ステージレポート
SS1: 08時01分 Fredriksberg 1 (18.14km)
2006年スウェディッシュ・ラリーは、ハグフォースのパルクフェルメを出発し、湖の周辺を走る、雪に覆われた18kmのフレデリックスペルグのステージで幕を開けた。順調な滑り出しを迎えたSUBARUのペター・ソルベルグだったが、7km地点のストレートで左リアのドライブシャフトを破損。このSSを走り切ることはできたが、マーカス・グロンホルムがマークしたステージベストタイムから1分近くの遅れを喫した。ソルベルグのチームメイト、クリス・アトキンソンは、8mm長のスタッドを打ったタイヤを装着して快走。ヘアピンでストールをしたものの、6番手タイムをマークした。シトロエンのプライベーター、セバスチャン・ローブがセカンドベスト、その5秒差でグロンホルムのチームメイト、ミッコ・ヒルボネンが続いた。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(フォード) 10:25.7
SS2: 09時01分 Lejen 1 (26.47km)
アベレージ速度118km/hと、このイベントでも最も速度域の高いステージの一つ・レヤンでは、フォードのグロンホルムがこの日2回目のステージウィンをマーク。ペター・ソルベルグはこの日最初のステージで破損したドライブシャフトを抱えたままの走行となりながらもこのステージを走り切ったが、グロンホルムに2分近く遅れのタイムとなり、総合順位もさらに後退した。このステージでも、ローブ、ヒルボネンがセカンド、サードベストタイムをマーク。しかし、ローブは、SS1-SS2間のロードセクションで、ボンネットが開いてフロントウィンドウに当たったため、確認のために停車。タイムコントロールの到着が1分遅れ、10秒のペナルティが課せられている。SUBARUインプレッサWRC2006をドライブするオーストラリアのクリス・アトキンソンは、このSSを慎重に走行。雪壁をうまく避けて5番手タイムをマークした。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(フォード) 24:26.6
Driver Quotes - Service A (SS2後)
- ペター・ソルベルグ:
- 「実に残念な思いだが、対処できることはほとんどなかった。ロングストレートで、左リアのドライブシャフトが壊れた時は6速に入っていた。何も予兆はなかった。この先、何ができるかよく分からないが、これ以上失うものはないので、サービスでマシンが直ったら、とにかくベストを尽くしてどこまでいけるか挑戦してみるのみだ」
- クリス・アトキンソン:
- 「順調、ここまでは堅実に攻めて、安全なスピードで走っているし、すべて予定通りに進んでいる。目標はトップ6圏内で、ちょうどその位置につけている。最初のステージではジャンクションでスピンをして数秒をロスしたが、それ以外は特に問題はなし。コースはいいコンディションで地盤も程良く固いので、ドライビングを満喫しているよ」
SS3: 12時09分 Fredriksberg 2 (18.14km)
30分サービスを経て、クルーはハグフォースの東部、フレドリクスベルグのステージ・2回目の走行に挑んだ。三菱のプライベーター、ジャンルイジ・ガリが、今年最初のベストタイムをマーク。元DTMチャンピオンのマティアス・エクストローム、シトロエンのプライベーター、ヤンネ・トーヒノが続いた。サービスの間にSUBARUのメカニックによって破損したドライブシャフトの修復を受けたペター・ソルベルグは、復調体制で走行に挑んだが、スタートラインでストールし8秒のタイムロスとなった。また、他のドライバー勢にもトラブルが相次ぎ、マーカス・グロンホルムと、ソルベルグのチームメイト、クリス・アトキンソンは、スタートから100m地点にある同じコーナーでオーバーラン。アトキンソンのマシンは滑ってディッチにはまり木にヒット、ステアリングラックを破損した。アトキンソンはコースには復帰したが、パワーアシストなしのステアリングでの走行との格闘で3分以上のロスとなった。シュコダのアンドレアス・エイグナーも雪壁にヒットし、コースオフ。観客の手を借りてマシンを持ち上げ、コースに復帰した。
Fastest Time: ジャンルイジ・ガリ(三菱) 10:29.1
SS4: 13時09分 Lejen 2 (26.47km)
レヤンのSS・2回目の走行では、ドライバーたちは轍が深くなり固く締まったグラベルが現れていると伝えているが、気温は依然として凍るように低く、アイスやスノーも残っている。ローブがこの日、初めてのステージウィンを獲得。グロンホルムがわず0.8秒差で続いたが、それでも総合順位ではローブに11.6秒差をつけての首位を維持している。総合順位ではジャンルイジ・ガリが4位に浮上し、3位のヒルボネンまでわずか5.5秒差と迫っている。スウェーデンのダニエル・カールソンも、このステージでサードベストタイムをマークしエクストロームから総合5位の座を奪取している。クリス・アトキンソンとコ・ドライバーのグレン・マクニールは、このステージ前のロードセクションでステアリングラックの修復に当たり、SSの到着が3分遅れたため30秒のペナルティを受けた。この26kmのSSもステアリングなしで走行したアトキンソンは、他のクルー同様、30分サービスに入るためハグフォースへと向かった。ロードセクション走行中のソルベルグにはさらに災難が降りかかり、サービス到着まで2kmという地点でギアトラブルが深刻化。マニュアルギアでの1速のみの走行でサービスへの帰還は果たしたが、13分の遅着により2分10秒のペナルティが課せられた。
Fastest Time: セバスチャン・ローブ(シトロエン) 14:24.4
Driver Quotes - Service B (SS4後)
- クリス・アトキンソン:
- 「とにかく疲れた。こういった道をパワーステアリングなしで走るのは、想像を絶するほどタフだよ。グリップをキープすることが本当に難しい。SS3の最初のコーナーでコースオフした。フロントタイヤを轍に引っかけてコーナーをまっすぐ抜けて、小さな木にぶつかったんだ。観客が手を貸してくれてコースに復帰できたけど、すぐにパワーステアリングが壊れた。とにかくできることはやったので、午後もできる限りのことを尽くしていく」
SS5: 15時49分 Vargasen 1 (39.95km)
ステージ前のサービスでメカニックがマシンの修復とパワーステアリングラックの交換にかかったクリス・アトキンソンは、サービスアウトが2分遅れ、20秒のペナルティが課せられた。またこのステージが始まるとミッコ・ヒルボネンに不運が襲いかかり、フィニッシュ手前わずか2kmの地点でエンジンがオーバーヒートを起こしリタイアとなった。ヒルボネンのアクシデントで、ガリが総合3位、ダニエル・カールソンが4位に浮上。グロンホルムがローブを抑えての首位を堅守しているが、この40kmのロングステージを両者はわずか1秒以下差のタイムで争っている。
Fastest Time: セバスチャン・ローブ(シトロエン) 20:40.5
SS6: 17時07分 Hagfors Sprint 1 (1.87km)
この日最後のステージは、サービスパークにほど近い凍結路を走行する観戦ステージ、ハグフォース・スプリント。アベレージ速度は50km/hにしか満たない、このイベントで最も速度域の低いSSだ。ハグフォースの人口の半分以上にも達する8000人ものスペクテイターが小さなアリーナに押し寄せた。ローブとグロンホルムが、ここでもトップ2のタイムをマーク。ローブが僅差で競り勝ち、レグ2に向けて総合首位・グロンホルムとの差を10.2秒に詰め寄った。ガリがサードベストをマークし、カールソンを抑えて総合3位の座を堅守。序盤、遅れを喫したソルベルグとアトキンソンは、アイス路面という特殊コンディションで、新型・SUBARUインプレッサWRC2006のパフォーマンスデータを収集した。
Fastest Time: セバスチャン・ローブ(シトロエン) 1:54.7
チームのコメント
SUBARUワールドラリーチーム パフォーマンス・ディレクター:デビッド・ラップワース
「明らかに、いい日とは言えない一日だった。昨日のシェイクダウンは非常に期待の持てる内容だっただけに、この結果はなおさら残念だ。最も悔しいことは、今日起きたトラブルのほとんどが、予想していた新型に関連してのトラブルではなく、流用パーツが起因していることだ。ペターにとっては、特に悔しいだろう。ここ2戦よりも、いい走りができるはずだった。クリスにとっても、非常にタフな1日となった。体力的にも彼は100%の体調ではなく、高熱と腹痛でマシンの中でも具合が悪かった。こうした状況の中、彼が苦しい立場になるのも不思議ではなく、序盤に起こした小さなミスが大きな代償となった。それでもクリスはこのラリーで多くを得ることができるし、この経験は彼の育成にとっても非常に貴重なものとなる。この後、ペターに関しては、実戦テストと新型マシンでの経験を積むいい機会と考えて、メキシコでの勝利を目指す」
ペター・ソルベルグ
「今日、望み通りのリザルトを出すことができなくて、実に残念だ。昨日までは、新型マシンのフィーリングは最高で、今朝のステージを迎えるまでは本当にエキサイトしていた。今日起きた様々なトラブル以上に我々はショックを受けており、今のポジションでは、この後は将来のテストのために走行をする以外にない。もちろん、できる限りのデータを得てこの機会を最大限に活用していくが、全体的には本当に落胆している」
クリス・アトキンソン
「スタートは順調で序盤の速さにも満足していたが、小さなミスでパワーステアリングのトラブルを引き起こし、大きなタイムロスにつながってしまった。それがなければ、ポディウムフィニッシュも可能だったと心から思う。マシンとタイヤのフィーリングはとてもよかった。この後、残りの日程ではできる限りの経験を積んでいく。でも、本当に残念だ。このイベントは、経験を積みながらいい結果も得られると考えていたイベントの一つだった。実際、僕たちのスピードは、好リザルトにもつながる可能性があることは分かった。メキシコでは、もっとポテンシャルを活かせるように願っているよ」