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2017.05.30

SUBARU WRX STI、ポディウム逃す

2017年ニュルブルクリンク24時間レース

5月25日(木)~28日(日)にドイツ・ニュルブルクで行われた「ADAC Zurich 24H」(通称ニュルブルクリンク24時間レース)にスバルテクニカインターナショナル株式会社(STI 社長*平川良夫)が1台のSUBARU WRX STI(ドライバー: カルロ・ヴァンダム/マセール・ラッセー/ティム・シュリック/山内英輝)をエントリーし、SP3Tクラス(2リットル以下のターボ車)予選3位から決勝レースをスタート。途中クラス2位にあがり、トップの車両との間隔を詰めていきましたが、3位を走行中の28日12時半過ぎ、グランプリコース内で突然エンジンルームから出火。そのままリタイヤとなりました。
SP3Tクラスは、欧州の代表的2リットルターボ車など合計12台がひしめく激戦区であり、直近では2015年、2016年とSUBARUが優勝しています。2017年仕様のSUBARU WRX STIは、パドルシフトの採用などでラップタイムの短縮を狙ったモデルで、3月に富士スピードウェイでシェイクダウンを行なったのち、国内にて数回にわたる走行テストを実施。4月22日に当地で行われた24時間レースのための予選レース(6時間)に出場し、さらに5月15日にはニュルブルクリンクフルコースでのテスト走行を経て、万全の体制で5月25日からのレース進行に臨んでいます。

ニュルブルクリンク24時間レースは天候が不安定で、常に雨が降り、5月にもかかわらず気温が低いのが特徴のひとつでした。しかし、本年はレースウィークの始まりから好天が続き、気温も最高で27度にまで達していました。決勝レースが始まると、想定外の気温の高さにSUBARU WRX STIは悲鳴をあげ、オーバーヒート傾向によってセーフモードとなり、エンジン出力が上がらない症状が出ます。エンジン房内への導風などの対策で、その症状は落ち着き、夜間にはWRX STIは本来の速さを取り戻し、ライバル車の後退の隙にクラス2位に 浮上します。さらにクラストップの車両を追い上げるべくペースを上げて周回しましたが、14時間半が経過しようとする朝6時ごろ、グランプリサーキット内の上りコーナーで同クラスの車両に激しくヒットされ、その修復のために築き上げたマージンを使い果たしてしまいます。
ボディ左側を損傷しているものの、動力性能や操縦安定性には問題がなかったため、WRX STIは走り続けることとなりました。しかし、それから約6時間半後の12時30分過ぎ、カルロ・ヴァン・ダムが走行中に突然エンジンルームから出火。グランプリサーキットのコースサイドにレースカーを止め、WRX STIはその時点でリタイヤとなりました。ヴァン・ダムは、「第1コーナーを回り、2速から3速へシフトアップしたところで突然出火しました。兆候はありませんでした。左側のドアがダメージを受けていて開けづらかったため、僕は右側から脱出しました。ご心配かけましたが、怪我はありません」と話しています。

STIチーム監督の菅谷重雄は、「昨年我々自身が立てた目標がクリアできなかったので、それにあうクルマ、ディーラーメカニックも含め新しいプロジェクトメンバーで今年のNBRチャレンジに挑みました。なんとかクルマを間に合わせ、新たなチャレンジについてはある程度の手応えをもって今週のレースに臨むことができました。結果は、あってはならない火災で終了ということになってしまいました。クルマのパフォーマンスはある程度検証できたし、進化は確認できました。しかし、この結果を招いたのは、どこかに見落としや思い込みがあったからかもしれません。今後またチャレンジできるなら、未達成の目標をクリアできるよう組み立てて、この地に立ちたいと思います」

2017年ニュルブルクリンク24時間レースのレースレポートはこちら

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