SUPER GT

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RACE REPORT

2017.03.27 - SUPER GT 公式テスト・富士
雪に見舞われた富士テストを終え、いよいよSUBARU BRZ GT300は開幕戦へ
岡山での今シーズン最初の公式テストからわずか1週間。3月25~26日に富士スピードウェイで第2回となる公式合同テストが行われました。SUBARU BRZ GT300 2017モデルも井口卓人、山内英輝の両ドライバーとともにテストに参加。残念ながら2日目は降雪により走行が中止となり、各車十分に走り込みができたとは言えない状況で開幕戦に臨むことになりました。

コンパクトでテクニカルなレイアウトの岡山国際サーキットから一転、国内最長の直線距離を誇る富士スピードウェイにSUPER GTの2017年シーズンを戦う車両が集まりました。今回のテストでは、トランスアクスル化した新しいSUBARU BRZ GT300の、最高速の高い富士スピードウェイでの車両確認やタイヤ選びが主なテーマとなりました。
事前に2日目の降雪予報が出ていたことで、1日目の走行セッションは延長され、午前中が2時間20分、午後は各クラスの占有走行も併せて2時間50分のロングセッションとなりました。 午前中のセッションは井口がステアリングを握りスタートしましたが、走行途中でピットイン。総監督を務める辰己英治は「クルマが出来上がってまだ1か月もたっていないので、初期にみられる不具合が見つかった」と話し、午前中はその修復に時間を費やすことになりました。 午後のセッションでは井口が50周を周回し、山内もステアリングを握りました。十分な周回数とは言えないものの、最終結果は1分36秒947で6番手タイム。開幕に向けた伸びしろも確認できた、内容のあるテストとなりました。
2日目は予報通り朝から雪が降り続き、走行セッションは中止。チームはテストを見に来たGTファンのためにオープンピットと呼ばれるイベントに参加しながらも、タイヤ交換練習やミーティングを重ね、来る開幕戦に向けての準備を進めました。 2回のテストを終えて、いよいよチームは2017年シーズンの開幕戦へと挑みます。岡山国際サーキットで開催されるSUPER GT開幕戦でのSUBARU BRZ GT300の走りにご期待ください。
辰己英治総監督
「マシンのシェイクダウンからまだ1か月もたっておらず、マシンの不具合がいくつか出てしまいました。予定していたメニューすべては消化できませんでしたが、今年のマシンで狙っていたトラクションの向上に関しては得られた部分がありましたね。空力テストが十分できなかったので、ここから開幕戦に向けては先日の合同テストでのデータとドライバーコメント、そしてエンジニアの経験値を合わせて岡山仕様のマシンを仕上げていくことになります。最後にチェックしたかったものが(降雪により2日目が走行中止になったことで)確認できなかったのは残念ですが、タイヤの進化も1日目の走行でよく分かったのは非常に明るい材料です。テストよりもいいマシンに仕上げて開幕戦に臨みますので、応援をよろしくお願いします」
井口卓人コメント
「岡山テストで非常にフィーリングのいいタイヤが見つかったので、それを富士でも改めて検証してみましたが、やっぱりとてもいいタイムが出ました。今まで狙っていたのとは違う方向性でダンロップさんにタイヤを作ってもらったのですが、それが新しくなったBRZには合っているんだということを実感できました。非常にタイトなスケジュールの中で、チームが一生懸命マシンをくみ上げてくれたし、テストも何とかこなしてきました。まだ完璧とは言えない状態でもいいフィーリングをつかめたので、ここから大きくレベルアップできるはず。ロングランをしっかりと確認できていないのが不安材料ではありますが、パッケージとしての進化は確認できたので、昨年は苦戦した岡山でしぶといレースを見せたいと思います」
山内英輝コメント
「スケジュール変更の影響もあって数周しか走れませんでしたが、去年に比べてクルマの進化を感じました。ドライバーにとっては運転しやすくなっているし、タイヤへのダメージも少なくなっているように思います。まだ実戦でちゃんと走れていませんし、しっかりと確認できてはいませんが、去年よりも“優しいクルマ”になっています。これは、予選はもちろん長い距離を走る決勝レースで確実に活きてくるはずです。このテストのあいだにトラブルは出し切ったと思っているので、走り足りない不安はあるけれど、それ以上に今は期待感も大きいです。開幕戦からいい結果を狙っていきたいと思います」
2017.03.21 - SUPER GT 公式テスト・岡山
シーズン最初の公式テストで、マシンの進化を確認、さらにレースに強いマシンへ
2017年シーズンの開幕戦を3週間後に控えた3月18~19日、岡山国際サーキットで、今年最初の公式テストが行われました。エンジンから駆動系のレイアウト、そして空力パーツなど、大幅に改良の手が加えられたSUBARU BRZ GT300 2017モデルも参加。大きなトラブルもなくテストメニューを消化、充分なポテンシャルを感じ取ることができました。
完成直後にシェイクダウンを行ったものの、本格的な走行はこの公式テストが初の機会となりました。初日となった18日、最初の走行セッションでは序盤にマシントラブルに見舞われることになりましたが、午後のセッションからは順調に走行を重ねることができました。晴れの国・岡山を標榜する、このサーキットならではの安定した天候で、4回のセッションは総てドライコンディション。ニューマシンを仕上げて行くには絶好の2日間となりました。

SUBARU BRZ GT300 2017モデルは、トランスアクスル方式を採用したことが最大の特徴です。これは、前後重量配分をより後方にシフトしてトラクションを高めることが目的でした。辰己英治総監督によると「ドライバーが体感できるレベルで、コーナーの立ち上がりなどでトラクションが増え、特にレースでは強みになる」ようです。またトランスアクスル化に加えて、エンジンのトルク特性の改良やボディの軽量化&低重心化、そして重量物をボディ中心近くに移して前後重量配分を見直すなど、2016年モデルからの改良点は、細かなものを含めると、数え上げればきりがないほどです。
こうした改良点が、はたしてどう機能していくか、が今回のテストでは大きなテーマとなりました。結果的に言うなら、改良点は充分に機能し、ポテンシャルが大きく引き上げられてことが確認できました。タイム的に見ても、1日目の午後のセッションでは6番手(初日としては7番手)に、さらにテスト2日目の午前のセッションでトップから0.18秒差のクラス3番手につけることができました。開幕戦での決勝を見越して、午後のセッションではロングランの走行が主体となりましたが、ベストタイムはトップから0.4秒差のクラス7番手と、安定した速さを発揮することができました。

今回の公式テストでも井口卓人と山内英輝、2人のレギュラードライバーがステアリングを握り、2日間で多くのマイレージを積み重ねることができました。また、開幕戦に向けてのタイヤテストを中心としたテストメニューも順調に消化することができました。走り終えてピットに戻って来たドライバーは2人とも、SUBARU BRZ GT300 2017モデルのドライブフィールが素晴らしい、と口を揃えていました。
チームはこの後、次の週末に富士スピードウェイにおいて開催される第2回公式テストに参加します。テクニカルから高速主体へ、サーキットのキャラクターは変わりますが、マシンを仕上げてさらに速くするためのヒントは充分つかめるはずです。そしてその2週間後、チームはここ岡山に戻ってきて2017年シーズンのSUPER GTシリーズ開幕戦を戦うことになります。チームとSUBARU BRZ GT300へのご声援を、よろしくお願いいたします。
辰己英治総監督
「SUBARU BRZ GT300 2017モデルは、駆動系のレイアウトを変更して、トランスアクスルタイプにしました。もちろんこれは重量配分を後ろ寄りにすることでトラクションを高め、コーナーからの立ち上がりを速くするための変更です。数字的に見ると(前後の重量配分比は)1%にも満たないほどですが、ドライバーからはハッキリ体感できる、と好評でした。シェイクダウンした時にはトラブルに見舞われましたが、それについてはしっかりと解析でき、完璧な対策を施すこともできています。今回の走行で良い手ごたえがつかめたのでシーズンに向けポジティブな気持ちで臨むことができそうです」
井口卓人
「SUBARU BRZ GT300 2017モデルは、トランスアクスル方式を採用していますが、それは走ってみると充分に体感できました。重量配分が良くなったことでトラクションが増えて立ち上がり加速が良くなったこともそうですが、実戦のレースではタイヤに優しいクルマになったと思います。タイヤをあまり気にすることなく安心して全開で走り続けられる。そんなクルマに仕上げて行きたいですね。もちろん、目標はチャンピオン。SUBARUファンの皆さんに喜んでもらえるレースを、もっともっと増やしていきたいですね」

山内英輝
「初日にちょっとしたトラブルがありましたが、それもシリアスなものではなかったし、2日間を通じてまずまず順調にテストメニューを消化することができました。トランスアクスル方式に変えたことに加えて、少しだけですがロングホイールベースになったことも大きく影響していると思いますが、SUBARU BRZ GT300 2017モデルはドライバーにとっては乗りやすいクルマになったと思います。レース本番では、これは大きな武器になると思います。もちろんドライバーだけでなくタイヤにも優しいキャラクターになったんじゃないかな。開幕戦の岡山は、僕の地元にも近いコースなので、何とかいい結果を出して今シーズンのいい流れをつくりたいと思っています」
2017.03.13 - シェイクダウンレポート
新生SUBARU BRZ GT300、滑り出しは順調
3月10日(金)、栃木県のツインリンクもてぎにて、本年仕様のSUBARU BRZ GT300レースカーのシェイクダウンが行われ、このマシンの開発にあたってスバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)のテクニカルパートナーとなった企業の担当者が見守る中、テスト走行は順調に進行しました。

走行に先立って行われたプレゼンテーションでは、STI社長の平川良夫の挨拶に続き、STIのモータースポーツ技術開発部部長で、SGTプロジェクトのプロジェクトジェネラルマネージャー(PGM)を務める渋谷真が、本年仕様のBRZ GT300の技術解説を行いました。2016年仕様のBRZ GT300からの改善課題は次の4つであり、渋谷はそれぞれの対策および進化項目について述べています。

1.コーナーからの立ち上がり加速
まずは、これまで長くGT300用のパワーユニットとして採用している2リットルのEJ20型水平対向ターボエンジンの特性改善を第一に挙げています。それは、エンジン内部摺動部のフリクション低減、排気管長の最短化などで立ち上がりトルクを稼ぎ、同時に耐久性の向上をも果たしています。また、トランスアクスル(ギアボックスとデフを合わせたユニットをリヤ部に搭載)を採用することにより、トランスミッションのギア変更作業が迅速化。コースに合わせたギア比の調整がしやすくなることで、セッティングの幅が広がる、と説明しています。シャシー各部の軽量化や低重心化も加速性能の向上に寄与します。特に、バンパー周りやテールランプユニットなどオーバーハングの軽量化に取り組みました。
2.エンジン性能のフル活用
トランスミッションのギア比変更が容易になったことで、コース特性、BRZのエンジン特性に合わせたセッティング調整がしやすくなり、その結果としてエンジン性能をフル活用することができる、としています。

3.コーナー出口のトラクション確保
エンジン特性の調整や最適ギア比の選択、軽量化・低重心化に加え、トランスアクスル化することによる重量配分の変更によって、課題であったコーナーエクジットでのトラクション確保を図っています。ここに焦点を絞って空力性能の見直しも行なっており、前後ダウンフォース増によりトラクション向上を見込んでいます。また、タイヤ特性の進化やホイールの最適形状化もこの課題の改善に役立つと目論んでいます。
4.スティント後半のタイムダウン
住友ゴム工業様の開発努力によるタイヤ特性の進化によるところが大きいが、重量配分の変更や軽量化もタイヤへの負担を減らすためこの課題の改善に貢献。スティント後半でもラップタイムを落とさないことで、上位フィニッシュが見込めると読んでいます。
これらの課題を克服するため、STI内にモータースポーツ技術統括部を新設。SGTプロジェクト推進室と連携を強化することで、効率的で実効性の高い開発業務を行えるようになった、と渋谷は説明しています。その開発プロセスとして、シミュレーションによるコース毎のタイム予測を行い、改善に向けて必要な車両諸元、パワーユニット特性、タイヤ特性、空力特性、シャシー特性を導き出し車両に織り込む、テストやレース本番での結果に定量化したドライバーコメントを加えて指標とし、次のステップへ改善策を織り込む、というループを繰り返す、としています。

この日のテスト走行は、ドライバーの井口卓人がまず搭乗し、数周走ってチェックし、また走行する繰り返しを行ないました。後半セッションでは、山内英輝も連続して数周走りました。井口は、「チーム(R&Dスポーツ)が今朝までかかって車両を仕上げてくれました。ハードワークに感謝しています。できたてのホヤホヤだったので、ドキドキしながら走りましたが、コーナー出口ではトラクションが効いていると実感できましたし、前後のバランスがとてもいいと感じました。これから富士や岡山行うテストでクルマを早く仕上げ、万全の状態で岡山でのデビューレースを戦いたいと思います」と語っています。

渋谷PGMは、「今日のテストには非常に満足しています。レースカーをシェイクダウンするときは、様々なトラブルが起きるものですが、今日は大きな問題もなく非常にスムーズでした。さすが熟練のチームだと感心しています。セッティングはまだこれからですが、初期のドライバーのコメントもポジティブだったので、ホッとしています」と語りました。

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