ステージ
今イベント最長のレグ2は、2カ所のリピートを含む8つのスペシャルステージ(SS)で争われた。サービスパークのあるリマソルの北と西を拠点とするSSの総走行距離は158.35km。
天候
ステージコンディションはドライで路面も荒れていたため埃がひどかった。暑く晴れた1日で朝の気温は摂氏20度。日中には34度まで上昇し、路面温度は40度に至った。
レグ2の555スバル・ワールドラリーチーム
555スバル・ワールドラリーチームドライバーのペター・ソルベルグとトミ・マキネンは数多くステージトップタイムを出し、インプレッサの底力を見せた。今日最初のステージ、SS5で総合トップに立ったP.ソルベルグは、慎重かつ緻密なパフォーマンスで総合2位のH.ロバンペラに25.3秒差をつけてレグ2を終了した。SS6でホイールを破損し、その後のロードセクションで所定時間を越えてしまったT.マキネンは、4度ステージトップタイムを出したあと続行を取り止めた。
■ステージレポート
SS5:Kourdali – Asinou:07:43スタート:走行距離15.00km
このステージ、スバルがワンツーフィニッシュを飾った。
昨日、レグ1最終ステージで大きくタイムロスしたT.マキネンはロスを取り戻すべく猛アタックし、2番手タイムのP.ソルベルグに8.3秒差をつけてステージトップタイムをマークした。P.ソルベルグも3番手タイムのH.ロバンペラに6.3秒の差をつけてフィニッシュし、総合1位に浮上した。「レグ1は慎重に走り過ぎた」と語っていたシトロエンのS.ローブは一転、果敢な走りで4番手タイムを出した。最もカーブが多く平均速度が遅いこのキプロスラリーは、埃が悩みの種である。フォードのF.デュバルとM.マーチンはそれが原因でエンジントラブルが起こり、油圧が下がってしまいリタイアとなった。
一方、プジョーのM.グロンホルムは、プロップシャフトのトラブルで1分以上のロス。
ステージトップタイム:トミ・マキネン(スバル)15:56.8
SS6:Asinou – Nikitari:08:13スタート:走行距離25.61km
ステージトップタイムはまたしてもスバル。今度はP.ソルベルグが2番手タイムのH.ロバンペラに5.8秒差をつけてトップタイム、C.サインツが3番手、S.ローブが4番手と続いた。このステージでまた犠牲が出た。M.グロンホルムは、スタート前にSS5で破損したプロップシャフトを取り外し前輪駆動で走行したが、結局リタイアとなった。ボシアンレーシングからプジョー206で出場しているG.パニッツィもエンジントラブルでリタイア。ヒュンダイ勢は、F.ロイクスが6km地点で埃によるエンジントラブルでリタイア。そしてA.シュワルツが3速ギアを失っての走行となった。SS5でトップタイムを出したスバルのT.マキネンは、3km地点でリアホイールを大きく破損した。ステージ途中で停止してリアアップライト(ホイールを留めるハブ)、ダンパー、リムを取り外し新しいホイールを取り付けたが、使用する工具も限られ猛暑のなかで苦しい作業となり25分もかかった。絶望的なタイムロスにもかかわらず、T.マキネンはステージを走りきった。
ステージトップタイム:ペター・ソルベルグ(スバル)26:28.3
SS7:Orkondas – Stavroulia:09:13スタート:走行距離17.99km
SS6で大きくタイムロスしたT.マキネンは、打って変わって世界チャンピオン4度獲得のすばらしい走りを披露、後続に8.3秒の差をつけるトップタイムをマークした。続いて、P.ソルベルグが2番手、H.ロバンペラが3番手タイムを出した。ステージを終了して、総合トップのP.ソルベルグと2位のH.ロバンペラは、3位に1分以上の差をつけた。C.マクレー、C.サインツ、S.ローブのシトロエン勢が続いた。トップ15がリバースオーダーで走るレグ2でトップスタートのT.ガルデマイスターがラフな路面に苦しめられ、このステージでも12番手タイムがやっとだった。
この後サービスのあるリマソルへ向かった。
ステージトップタイム:トミ・マキネン(スバル)19:02.7
SS7後のサービス
ペター・ソルベルグ談
「難しいラリーだから、必要な時以外はプッシュしないようにする。今日はマシンにまったく問題はない。今日終了して総合2位でもかまわないと思っている。マーカス(M.グロンホルム)と首位争いができたらおもしろかっただろうね。少しずつ着実にタイムを出していくことができるようになった。僕にとって、98パーセントで走るのと100パーセントで走るのは大きな違いで、今日は限界までアタックしていない」
555スバル・ワールドラリーチーム代表
デイビッド・ラップワース談
「トミ(T.マキネン)はSS6でリアホイールをヒットしたのだと思う。停止して交換しようとしたができなかったため、なんとサスペンション全体を取り外してからアップライトごとホイールを取り外した。そして、サスペンションを元に戻したのだ。それで走行を続けてSS7ではトップタイムをマークした。この暑さのなかで使用できる工具も限られていたというのに、すごいとしかいいようがない」
SS8:Akrounda – Apsiou:11:33スタート:走行距離7.99km
T.マキネンは、SS7に続き見事な走りでトップタイムをマークした。これで、スバルはチームとして4連続ステージトップタイムとなり、厳しいコンディションに強いインプレッサを証明した。H.ロバンペラが2番手タイム、P.ソルベルグが3番手タイムを出した。H.ロバンペラはこの今イベント最短ステージで、総合トップのP.ソルベルグを捕らえるだけのタイムは出せなかった。両者の差は10.3秒、総合トップ10に変化はない。
ステージトップタイム:トミ・マキネン(スバル)8:01.4
SS9:Foini - Koilinia 1:12:36スタート:走行距離30.33km
次回のドイツラリーからマシンがフォビアに変わるシュコダ勢にとって、オクタビアで走るのは今イベントが最後となる。そのシュコダのT.ガルデマイスターだが、5km地点の盛り上がった路面でジャンプしてノーズを木の切り株にヒットした。その衝撃でエンジンが破損しその場でリタイアとなった。総合トップのP.ソルベルグを追うH.ロバンペラがステージトップタイムをマーク。わずか2秒差でP.ソルベルグ、3番手にT.マキネンが続き、総合順位に変化はなかった。シトロエンのC.マクレーは右フロントタイヤにダメージを受けながらも、4番手タイムをマークし、総合4位をキープした。プジョーのR.バーンズは、エンジンのオーバーヒートで1分以上失った。
ステージトップタイム:ハリ・ロバンペラ(プジョー)27:23.4
SS10:Galatareia - Nata 1:13:31スタート:走行距離15.55km
総合トップを争うP.ソルベルグとH.ロバンペラの2人の戦いは、このステージはP.ソルベルグに軍配が上がった。P.ソルベルグはステージタイムでH.ロバンペラに10秒以上の差をつけ、総合タイムでもその差を14.3秒に広げた。
ステージ終了して、2位のH.ロバンペラと3位のS. ローブとの差は2分04.4秒にまで広がった。T.マキネンが今日4度目となるトップタイム、S. ローブが4番手、C.サインツが5番手タイムを出した。オーバーヒートに悩まされていたR.バーンズは、冷却液を足してステージをスタートしたにもかかわらず1分25秒のタイムロス。その後、サービス2km手前のロードセクションでリタイアとなってしまった。これで、フォードのM.ヒルボネンが総合6位に浮上した。D.オリオールも電気系のトラブルによりロードセクションでリタイアした。また、SS6で修理のため停まった T.マキネンは、SS7に向かうロードセクションで制限時間を超過していたため、SS10後のサービス前で続行を取り止めた。
ステージトップタイム:トミ・マキネン(スバル)11:14.7
SS10後のサービス
ペター・ソルベルグ談
「SS8、9、10はすごくうまくいった。総合トップをキープできてうれしいよ。今日残りの2ステージでH.ロバンペラとの差をもう少し広げたい。明日はこのペースをキープし、状況しだいでペースアップもする」
SS11:Foini - Koilinia 2:16:27スタート:走行距離30.33km
総合トップ争いを繰り広げるP.ソルベルグとH.ロバンペラだが、このステージではH.ロバンペラがトップタイムをマーク。しかし、P.ソルベルグとのステージタイム差はわずか1.2秒で総合トップを奪うには至らず、2人の差は依然13.2秒。総合3 位から5位のシトロエンのC.マクレー、S.ローブ、C.サインツが続いた。M.ヒルボネンは6番手タイムで総合6位。
ステージトップタイム:H.ロバンペラ(プジョー)26:54.4
SS12:Galatareia - Nata 2:17:25スタート:走行距離15.55km
SS10終了後のサービスで、レグ2終了前に決意を語ったP.ソルベルグは、2番手タイムのH.ロバンペラに12.1秒の差をつけるトップタイムをマークした。これで、レグ3に向けて2人の差は25.3秒。M.ヒルボネンはC.サインツより良いステージタイムの5番手だったが、C.サインツから総合5位を奪うには至らず6位にとどまった。
ステージトップタイム:ペター・ソルベルグ(スバル)10:58.6
■チームコメント
555スバル・ワールドラリーチーム代表 デイビッド・ラップワース「ペター(P.ソルベルグ)とフィル(F.ミルズ)のきょうのパフォーマンスはトップクラスだった。H.ロバンペッラをかわし、リードを保つために必要な時にはペースアップもした。明日の優勝に近づくことができた。
トミ(T.マキネン)はまたしても運がなかった。きょうは復調してチームのためにポイント獲得に燃えていたというのに。ステージを走りきるために自ら修理をした彼の努力には目を見張るものがあった。彼がステージトップタイムを何度も出してくれたことが、私たちにとっての救いだ」
ペター・ソルベルグ
「最終ステージのSS12 で、ハリ(H.ロバンペラ)との差を広げられてよかった。でも、パンクやスピンを1度でもすれば、あっという間に逆転されてしまうのも承知している。だから、明日はトラブルが起きないように気をつけて走るけれど、序盤にはプッシュしていこうと思う。今日はまったく問題がなく、過激なアタックはせず良いタイムが出せた。もう少し差を広げたいと思うし、もちろん優勝を狙っていくよ」
トミ・マキネン
「残念ながら、タイムロスをし過ぎて続行できなくなった。マシンのパフォーマンスはすごく良かったし、改良を施したことが大きな成果を出していることもわかった。あのトラブルを起こさなければ、優勝も狙えたことは確かだ。ペター(P.ソルベルグ)は十分なリードを保っていて、勝てる可能性は大きい。明日のステージでがんばってくれるよう、心から応援している。ドイツラリーの準備として近々ターマックテストを行うことになっており、テストで試したいことはすでにしっかり考えてある」

