ステージレポート
SS21 07時08分 Rera Kamuy 1 (8.76km)
総合首位との差は大きく開き、もはや順位は動きそうにはないが、3位のマルコ・マルティンからの追撃を懸念するセバスチャン・ローブは、猛プッシュを続け、この日最初のステージでベストタイムをマーク。しかし、レグ3スタート時点で1分以上の総合リードを築いていたラリー・リーダーのペター・ソルベルグも負けずとセカンドベストで、首位キープのままのフィニッシュランプへと一直線に向かっている。レグ1・2から舞台を移し、レグ3は帯広市から西へ移動した新得町付近の山々にステージが設定された。ナローな林道ステージは、前方スタート車にとってはルーズグラベルの砂利履き役となってしまいそうだ。この日3番手でスタートしているミッコ・ヒルボネンは8番手タイム、2番手スタートのハリ・ロバンペラは7番手タイムだった。このステージの後、クルーはSS22へと向かった。
Fastest Time: セバスチャン・ローブ(Citroen) 5:17.5
SS22 07時33分 Panke Nikorpet 1 (17.04km)
ニコロペツ川の川沿いに設定されたパンケニコロペツのステージ、最初の走行では、ルーズグラベルに高速のロングストレートがいくつも待ち受けている。ここでもローブがベストタイムをマーク。ソルベルグが0.9秒差の僅差でセカンドベスト、3番手はさらに6.1秒差でマルコ・マルティンがつけた。このステージ終了時点で、ソルベルグのリードは依然1分6秒。注目は接戦となっているカルロス・サインツ、マーカス・グロンホルム、フランソワ・デュバルの4位争いだ。グロンホルムはこのステージ4番手タイムで、総合4位につけているサインツとの差を4.6秒に縮めた。しかし、デュバルにはここで不運がふりかかる。ここまでフォーカスで健闘していたデュバルは、このステージのスタートから2kmの右コーナーでコースオフ。ベルギーのデュバルはここからステージに復帰することができず、リタイアとなった。ここまで総合6位、9.2秒差で5位を追っていた。ヒルボネンは、サインツ、ロバンペラを抑えて5番手タイムとSUBARUインプレッサWRC2004で好走。総合6位に浮上した。
Fastest Time: セバスチャン・ローブ(Citroen) 9:38.3
SS23 08時01分 Penke 1 (29.07km)
ラリー・ジャパンの最長ステージ、ペンケ・1回目の走行。1分以上の大量リードを稼いでいるソルベルグだが、ナローな林道ステージでもリスクをはねのけセカンドベストをマーク。レグ2までペースノートが合わなかったマルコ・マルティンは、最終日に来てようやくリズムをつかみ、ここでラリー・ジャパン初ステージウィンを獲得。一方、総合4位争いでは、グロンホルムがこのステージで3番手タイムをマーク。サインツを8.6秒抑え、ついに総合4位を奪取した。このステージ終了時点で、グロンホルムとサインツの差は、4秒。
Fastest Time: マルコ・マルティン(Ford) 17:13.4
SS24 10時00分 Satsunai 3 (2.20km)
ここまで大健闘のミッコ・ヒルボネンに、ここで大きなドラマが起こった。SS23後のロードセクションでギアにトラブルを抱えたヒルボネンは、スーパーSSスタートのタイムコントロール手前でマシンがストップ。ヒルボネンとコ・ドライバーのヤルモ・レーティネンは、トラブルの修復に挑んだが、5分後には、渾身の力でマシンを押してチェックインした。FIA・WRCレギュレーションにより、主催者側でマシンをステージのフィニッシュまで搬送することが義務づけられた。ここからサービスまではマシンが動きそうにもなかったが、マシン修復にも豊富な知識を持つヒルボネンは油まみれになりながら、1速の復帰に成功。6kmのリエゾンをドライブしてサービスに生還した。サービスでは、ギアボックス・テクニシャンが20分サービスでギアボックスを交換、ヒルボネン車の続投を実らせた。ヒルボネンには、SS24でベストタイムをマークしたマルティンのタイムに3分を加算した、合計4分32.4秒のペナルティが与えられた。また、チェックインに5分遅れたことに対して50秒のペナルティも加算された。ヒルボネンは、ここまで総合6位につけていた。グロンホルムがセカンドベスト、サインツが3番手だった。ソルベルグは4番手タイム。このステージの後、クルーは20分のサービスに入るため、北愛国のサービスパークへと戻った。
Fastest Time: マルコ・マルティン(Ford) 1:32.4
Driver Quotes - Service G - (SS24後)
- ペター・ソルベルグ:
- 「今日もすべてうまく行っている。快調だ。タイヤチョイスも当たり、マシンもパーフェクトだ。順調すぎて、特に話すことがないくらい。まだ最終リザルトのことは考えないようにしている。まだ先が残っている。今できることは、賢明なドライビングを続けること。それがうまくいくことを期待している」
Team Quotes - Service G-After SS24
- SUBARUワールドラリーチーム代表:デビッド・ラップワース:
- 「当初我々は、ミッコのマシンは主催者によってSUBARUのサービスエリアに牽引されると解釈したが、実際は、主催者はマシンをステージのフィニッシュに据え置いた。つまり、マシンは事実上、放置されたと言える。その時は、我々はミッコのマシンはサービスエリアまでドライブして戻ることはできそうにないことからリタイアになるだろうと考えた。しかし、幸い、ミッコは1速を生き返らせることに成功し、サービスエリアにまでドライブし、ラリーを続行した」
SS25 12時31分 Rera Kamuy 2 (8.76km)
レラカムイ2回目の走行。再走のため轍が深くなっていたにもかかわらず、グロンホルムが、前回のタイムを7秒縮めてベストタイムをマーク。この猛チャージで、サインツからの総合4位を奪回。その差を9秒と広げた。マルティンがセカンドベスト、サインツは3番手タイムだった。ソルベルグは4番手タイムで、依然総合首位のリードを1分以上維持している。ここでは上位陣にリタイアはなく、このステージの後、クルーは給油ポイントに立ち寄り、SS26へと向かった。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(Peugeot) 5:10.5
SS26 12時56分hrs Panke Nikorpet 2 (17.04km)
ソルベルグは依然として本調子を崩さず、パンケニコロペツ・2回目のステージをSUBARUインプレッサWRC2004で疾走。セカンドベストのタイムをマークし、総合リードを1分10.4秒に保った。ベストタイムはグロンホルム、サインツが3番手、4番手はマルティンだった。ヒルボネンは7番手タイムで、総合でも7位につけている。ルーズグラベルが掃かれたロングストレートがいくつも待ち受けるナローなステージは、フィンランドなど他のイベントに比べて平均速度が低く、グロンホルムが記録した17.04kmのこのステージでのアベレージ速度は107.43km/h。このステージの後、クルーは初開催のラリー・ジャパン、最後のステージ、SS27へと向かった。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(Peugeot) 9:31.0
SS27 13時24分 Penke 2 (29.07km)
SUBARUのペター・ソルベルグは緊張緩めず、最後のステージでも3番手タイムを維持。SUBARUの母国で初めて開催されたWRCイベント、ラリー・ジャパンを制した。スタートからフィニッシュまで、一貫してSUBARUインプレッサWRC2004での首位をキープしたソルベルグは今季3勝目、自身のWRC8勝目をマークした。またSUBARUにとっては42勝目、SUBARUインプレッサにとっては41回目の勝利となる。ローブはこのステージ5番手タイムで、総合2位でラリーをフィニッシュ。マルティンは、ベストタイのステージタイムをマークし、総合3位でポディウムフィニッシュを飾った。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(Peugeot) & マルコ・マルティン(Ford) 16:43.4
チームのコメント
SUBARUワールドラリーチーム代表:デビッド・ラップワース
「これ以上ない最高の結果だ! 最近のアクシデントや大きな失意から回復し、このラリーで走り抜いたペターの働きは素晴らしい。あれだけの不運からこんなにも前向きに立ち直るドライバーは、他には考えられない。もし、何度も世界チャンピオンになるために要素が何か必要なのだとしたら、まさにこのことだと言えるのではないだろうか。ミッコも堅実で見事な働きだった。賢明な滑り出しから、スピードを上げていき、好タイムも出した。今日のギアトラブルは残念だが、この時も非常にプロフェッショナルに対処した。チーム全体としても、これだけ多くの努力を費やした上での素晴らしい結果を得ることができた。チーム全員が懸命に働いた。少なくとも、この勝利に対する彼らの働きは、評価するに値する。ピレリも見事な働きで、こうしたコンディションでは、彼らの右に出る者はいない」
ペター・ソルベルグ
「何と言っていいか分からないほど、最高の気分だ!この日本で勝つことができて、本当にうれしい。SUBARUにとって、特別なイベントであり、日本でのWRCでSUBARUが勝つなんて、夢のようだ。そしてピレリも、この勝利に貢献した。ステージに見に来てくれたスペクテイターにも、ステージで過ごした時間を楽しんでもらえたこと願っている。本当に素晴らしいラリーだった。来年もここで勝つことを願っている!」
ミッコ・ヒルボネン
「このラリーでは、いいことが2つあった。1つは、土曜日の自分のパフォーマンス。そして最終日の午前は、マシンを自分で修復して、ラリーに復帰したこと!このイベントでも、本当に多くのことを学んだ。レグ1では好調な滑り出しで、後半よりもいいタイムを出していた。ギアトラブルはともかく、マシンはラリー中、ずっとパーフェクトで、チームも素晴らしい仕事をしてくれた。また、この週末、僕たちを歓迎してくれたサポーター達にも感謝したい。本当に素晴らしい経験だった。来年、またジャパンに戻ってくることを願っている」