ステージレポート
SS1 08時53分 Terranova 1 (29.82km)
ツイスティなテラノーヴァからの29.82kmステージ・1本目は、明るい日差しと暖かな気候の中、ドライコンディションでの走行となった。ドライバーズ選手権のリーダーという立場から、1番手でステージを走行するペター・ソルベルグは、ルーズグラベル路面の砂利掃き役というディスアドバンテージを背負うこととなった。22km地点のコーナーで飛び出したソルベルグはここで7秒をロスしたが、それでもサードベストタイムをマーク。そしてオーストラリア出身のチームメイトのクリス・アトキンソンも全くの同タイムで、サードベストタイにつけた。このラリーがWRカーでの参戦わずか4度目となるアトキンソンは、13番手からステージを走行している。SUBARUワークスドライバーとして初めてのグラベルラリーに挑んでいるステファン・サラザンは、ルーズグラベルでの経験習得に専念し、初のグラベルステージを21番手で収めた。ベストタイムはマーカス・グロンホルムがマーク。三菱のハリ・ロバンペラがセカンドベスト、そのチームメイト、イタリアのジャンルイジ・ガリが5番手だった。フォードのトニ・ガルデマイスターは、スタートから1kmの地点で岩にヒットし、フォーカスのステアリングアームを曲げている。このステージの後、クルーは30km南下し、SS2へと向かった。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(プジョー) 21:47.9
SS2 10時09分 Crastazza 1 (21.46km)
2005年の新設SS、クラスタッツァからの21.46kmステージは、2004年のステージよりも高速域でスムース。ステージベストを獲得したセバスチャン・ローブは、アベレージ速度92.11km/hをマークした。標高700mから、フィニッシュ手前4kmには標高900mまで上るドライステージは、ツイスティでテクニカル。ローブに5.2秒遅れでフィニッシュしたグロンホルムがセカンドベストをマーク、ミッコ・ヒルボネンがサード、フランソワ・デュバルが4番手だった。アトキンソンは、胃腸炎に苦しみながらも6番手タイムをマーク。走行順で不利を強いられているソルベルグは、小さなスピンを起こし7番手タイムだった。地元イタリア出身のジャンルイジ・ガリは、ランサーのブレーキトラブルに苦戦、ベストから20秒以上の遅れを取っている。
Fastest Time: セバスチャン・ローブ(シトロエン) 13:22.8
SS3 10時48分 Mamone 1 (18.57km)
SS3のステージは、サルディニア島にあるマモーニ刑務所の更正施設でスタートを迎え、敷地内を2.94km走行。この区間では、20人の服役囚がマーシャルのアシスタントとして活躍している。その後、クルーはオナニ市を抜け、ナラゲ−リリでフィニッシュを迎える。前の2本のステージよりも固い地盤の18.57kmステージには、2.5kmのターマック区間が含まれている。この日、ファステスト、セカンドベストと好タイムを叩き出しているマーカス・グロンホルムは、最初のスプリットで区間ベストをマークする猛追を見せたが、8km地点で307のコントロールを失い、転倒。トップから1分半以上の遅れを取った。走行を続行することはできたが、総合順位は20位にまで陥落している。ガリは依然ランサーのブレーキトラブルと奮闘し、11番手タイム。SUBARU勢では、ソルベルグがセカンドベストをマーク。アトキンソンが6番手、サラザンが12番手だった。このステージの後、クルーは30分サービスに入るためにオルビアのサービスパークへと戻った。
Fastest Time: セバスチャン・ローブ(シトロエン) 12:43.8
Driver Quotes - Service A(SS3後)
- ペター・ソルベルグ:
- 「予想していた以上にルーズだ。最初のステージでは、ブレーキポイントをつかむのに苦労して、ハーフスピン。エンジンストールで10秒ほどロスした。それから2本目のステージでも同じことをしてしまった。ブレーキが遅れてコースオフし、空気で膨らませた大きな広告ボードに突っ込んだ。そこではリバースに入れなくてはならなかったので、この時には7秒近くを失ったと思う。SS2では死ぬほど砂利を掃いたが、SS3はグラベルがあまり深くなかったので、それほどではなかった。全般的にタイヤはよかった。ソフトコンパウンドを選んだが、先頭スタートなので他に選択のしようがない。午後は、最初と3番目のステージは問題ないと思うが、2本目では苦労するだろう。路面はかなり固い。少しニュージーランドのステージにも似ている」
- クリス・アトキンソン:
- 「悪くはない。ただ、少し手堅いペースで走っているだけ。ラフコンディションでマシンがどんな反応をするのか分からなかったので、かなり慎重に行った。ステージには前走車が弾き飛ばした石がたくさん散乱していているし、道はラフな上にナローでもあるので、かなりトリッキー。マシンがちゃんとラインに乗っているように、自信を持ってドライブしないといけない」
- ステファン・サラザン:
- 「かなり早い段階でフィーリングが良くなり始めているので、驚いている。最初のステージは、確かに僕はスローだった。生まれて初めてのグラベルラリーだったので少し緊張していたし、ステージがナローだったので慎重になっていた。でも、2本目、3本目ではもう少しペースを上げようと決めた。何人かのドライバーともかなり近づけたので、ビックリもしているし、ハッピーだよ」
SS4 14時24分 Terranova 2 (29.82km)
テラノーヴァのステージでは、ほとんどのルーズグラベルが1回目の走行で掃かれたため、再走回でタイムを上げたドライバーが多かった。逆を言えば、ナローなステージでコーナーをカットしていくマシンが増えたため、さらに大きな石がドライビングライン上に弾き飛ばされるようになった。ステージ前のサービスでマシンのメンテナンスを受けたグロンホルムは、1度目の走行で見せたパフォーマンスを再現、今回もステージウィンを獲得した。ローブとデュバルが全くの同タイムでセカンドベスト、ソルベルグが4番手タイムだった。ハードコンパウンドのタイヤで走行しているクリス・アトキンソンは17番手タイム、チームメイトのサラザンは19番手だった。このステージはかなりフラットで、スタートから21kmの間は標高差が100mしかないが、最後の8kmで200m近くを上って行く。このステージの後、クルーは30kmのリエゾン区間を得て、SS5へと向かった。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(プジョー) 21:15.1
SS5 15時40分 Crastazza 2 (20.54km)
クラスタッツァのステージ、リピート走行では、テクニカルな特性の路面に、上位陣のドライバーから犠牲者が続出した。前のSSで総合2位に浮上したフランソワ・デュバルのシトロエンはフィニッシュ近くで転倒し、続行不可能となった。地元期待のジャンルイジ・ガリは、リアサスペンションにダメージを抱えての走行で、3分以上のタイムロスとなり、総合20位に転落。クリス・アトキンソンは、フィニッシュ手前7km地点で岩にヒットして右リアのホイールを失った。この3人はそれぞれ、レグ1から撤退している。フォードのノミネートドライバー、ロマン・クレスタは、2km地点でフォーカスのセミ・オートマチックシステムが故障したため、マニュアル操作での走行となった。トップ勢では、ローブがファステストタイム、SUBARUのソルベルグがセカンド、ガルデマイスターがサードベストタイムをマークした。このステージの後、残ったクルーはSS6へと向かった。
Fastest Time: セバスチャン・ローブ(シトロエン) 12:55.5
SS6 16時19分 Mamone 2 (18.57km)
ワイドでオープンなセクションからスタート、ターマック区間も含まれるマモーネのリピートステージは、ルーズグラベルの山岳コースから、フィニッシュまではナローでトリッキーな下りが続く。1セットのタイヤで70km近くものステージを走り切ってきた各クルーは、最後のセクションでも最大限のグリップを得るために、タイヤをいたわりながら慎重に走行。しかし、多くのドライバー同様、アーミン・シュワルツとマーカス・グロンホルムは、特にタイヤの磨耗がひどく、ペースダウンとなった。ソルベルグは、1番手走行のハンディを負いながらも、スプリットタイム最初の2区間でファステストをマーク。しかし、続く2区間ではローブが追い上げ、ステージウィンを奪取した。ソルベルグはセカンドベスト、ガルデマイスターが3番手だった。SUBARUインプレッサWRC2005でのグラベル走行の経験取得を続けるサラザンは16番手タイムだった。このステージの後、クルーは45分サービスに入るため、オルビアへと戻った。
Fastest Time: セバスチャン・ローブ(シトロエン) 12:23.6
チームのコメント
SUBARUワールドラリーチーム代表:デビッド・ラップワース
「予想していた通り、このラリーはとてもトリッキーで、ハプニングだらけの展開となった。総合的には、ペターの成果にとても満足している。1番手からの走行となるため、タフな争いになると覚悟していたので、この段階で2位につけているのは上々の結果、勝利の可能性も残っている。一方で、クリスは痛い経験をしてしまったが、それでも見事な走りを見せていた。岩にやられてしまうドライバーは多いので、それがクリスにも起こってしまったことがとにかく残念だ。サービスではすべて順調に進んでいるようなので、明日は再スタートして、このイベントでの最終目標である経験をより積んでもらいたい。ステファン・サラザンも、素晴らしかった。このようなコンディションで初めてのグラベルラリーを迎えるのがどれだけ困難かは、想像を絶する。それでも彼は、他のグラベル経験豊富なドライバーに混ざって、まずまずのタイムを出してきた。見事だった」
ペター・ソルベルグ
「2位で初日を終えることができて、とてもうれしい。セバスチャンはいい走りをしていたし、僕も懸命に攻めた。このラリーで1番手から走行するのは、本当にタフ。とにかくスリッパリーで、午前中には2回ほどスピンもしてしまった。そこから、またいろいろと起こり、SS4ではブレーキが利かなくなったこともあったし、僕達のタイヤにとっては、とても難しい路面でもあった。でも、それもラリーの難しさであり、とにかくそれに立ち向かって行くしかない。過去、ピレリはこうしたコンディションではとても強かったが、今は、その競り合いのレベルが格段に上がってきている。両タイヤメーカーの発展には、本当に敬服する。両者のバトルは、ドライバー同士、マニュファクチャラーズ同士のバトルと同じくらい熾烈だ。いくつかの特定のコンディションでは、この争いがまさに激しくなりつつあるが、ピレリと作業を行っていく中で、僕たちが勝るタイヤを得ることは、100%確信している。このラリーはまだ終わってはいないが、とてもラフでミスをしやすい。残りの2日間は、いいバトルになると思う」
クリス・アトキンソン
「言うまでもなく、初日を走り切ることができなかったことは残念だが、ここのステージがどれだけラフであるかをしっかり把握できたと思う。ホイールをもぎ取った岩は、マシンが走行していくにつれ徐々に露出してきたもので、最後に僕達が、タイミング悪くこの岩にヤラれた3台の内の1台となってしまった。でも、今日はポジティブな内容も多かった。午前中はとても順調で、トリッキーなロードコンディションの中でもいいタイムを出すことができた。午後は、固めのコンパウンドのタイヤで挑み、今となってみればこれは正しい選択ではなかったが、それでもいい比較データを得ることはできた。マシンのダメージはそれほど悪くはないので、明日は再スタートして、さらに経験を積むことができると思う」