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  Rd. 9 OMV ADAC Rallye Deutschland
11 to 13 August 2006
事前情報
Event Bulletin
4 August 2006


9週間のブレイクを過ごしたFIA世界ラリー選手権(WRC)は、ラリー・ドイツでシリーズ再開を迎える。全16戦中の第9戦は、8月10-13日、ドイツの西部、モーゼルやサーランド地区の舗装コースで行われ、ドイツ最古の都市・トリアーにラリーHQが設置される。中央ヨーロッパで開催されるWRCイベントとあって、周辺各国からスペクテイターが訪れ、今年は20万人の集客が見込まれている。

イベント自体は舗装ラリーと称するものの、このラリーはカレンダーの中でも舗装バリエーションが最も広いイベントの一つで、各レグの性格はかなり異なってくる。1日目のステージはドイツで最も大きなワイン生産地の一つであるモーゼルのぶどう畑を抜けるコースで、枯れ葉や落ちたブドウの実などが入り交じり、かなりツルツルの路面となる。2日目はバウムホルダーの軍事施設にある戦車訓練区域に設定され、コース脇には「ヒンケルステイン」と呼ばれるコンクリート製の巨大な縁石が並んでいるため、要注意だ。ワイドなセクションは摩耗が激しくダーティで、ウェットになれば細かい砂のダストで非常にスリッパリーとなる。最終日はよりスムースで高速のサーランドのコースで争われる。

このラリーはドイツの真夏での開催となり、気候は暑く日差しが強いと予想されるが、周辺を取り囲むエイフェルやハンスラックといった山脈から雨雲がやってくれば、にわか雨の可能性も出てくる。ウェットコンディションになると路面の性格やグリップレベルが劇的に変わり、クルーはモンテカルロ並みにステージ間の変化に惑わされることとなる。ウェットコースでの危険性をできるだけ抑えるために、各ドライバー、コ・ドライバーはセーフティクルーを派遣。セーフティクルーは技走行前にステージを走行し、コンディションをドライバーたちに報告する。

ラリー・ドイツは、クルー同様、チームにとってもチャレンジングなイベント。ラリー・ドイツのフィニッシュから、次戦ラリー・フィンランドのレッキ開始までは42時間しかなく、チームは土曜日の夜からサービスエリアの撤収を始め、最終レグ・1回目のサービス終了後には、出発の準備を整えなくてはならない。ラリー・ドイツの主催者は、チームに移動の時間を与えるために特に配慮したプランを立て、日曜日のレグは6SSから4SSに短縮されている。

ラリーHQとパルクフェルメはトリアーの中心部に設定されるが、サービスエリアはトリアーから70km離れたリゾート地・ボスタルシーに設定される。ラリーは総ステージ走行距離352.17km・19SSが設定され、土曜日の夜には、サンクト・ウェンデルでスーパーSSが開催される。新設ステージは、グラフシャフト・ヴェルデンの1本がレグ1に設定される。セレモニアルスタートは、トリアーの中心にあるローマ人が建設した門、ポルト・ニグラで、8月10日木曜日、20時(現地時間)から行われる。ポディウムフィニッシュは、8月13日日曜日、トリアーで12時24分から行われる予定。



エントリー

ペター・ソルベルグ(コ・ドライバー、フィル・ミルズ)とステファン・サラザン(コ・ドライバー、ステファン・プレボ)が、SUBARUインプレッサWRC2006をドライブ。クリス・アトキンソン(コ・ドライバー、グレン・マクニール)はSUBARUオーストラリアからSUBARUインプレッサWRC2005でエントリーする。

ペター・ソルベルグは過去に4回、ラリー・ドイツに参戦している。昨年はこのイベントでの最高位となる総合7位でフィニッシュ。ステファン・サラザンは2004年にこのドイツで、プライベートエントリーのSUBARUインプレッサでWRCデビューを果たしており、総合9位と活躍した。昨年は総合8位でフィニッシュしている。

クリス・アトキンソンは、今年2回目のラリー・ドイツ参戦。アトキンソンは2005年にここで舗装ラリーのデビューを飾った。以来、WRCイベントやWRC外イベントで着実に舗装ラリーでの経験を積んでいる。



ドライバー・コメント

ペター・ソルベルグ
「今年は舗装であまりいいリザルトを残していないので、ドイツで最も重要となるのは、これまでの状態から前進することだ。7月の終わりにはドイツで2日間のテストを行い、ここでは向上が見られたことは、非常に重要だ。このイベントでは過去あまりいい思い出はないが、このラリー自体は好きだ。各レグで舗装のタイプが違い、各レグで性格が異なるほか、どのコースもとてもダーティでスリッパリーなので、ドライバーにとっては非常に難しいラリー。土曜日の軍事施設でのステージは、特にタフだ」


ステファン・サラザン
「僕は2004年のラリー・ドイツでWRCデビューをしたので、このイベントにはいい思い出がある。グリップは低く路面はスリッパリーで、ステージは難しいというすごい舗装ラリーだから、しっかり集中していかなくてはならない。僕は2日目のバウムホルダーのコースが特に楽しみ。とてもチャレンジングなコースだからね。昨年はとても速さを見せることができたので、今年はトップ5に入ることができれば上々だ」



クリス・アトキンソン
「ドイツは、2005年に生まれて初めて参戦した舗装イベントだが、今年はもっと経験を積んだ状態での参戦。ツール・ド・コルスとラリー・カタルニアに2回参戦した他、モンテカルロ、アイルランドも走った。それにニュルブルクリンク24時間では25kmを走行し、適正なレーシングラインの取り方やセッティングの考え方などを学んだ。あいにく、ドイツ前に舗装テストを行う機会がなかったので、体力トレーニングや休息に専念していた。ドイツでの僕たちの目標は、いいリザルトで、できればポイントを取っていきたい」




マシン&挑戦

SUBARUワールドラリーチーム・スポーティングディレクター、ルイス・モヤ
「この夏、イベント中断期間は、非常に忙しく過ごしていた。シーズン後半に向けてチームの全般的なパフォーマンス向上に専念し、これからのイベントではステップアップを見せていきたい。ペターとステファンはトップ5を目指し、クリスは舗装での経験をさらに積んでいくのが目標だ。クリスは舗装デビューをドイツで迎えいいペースを見せたが、今ではさらにWRCの舗装イベント3戦に参戦した他、ラリー・アイルランドとニュルブルクリンク24時間にも参戦した。ドイツはWRCのどのイベントとも異なるラリーで、これまで我々にはあまり相性がよくないラリーだが、ベストを尽くしていく」

SUBARUワールドラリーチーム・エンジニアリングディレクター、スティーブ・ファレル
「舗装ラリーここ2戦での我々のパフォーマンスは確かに我々が予期していたものとは違っており、ドイツに向けてはSUBARUインプレッサWRC2006の戦闘力をさらに上げていくために、さらなる努力を費やしてきた。マシンの総合的なパフォーマンスを開発するために、あらゆる角度から手を施し、特にサスペンションの改良とディファレンシャルのセッティングに力を入れてきた。また、小規模の変更や開発を無数に行い、特にこのイベントに向けてはエンジンのアップグレードも行った。ここまでのテストでは、いい方向性に向かっていると確信している。この夏の間、ピレリとも緊密な作業を行ってきたので、タイヤに関しても向上が見られるはずだ」


ラリーの合間

WRC界にとってはかなり長い夏休みとなったかもしれないが、SUBARUワールドラリーチームの3人にとってはそうはいかなかったようだ。ペター・ソルベルグはギリシャ終了後、つかの間の休息を取り、ジャグジーやサンデッキと5人の乗員付き80フィートのヨットでギリシャ周辺の島々をクルーズして回ったが、その後SUBARUと2009年までの契約を更新し、仕事に戻る日々となった。ソルベルグはノルウェーで、多くの海外メディアの前で契約更改の発表を行った。その後まもなく、9000kmを飛び越えて日本を訪れ、新しいSUBARU車のテストを行ったほか、5000人のサポーターが集まったSUBARUのファンイベントに参加した。その後、7月上旬にはグッドウッドを訪れた後、ドイツに向かいプレイベントテストを消化。数日ノルウェーに滞在した後、別テストのためにフィンランドへと向かった。

ピレリ/SWRTのテストプログラムと、耐久/スポーツカーレースを兼任しているステファン・サラザンも、モータースポーツ界では多忙な人物の一人だろう。レースとラリーで活躍する間、7月にはキプロスに向かい、キプロス自動車連盟のコースセーフティ確認プログラムのサポート活動を行った後、日本を訪れSUBARUインプレッサGT300のテストを行ったり、富士重工業の航空宇宙カンパニーも訪れた。

クリス・アトキンソンはギリシャの後はヨーロッパに留まり、初めてのサーキットレースとなるニュルブルクリンク24時間に参戦した。アトキンソンとチームメイト3人はSUBARUインプレッサをドライブ、クラス13位でフィニッシュした。スペインでテストを行った後、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに初参加。その後ようやくオーストラリアに帰国し、友人との休日を過ごした。しかしその休息も長くは続かず、7月終わりにはオーストラリア対岸のパースに飛び、ラリー・オーストラリアのチケット開始イベントに参加した。その後、8月上旬にはテストのためにヨーロッパへと戻った。



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