションを曲げた。SS11でもさらに憂き目に遭い、反対側を全く同じ様にヒット。そして午後にはついにSS13の1km地点でコースオフし、タイヤを失った。不運にも、明日スーパーラリーでの再スタートをすることはできず、悔しいリタイアとなった。
STIグループNプロジェクト・ジェネラルマネージャー、ジョージ・ドナルドソン
「今日のラリー・メキシコも信じられないような1日となった。ドライバー勢は我々の予想を上回る活躍を見せたが、不運にもミルコはパンクで首位争いのチャンスを失い、マーク・ヒギンズに大きなアドバンテージを与えることになってしまった。トシが後を引き継いだが、しかしその差は1分半開いている。この点については残念だが、それでも2,3,4,5位をSUBARU勢が固めており、このメキシコで非常に心強い布陣となっている。明日はさらにタフなステージが60km待っており、どのドライバーに何が起こるかまだ分からない。ここまでトラブルの憂き目に遭っていないのは、ラリーリーダーのマーク・ヒギンズだけなのだ。
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その他、この難関イベントで再びタフな1日を走り切ったトラヴィスの活躍は見事だった。P-WRCルーキーとして、本当に過酷な洗礼だ。トシは今日1日を堅実に走り、ステージウィンを連発したクリスチャンも素晴らしい走りだった。彼はグループN仕様のSUBARUインプレッサWRX STI spec Cの感覚をつかみつつあるようで、既にこのマシンの性能を判断できるようだ。今年、要注目のドライバーとなるだろう。この2戦(メキシコと前戦のスウェディッシュ・ラリー)で、彼は極めてコンペティティブな存在だった。ささいなトラブルには多少見舞われたが、見事に乗り切った。プロダクションカードライバーとして、貴重な才能だ。明日の活躍を期待したい。クリスチャンの好パフォーマンスもさることながら、ミルコ・バルダッチもパンクに見舞われるまでは双璧あるいはそれ以上の活躍を見せた。新たにSUBARU勢に加わった2人のドライバーが、このような素晴らしい走りを見せてくれてとてもうれしい。
アレクサンドル・ドロシンスキーは走行を満喫しており、ステージコンディションが良好な時はシプロスも同様だった。両者は、このイベントを通して格段にパフォーマンスを向上させている。レチェックは、ささやかなドライビングミスでのリタイアとなり、非常に残念だ。通常彼は、どのイベントでも最も堅実で速いドライバー。ただ、それが今回は発揮されなかった。次のイベントでは、成長を見せてくれることを期待している。ミスをしなければ、レチェックはこのシリーズでも安定した実力を持っている一人。注目のドライバーとなるだろう。
2〜5位までをSUBARU勢が占めており、明日の最終日も何が起こるか分からない。このイベントで最もラフなレグであり、どのドライバーにとってもトラブルなしで走り切ることが難しいコースだ」