49台のエントリーのうち34台が、朝パースのパルクフェルメを出た。
ステージ
パースの南東100km地点、ソティコの松林を走る4つのSS(走行距離117km)は、ヤルラウデールのサービスを挟み、午前と午後2ステージで戦った。
天候
スタート時、曇り時々雨。その後も1日中曇りで、時々にわか雨が降った。気温は7〜11℃。
レグ3の555スバル・ワールドラリーチーム
555スバル・ワールドラリーチームドライバー、ペター・ソルベルグが、ここ最近の接戦で見せたドライビングで見事今期2勝目、自己通算3度目の優勝を飾った。シトロエンのS.ローブとステージトップタイムを出し合う2日間の激戦のあと、今日は余す力をすべて出し切った。そして、最後は大差で頂点に立ち10ポイントを獲得した。チームメイトのトミ・マキネンも6位でフィニッシュし、スバルのポイント獲得に貢献した。10戦を終了して、スバルはマニュファクチャラーズポイント単独3位に抜け出し、ペター・ソルベルグはドライバーズポイント首位のR.バーンズを7ポイント差で追う、2位タイに浮上した。
ステージレポート
SS21:Bannister North 09:06スタート:走行距離24.81km
レグ3最初のステージ、路面は湿っているが水たまりができるほどではなかった。決戦の日を迎えたP.ソルベルグとS.ローブの2人は、出だしから全速でアタック。P.ソルベルグが2番手のS.ローブに5.7秒差のステージトップタイムをマークし、わずか0.6秒のリードながら首位に躍り出た。後続のR.バーンズがこのステージ4番手タイムを出して総合3位をキープする一方、昨夜のスーパーSS19,20でトップタイムを出したM.マーチンが、トランクに約6kgの石を積んで走っていたことが発覚。これはFIAのレギュレーションに違反するため、昨夜の時点で失格となった。これに対しM.マーチン側は、ラチェットストラップが故障したためスペアタイヤを固定する目的で石を積んでいたと訴えたが受け入れられず、ラリーを去った。これにより、C.マクレー、C.サインツ、T.マキネンのバトルは、5位争いから4位争いへ。ここではC.マクレーが総合4位に収まったものの、3人の差はわずか5秒。また、総合11位のD.オリオールは油圧装置が故障してマニュアルトランスミッションに切り替えて走行したためアクティブ・デフが使えず、約30秒失った。
ステージトップタイム:ペター・ソルベルグ(スバル)13:11.9
SS22:Bannister South 09:44スタート:走行距離34.16km
今度はS.ローブがステージトップタイムをマークし、総合首位に返り咲いた。一方のP.ソルベルグは、マッドコンディションのコーナーで膨らんだり、5速走行中に軽くスピンしたりと若干のミスがあった。しかし、これでタイムロスを喫したにもかかわらず2番手タイムでフィニッシュし、S.ローブとの総合タイム差を1.3秒に留めた。また3番手タイムは堅実な走りを続けるR.バーンズがマーク。そして総合4位争いは、5位のC.サインツが4位のC.マクレーとの差を縮めた反面、6位のT.マキネンはウェットを予測してのタイヤ選択が当たらず、C.サインツにプレッシャーをかけることができなかった。一方、D.オリオールはこのステージでもタイムロス。同じシュコダのT.ガルデマイスターに総合11位の座を明け渡した。
ステージトップタイム:セバスチャン・ローブ(シトロエン)16:00.1
SS22後のコメント
ペター・ソルベルグ
「今日はかなりプッシュしている。SS21はうまくいった。デフを調整してSS22を走ったら、マッドのコーナーでコースオフして約3秒失った。そのあと5速コーナーでスピンしてコースオフし、さらに6秒失ってしまった。でも、気分は最高だし、持てる力はすべて出している。絶対勝ちたい。なんとしても勝つ」
トミ・マキネン
「タイヤの選択を誤ったと思う。旧タイプのタイヤを選んだが、思ったほど路面は湿っていなかった。コースは高速ラリーになっていて、残り2ステージもドライだろう。あと59km、ラインをきれいに取って走っていきたい」
SS23:Bannister West 12:30スタート:走行距離24.39km
昨日「最終レグに余力を残している」と語ったP.ソルベルグは、雨の降り出したステージでインプレッサとピレリタイヤの力を極限まで駆使して走った。自己3度目の優勝を目指すノルウェー人のP.ソルベルグは、2番手を5秒も引き離すトップタイムをマーク。これで、9秒遅い5番手タイムのS.ローブから首位奪還を果たし、最終ステージを前に8秒差をつけた。もう1つ注目の総合4位争いは、4位のC.マクレー、5位のC.サインツ、6位のT.マキネンは、共にタイムに差がつかず、総合順位の変動はなかった。
ステージトップタイム:ペター・ソルベルグ(スバル)12:22.6
SS24:Bannister Central 13:08スタート:走行距離33.45km
最終ステージの33km、P.ソルベルグはインプレッサを戦略的に走らせ、S.ローブに26.6秒の差をつけてフィニッシュ、自己3度目の優勝を飾った。総合2位は8番手タイムのS.ローブ、総合3位は終止安定したドライビングをしたR.バーンズが取った。また、C.マクレーはC.サインツとの激しいタイム争いを制してステージトップタイムを出し、総合4位を死守した。そして、スバルにはもう1つの朗報。マーチン・ロウとコ・ドライバーのトレバー・アニューが、グループNスバルインプレッサでプロダクションカー世界選手権(PCWRC)優勝を飾り、スバルは見事なダブル優勝を果たした。
ステージトップタイム:コリン・マクレー(シトロエン)18:10.0
■チームコメント
555 スバル・ワールドラリーチーム代表:デイビッド・ラップワース
「P.ソルベルグとS.ローブの差が、数秒以上に広がったことがなかったのだから、ここ何年で最もすばらしい戦いだったと思う。1万メートル走の最終周のダッシュを見ているようだったよ。P.ソルベルグはすばらしい走りをしているが、これは大きな努力したおかげで、すべてがかみ合ってきたからだ。またピレリタイヤを使っている私たちは、路面が滑りやすくなって有利になった。それに、チームも全くミスのない仕事をしてくれたからマシンも完ぺきだった。T.マキネンもマニュファクチャラーズポイントを獲得し、スバルが好位置につけた」
ペター・ソルベルグ
「すごくうれしいよ! また大接戦だったね。リードして最終ステージに突入するのはすごく嫌だ。少し後ろから逆転を狙うほうがずっといい。でも、今日は完ぺきだったよ。今回やフィンランドみたいな接戦を経験することは僕にとっては良いことで、ドライバーとして成長した気がする。ラリーの最中はずっと落ち着いていたけど、いま嬉しさが込み上げてきた。ピレリを含め、チーム関係者すべてにとって最高の勝利だ。それに、チャンピオンシップでもより良いポジションについたからね。これで通算3勝目を挙げることができたけど、24勝しているT.マキネンに比べればまだまだ先は長いね! 僕自身、ターマックのほうが強いと思っているから、今後の数戦で力を発揮して、勝ち数を増やしたい。最後に、今回はスバルにとって特別なラリーだった。この勝利を故ポッサム・ボーンに捧げたい。彼は僕たちにとって特別な存在で、チームの誰もがポッサムとの良い思い出をもっている。今日の僕たちの勝利を誇りに思ってくれているにちがいない」
トミ・マキネン
「昨日バンクをヒットしたり、今日タイヤ選択を間違えたりしなければ、もっと良い結果が出せただろう。でも、私にとっては、最後のオーストラリアラリーを完走し、ポイントを獲得することが大切だった。P.ソルベルグのパフォーマンスは見事だった。次の何戦かは、彼を応援したいと思う。ここのグラベルステージでマシンは最高だったから、ターマックも楽しみだ」

