ステージレポート
SS1: 19時12分 (木) Perth City Super 1 (2.00km)
2006年のラリー・オーストラリアは、木曜日夜、グロウセスターパークに設置されたパースシティ・スーパースペシャルで幕を開けた。8の字にレイアウトされた2kmのグラベルステージは、競馬場として使われているコースを使用したもので、ジャンプやトンネル、トリッキーなタイトコーナーなどが盛り込まれている。2台がサイドバイサイドで2周し、その後レーンを換えてもう2周する。SS1として行われた1回目の走行では、フォードのマーカス・グロンホルムが1分21秒1でベストタイムをマーク。SUBARUのペター・ソルベルグが0.9秒差のセカンドベスト、チームメイトのクリス・アトキンソンは、1分23秒2で7番手タイムだった。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(フォード) 1:21.1
SS2: 19時23分 (木) Perth City Super 2 (2.00km)
スーパーSS2回目の走行でもステージウィンを獲得したマーカス・グロンホルムは、フォードのチームメイト、ミッコ・ヒルボネンに1.9秒差をつけてラリーリーダーに立った。このステージ、サードベストタイムでフィニッシュしたSUBARUのペター・ソルベルグは、首位にわずか2.1秒差の総合3位につけた。ヘニング・ソルベルグとの対戦で1万人のスペクテイターを沸かせた地元の人気者、クリス・アトキンソンは、首位に4.6秒差で金曜日の走行に臨む。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(フォード) 1:20.7
SS3: 09時23分 Murray North 1 (15.92km)
ラリー・オーストラリアの本格的な競技は、金曜日朝、パースから100kmほど南下したドゥリンッガップ周辺のステージで始まった。赤土の道とボールベアリング状のグラベルが覆う路面で、トップ10にはさっそく波乱が起こった。最初にトラブルに見舞われたのは、昨晩ラリー・リーダーに立ったマーカス・グロンホルムで、5km地点で石に衝突したはずみで転倒。サイドウィンドウが割れ、ギアボックスにダメージを負い、ボディも各所にへこみができた。ステージは走り切ったが、11分近くの遅れを喫した。シトロエンのノミネートドライバー、ダニエル・ソルドは、ステージ中盤でクサラにギアボックストラブルが発生、レグから撤退となった。マシュー・ウィルソンも辛酸を舐めることとなり、石にヒットして右フロントのドライブシャフとコントロールアームを破損、レグから撤退となった。大波乱のこのステージを制したのは、SUBARUのコンビ。クリス・アトキンソンがベストタイムをマーク、チームメイトのペター・ソルベルグが3秒差でセカンドベストタイムをマークした。この結果、アトキンソンが総合首位に浮上。ソルベルグが2位、フォードのミッコ・ヒルボネンが3位につけている。
Fastest Time: クリス・アトキンソン(SUBARU) 8:55.4
SS4: 9時56分 Murray South 1 (20.12km)
同じくマーレイの森で行われたステージでは、クリス・アトキンソンがこの日2回目のステージウィンを獲得し、ラリーの総合リードを9秒に広げた。グロンホルムの転倒後、1番手からステージを走行しているミッコ・ヒルボネンが、ルーズグラベルのハンディを最も大きく負いながらもセカンドベストタイムをマーク。ペター・ソルベルグは、この20kmステージをサードベストタイムでフィニッシュし、他のドライバー勢と同様に、カラカラに乾いたグラベルは特にスリッパリーで、グリップレベルが変わりやすく予想がつかないと伝えてきた。アルゼンチンのプライベーター、ルイ・ペレス・コンパンクは、フォードフォーカスがコースでスライドオフし、木で止まるまで転倒、この日の幕を閉じた。
Fastest Time: クリス・アトキンソン(SUBARU) 11:34.9
SS5: 10時36分 Holyoake (3.13km)
2006年に新設されたショートステージ・ホリーオークでも、アトキンソンがベストタイムをマーク。チームメイトのペター・ソルベルグがセカンドベストで、この後に迎えるステージでマシンのトラクションを向上させるアイディアがあると語った。グロンホルムは満身創痍のフォードで3番手タイムだったが、サイドウィンドウの割れた窓からダストがコックピットに入り込み、居心地の悪いドライビングとなっている。
Fastest Time: クリス・アトキンソン(SUBARU) 1:53.4
SS6: 11時49分 Murray North 2 (15.92km)
補給給油を経て、クルーはマーレイの森に戻り、北部に設定される15kmのステージ・2回目の走行に挑んだ。前走と同じようにスリッパリーなコンディションがWRCコンペティターにトラブルを巻き起こしたが、最も残念なニュースはラリーリーダーに立っていたクリス・アトキンソンのレグ撤退。26歳のアトキンソンがドライブするSUBARUインプレッサWRC2006は左コーナーでスライドオフし、タイヤ2本がコースサイドの藪に接触した。マシンにダメージはないが、コース下1m弱まで落下。アトキンソンとコ・ドライバーのグレン・マクニール、有志のスペクテイターがマシンをステージ上に引き上げようとベストを尽くしたが、熱が上昇したメカニカルコンポーネンツがマシン下部からの出火を引き起こしたため断念せざるを得なかった。他のクルーが消火の手助けに参加したため、ステージはその後中断。炎は最終的に消火されたが、アトキンソンはリタイアとなった。ヘニング・ソルベルグは左コーナーでつかまりプジョーが転倒、ステージ下50mまで落ちたため、総合6位につけていたこの日、5番目のリタイアとなった。ソルベルグの実弟、ペターはステージウィンを獲得、ヒルボネンがセカンドベスト、シトロエンのチェビー・ポンスが3番手タイムだった。
Fastest Time: ペター・ソルベルグ(SUBARU) 8:50.0
SS7: 12時22分 Murray South 2 (20.12km)
日差しが照りつける中、ペター・ソルベルグがマーレイ・サウス2回目の走行を最速でフィニッシュし、この日2回目のステージウィンを獲得。ヒルボネンをかわして総合首位に躍り出た。クルーはこの後、30分サービスに入るためパースへ戻る予定。この日最初のセクションを終えた時点で、ソルベルグはヒルボネンに対し2.7秒差をつけており、3位のシェビー・ポンスについてはさらに33秒引き離している。グロンホルムは5番手タイムをマークしたが、首位との間には依然12分の差が残っており、現在総合11位。グロンホルムは2006年のドライバーズ選手権で、ローブをかわすことのできる残り1人のドライバー。タイトル争いを次戦ニュージーランドまで持ち越すためには、グロンホルムはこのオーストラリアを3位以上でフィニッシュしなくてはならない。
Fastest Time: ペター・ソルベルグ(SUBARU) 11:31.1
Driver Quotes - Service B (SS7後)
- ペター・ソルベルグ:
- 「この午前最初の2本は非常に難しく、かなりスリッパリーだった。具合を見てセッティングにいくつか変更を行い、それでフィーリングがよくなったようだ。リードに立てたのはうれしいが、クリスの件はあまりに残念。非常にいい走りでここでいいリザルトを獲得できただろうと思うが、時にはこんなこともある。我々の方は、プッシュを続けることに専念し、カンガルーにヒットしないように気を付けるだけだ」
- クリス・アトキンソン:
- 「今日は非常にいい滑り出しで、特に最初の3本はステージウィンを獲得した。しかし4本目はそれほどうまくいかず、ステージ中盤の中速コーナーでマシンがほんの少しラインを外し、ソフトな砂に埋まった。ここでスタックし、コースに復帰することができなかった。なんとか抜け出そうとしたが、エキゾーストの熱でマシン背後の藪に火がついて、ボヤとなってしまった。できる限りの早さでそれをくい止めたのでダメージはそうひどくはないようだが、サービスでちゃんとチェックしてもらわなくてはならない。もちろんとても残念だが、ギリギリいっぱいの所まで攻めていた。それがほんの少し、限界を超えてしまったのだと思う」
SS8: 16時32分 Beraking 1 (22.84km)
ステージ前の30分サービスでは、グロンホルム車の修復作業が2分超過し、グロンホルムには20秒のペナルティが与えられた。しかし、SS7終了時点で40位まで後退したものの、グロンホルムはリフレッシュしたマシンでハードアタックを開始。ベラキンの22kmステージでベストタイムをマークした。このタイムで総合順位では28位にまで挽回したが、ラリーリーダーとの差はまだ12分以上残っている。ソルベルグとヒルボネンとの総合首位争いは激しさを増し、このステージでヒルボネンがソルベルグに1.7秒詰め寄り、両者の差はわずか1.3秒となった。このトップ2がハイペースを見せており、総合3位につけるチェビー・ポンスとの差は44秒開いている。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(フォード) 13:05.7
SS9: 17時18分 Flynns 1 (18.78km)
この日最後の本格的なステージでは多くのドライバーが走行後に残る厚いダストに不満を訴え、疑問の残る内容となった。走行間隔が2分しかあいていないことで、数々のドライバーが視界を確保できず危険だと伝えた。ペター・ソルベルグも大きな影響を受けた一人で、途中停車しなくてはならないことも1度では済まなかった。ソルベルグはこのコンディションで40秒近くのタイムロスを喫し、ヒルボネンに続く総合2位に後退した。先行車がなく視界のクリアな状態で走行しているグロンホルムのチャージは続き、ここでもステージウィンを獲得した。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(フォード) 11:07.2
SS10: 19時25分 (SS11 19時34分) Perth City Super 3&4 (2km)
レグ1は、再びパースシティ・スーパースペシャルでのナイトステージで締めくくり。ヘッドライトが照らす中、最初のループ・SS10ではマーカス・グロンホルム、2回目の走行となるSS11ではマンフレッド・ストールがそれぞれベストタイムをマークした。ここでは、トップ10に順位の変動はなかった。
Fastest Time: SS10 マーカス・グロンホルム(フォード) 1:22.6 SS11 マンフレッド・ストール(プジョー) 1:22.1
チームのコメント
SUBARUワールドラリーチーム・マネージングディレクター、リチャード・テイラー
「このように暑くドライなコンディションの中、2台のマシンとも、とても頼もしいパフォーマンスを見せてくれた。今回も、チームが一丸となって、SUBARUのマシンが安定してトップタイムをマークできるように尽くしたチームワークが発揮された。両マシンともトラブルのない走りで、序盤のステージではペターとクリスが合わせて5回のステージウィンを獲得し、総合順位のトップ3に2台が食い込んだ。クリスは首位で走行中に不運にもコースオフ、ペターはダストで大量のタイムロスを喫したが、クリスは明日復活して速さを見せつけてくれるはずであり、ペターはラリーリーダーとのギャップを詰めることができると自信を持っている」
ペター・ソルベルグ
「今日はほぼいい一日だった。序盤にいくつか変更を行って、ステージウィンを2回獲得。それからサービスの後にも、さらに向上させることができた。林道ステージ最後の2本ではダストで大量のタイムロスとなり、1本目では曲がる方向を間違って何度もストップしてタイムがかさんでしまった。とにかく、どうなっているのか全く周囲を見渡すことができなかった。全体的にはポジションにはかなり満足している。タイヤチョイスも当たり、ピレリはいい働きをしてくれたので、明日はもっと状況がよくなるよう楽しみにしている」
クリス・アトキンソン
「今日の終わり方は、実に残念。チームのためにハードなプッシュに挑んでリードにも立ったが、不運にも小さなミスで万事休す、レグ撤退となってしまった。たった一つのコーナーでほんの少し膨らみ過ぎて、それをリカバリーすることができなかった。横滑りしてコース脇のバンクでストップした。バックで戻ろうとしたが、できなかった。マシンの状態はかなりよく、小さな出火はあったがダメージは小さく済み、どこもぶつけてもいない。明日はおそらく再スタートできると思うが、ポディウムや優勝のチャンスは飛んでしまっただろう」