思うようなレースができず、悔しさの残る1戦に

この日は朝から好天に恵まれ、気温・路面温度ともに高い状態でのレースが予想されました。チームは前日の予選結果を受けて、サスペンションセッティングを変更。8番手グリッドからどうやってポジションアップを狙うのか、柔らかめのタイヤを装着するSUBARU BRZ GT300にとっては、タイヤ交換のタイミングも重要な戦略と言えます。10時55分から20分間のウォーミングアップ走行を終えたあと、決勝レースは12時30分からスタート。約6時間にもおよぶシリーズ最長のレースが幕を開けました。

このレースを糧に、さらなる飛躍を

スターティングドライバーを務めた山内は、第3、第5スティントも担当。「悔しいという気持ちは強いですね。ただ、現状のルールの中ではベストを尽くせたのではないかなと思います。単に後ろを走っているだけでは勝てないので、なんとか前に出られるように、挑戦し続けることが肝心だと思っています。コーナーをいかに速く走るかということを目標に、サスペンションやタイヤ、クルマ作りをしていかないと、ライバルを抜きにいくのは難しいなという感じです。“前を捉える”というところを自分自身でもトライしなければと考えています。次戦のタイはウェイトハンデが半分になりますし、今回みんな悔しい思いをしているので、それをバネに勝てるように頑張りたいと思います」と前向きに締めくくりました。

チーム総監督の辰己英治は、悔しさを押し殺しながら次のようにレースを振り返りました。 「作戦やタイヤは悪くなかったと思いますが、相手のペースで走らされてしまった部分も大きいと思います。現状のSUBARU BRZ GT300では、あれ以上は速く走れないです。反省点としては、予選8番手からのスタートはやはり厳しかったかもしれません。予選の時に決勝で使ったセットアップが見つかっていたらと思います。やはり走り込みが不足していることが予選の結果につながっているんでしょう。どれだけを汗水を垂らしてコーナーで抜いても、ストレートで抜き返されてしまう。ドライバーはもちろん、チーム全員が悔しい思いをしています。この悔しさから抜け出すために、次戦に向けて考えていかなければなりません」

次戦は、10月7日(土)と8日(日)に行なわれる第7戦「Chang SUPER GT RACE」です。タイ・ブリーラムのチャーン・インターナショナルサーキットを舞台とする、シリーズ唯一の海外大会。昨年は惜しくもリタイアという結果に終わっているため、その雪辱を果たすべく、チーム一丸となって取り組んでまいります。SUBARU BRZ GT300へのご声援をよろしくお願いいたします。

公式練習ではトラブルが発生したが、チームは短時間で修復

9時20分からの公式練習は、明け方から降り始めた雨によりウェット宣言でスタート。走行前の時点で雨はすでに上がり、徐々に陽も差し始めたものの、まだまだ路面には濡れた部分が残っており、各車ともインターミディエイトタイヤを装着してのコースインとなりました。SUBARU BRZ GT300は井口のドライブでスタート。路面は徐々に乾き、ドライタイヤでの走行に。井口はピットインを繰り返しタイヤチェックを行いながら、周回を重ねていきました。

手応えあるアタックも8番手に。明日の挽回を期す

予選Q1セッションは気温31度、路面温度37度という状況で、14時35分からスタートしました。Q1セッションでステアリングを握った山内は、トラブルの不安を感じさせないスピードを披露、早々に1分59秒189という暫定トップタイムを刻んでみせました。最終的には6番手タイムとなりましたが、山内はQ1セッションをきっちりと通過。Q2セッションを担当する井口へとバトンを渡します。井口はさらにタイムを伸ばし、1分58秒816をマーク。井口も暫定トップタイムをたたき出してファンを沸かせましたが、周囲のタイムアップもあり、8番手グリッドからの上位浮上を目指すこととなりました。

山内の後を継いでQ2セッションに挑んだ井口は、序盤で好タイムをマーク。手応えのある走りができたセッションについて、次のようにコメントしています。 「山内選手が練習走行を大きく上まわるタイムを出してくれましたね。Q2のアタックはミスなくいい走りができたという手応えがあったのですが、それ以上に周りのタイムアップが大きかったですね。明日の決勝レースに向けてしっかりと作戦を組み立てていきたいと思います。諦めずに戦えば、チャンスもあると思いますから」

チーム総監督の辰己英治は、「ひと言で言えば、実力がおよんでいなかったということでしょうね。ポールポジションを獲るために少し柔らかめのタイヤを選んでいたので、決勝のことも考えて早めの段階でピットに戻しました。決勝レースではJAF GT車両だけでなく、FIA GT3車両が前にいるので、厳しい戦いとなるはずですが、勝機を見つけて前に行くしかありません。決勝レースでは燃料を搭載して重くなるので、安定方向に振ったセッティングにしていきます」と、厳しい表情でこの日を総括しました。

決勝レースは8月27日(日)の12時30分から173周で行なわれる予定となっています。シリーズ最長距離を誇る過酷な鈴鹿1000kmに挑む、SUBARU BRZ GT300とチームへの応援をよろしくお願いいたします。

中高速コーナーが多い鈴鹿サーキットは、SUBARU BRZ GT300にとっては得意なコース。その理由について、辰己は次のように説明します。「鈴鹿は、フルブレーキをかけるようなコーナーが少ない。つまり、コーナリングマシンであるSUBARU BRZ GT300にとっては、ボトムスピードを高く保ったまま走ることができるのです。旋回性能が高ければ、ブレーキを強くかけなくてもコーナーに入っていくことができる。ヘアピンもフルブレーキングで進入して旋回するようなコーナーではありません。これまでスバルがいい成績をとっているのは、その旋回性能とボトムスピードの高さ。そういうコーナーの連続であることが、有利に働いているといっていいでしょう」

マシンの長所を活かせるコースで勝負をかける

5.807kmと国内最長の距離を誇る鈴鹿サーキットは、世界でも珍しい立体交差を持つ8の字型のコースです。下り勾配のホームストレートから進入する1コーナー、その後に続くS字コーナー、中盤の複合コーナーであるデグナーカーブ、終盤の130Rといった中高速コーナーが多く、コーナリングマシンであるSUBARU BRZ GT300にとっては得意なコースと言えます。

この鈴鹿1000kmでは、全車5回のピットインが義務づけられており、ピットタイミングの見極めはもちろん、タイヤ交換本数の選択など、天候および路面状況の変化、コース上でのトラフィックの様子などを踏まえた臨機応変な戦略を採ることが求められます。ドライバーの頑張りはもちろん、チームの状況対応力もおおいに問われる1戦となることでしょう。総監督を務める辰己英治は、路面温度などに応じた適切なタイヤ選択も大きなポイントになると分析しています。

シリーズで唯一の1000kmレースである今大会では、通常よりも多くのポイントを獲得することができます。SUBARUは第5戦の終了時点でチーム・ドライバーの両ランキングで7位。終盤戦に向けての巻き返しを図るべく、最後の鈴鹿1000kmで勝利を目指すSUBARU BRZ GT300の力走にご期待下さい。

スバル恵比寿ショールーム「SUBARU STAR SQUARE」にて8月27日(日)にパブリックビューイングを開催！

8月27日(日)12:00より、SUPER GT第6戦のパブリックビューイングを「SUBARU STAR SQUARE」にて開催します。MCに一戸恵梨子さん、ゲスト解説にドライバーの松田晃司選手を迎える予定です。会場内では、「SUPER GT 2017 Round8 MOTEGI SUBARUファンシート」、「特製 ネックストラップ＆IDカードホルダー」、「特製 折りたたみ傘」など素敵なプレゼントが当たるじゃんけん大会も同時開催予定。さらにスロットカー選手権も開催します。スロットカーになったSUBARUのクルマをあなたの手で操縦して頂けます。優勝者には素敵な賞品を進呈！