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2020.02.28

WRX STI NBR CHALLENGE 2020、新カラーで発進

2月26日、富士スピードウェイにてSUBARU/STIのシェイクダウンセッションが行われ、SUPER GTを戦うSUBARU BRZ GT300と共にニュルブルクリンク24時間レースに出場するSUBARU WRX STI NBR CHALLENGE 2020もノートラブルで周回を重ねました。
この日は、本来特別公開イベントとしてお客様にお見せする予定でしたが、新型コロナウィルス蔓延抑止の観点からイベント要素はキャンセルとなり、シェイクダウンテストのみが実施されました。2月末の富士はまだ肌寒く、この日は曇り空ながら朝までに降った雨がパドックとコースを濡らしていました。時間が経つにつれ路面のほとんどは乾いて行きましたが、午後1時から2時間のテストセッション中に至るまで一部の路面はウェットのままでした。
12月の開発テスト以来、1月末の実車風洞テストを経て、久しぶりにサーキットに姿を現したWRX STIですが、新たにデザインされたカラースキームを纏っての登場となりました。ブルーのペイント部分は、マット塗装となっており、ボディサイドのチェリーレッド帯には、本年仕様のパターンで作り込まれた「鮫肌」パートが広がっています。STIの辰己英治総監督は、「ルーフ後端など他の部分にも鮫肌は展開しておきたかったのですが、それは次回のテストで試します。NASCARなどではもうすでに実用化されている技術なので、空気の流れをボディ表面から剥がさず整流するという概念は間違っていないはずです」と語っていました。

テストセッションでは、2時間の走行枠の多くを井口卓人がWRX STIをドライブしました。その間、時にリヤウィングの角度を変え、タイヤ空気圧を調整するなど、細かくセッティングを変えながら周回を繰り返しています。
ドライバーの井口は、「2019年のクルマの完成度が高く、今年はそれをベースにさらに進化させるというプログラムです。特に新しくなったABSの制御は非常に精密で、これまで路面の悪いニュルでは所々ABSが変に介入して戸惑うところがあったのですが、それらは解消すると思います。ラップタイムにも影響は大きいと思います。また、サスペンションのジオメトリを変更したことで、開発の意図どおり回頭性は大きく進歩しています。一方、それに対してリヤの追従性にはまだ改善の余地がありました。しかし、今日2時間の走行でその原因が判明したので、それも解消すると思います。これもタイムアップに大きく寄与しそうです。今年のクルマはコンデション変化にも強そうだし、とても乗りやすく安定した仕上がりになっていると思います」とコメントしています。
辰己総監督は、「今年24時間レースで計画している機能やアップデートメニューは概ね実車搭載でき、機能していることが確認できました。コースコンディションは完全ではありませんでしたが、車両にはトラブルは全くなく、ドライバーも乗りやすいとコメントしているので、非常にバランスよく仕上げられたと思っています。ブレーキについては、ABSの制御ソフトウェアを変えたのと、小型高剛性のモノブロックキャリパーに変えたことが、ドライバーの好印象につながっている感じです。ロールセンターをあげたことで、細い径のフロントスタビライザーが使えるようになり、これも操安性向上に大いに役立っていますね。今回は(条件が合わず)タイムアタックできませんでしたが、ニュルの予選を想定したセットアップはほぼ固まりました。3月の開発テストでは、決勝レースのセッティングを決めておきたいと考えています。また、さらなるハンドリング改善のアイディアはまだまだあるので、時間が許せばそれらも試しておきたいですね」と語っていました。
3月の開発テスト以降は、マシンをドイツに向けて空輸し、4月25日・26日に現地で行われるニュルブルクリンク24時間レース予選レースに出場し、決勝レースに向けた準備を進める予定となっています。
【桂伸一氏、WRX STI 2016 NBRをテストドライブ】
富士スピードウェイで行われたテストセッションには、今年のNBRチャレンジ車、BRZ GT300の他にもう一台のWRX STIレースカーが運び込まれました。2016年のニュル24時間を走りクラス優勝を果たしたWRX STI NBRです。自動車専門webメディアのRESPONSEの取材で、モータージャーナリストでニュルブルクリンク24時間レースへの出場経験も豊富な桂伸一さんが同車をテストドライブしました。桂さんは、STIの辰己総監督とかつてチームを組み、レガシィRSで富士や筑波の耐久レースに出場した経験があります。5周ほど周回した桂さんは、「久しぶりのレースカーだったので、勘が戻るのに時間がかかりました。でも慣れてくると、とっても乗りやすいクルマ、操縦性が優れたクルマだと実感しました。ニュルでこれに乗れるSUBARUドライバーが羨ましいです」と話していました。桂さんのWRX STI NBR試乗記事は、3月上旬公開予定とのことです。お楽しみに。
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