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RALLY OTHER
2019.11.21

SUBARUファンと過ごしたウイークエンド

ペター・ソルベルグの来日で盛り上がったイベントの様子をお伝えします

2003年のFIA世界ラリー選手権ドライバーズチャンピオンとなったペター・ソルベルグが来日していたのは既報のとおり。あらためて彼の功績を振り返るとともに、来日した週末の様子をご紹介していきましょう。

ペター・ソルベルグは2000年からSUBARUワールドラリーチームに加入し、2008年のシーズン終了まで8年間チームに在籍しました。その間に挙げた勝利は実に13回にのぼります。WRC初優勝を挙げたのは2002年の英国ラリーGBでした。当時ソルベルグのチームメイトはトミ・マキネン。1996年から三菱で4年連続のWRCドライバーズチャンピオンに輝き、2002年からSUBARUワールドラリーチームに加わったトップドライバーです。その彼とともに戦い、多くのことを学んだソルベルグは、翌年からチームのエースドライバーに昇格します。

ソルベルグは2003年のWRC最終戦を制して念願の世界タイトルを獲得し、2004年に初開催されたWRCラリージャパンでも優勝。持ち前の明るい笑顔とファンサービスで多くのファンを虜にしてきました。2008年以降は世界ラリークロス選手権に参戦し、2度の世界チャンピオンを獲得するなど、モータースポーツへの飽くなき情熱は、多くの人の心に響いたに違いありません。そして2019年の4月、トップレベルのモータースポーツから引退する旨を発表。最後に参戦したWRCではクラス優勝を飾るなど、衰えることのないスピードを示してみせました。
ソルベルグが来日するのは2010年のラリージャパン以来ですが、その人気は今なお健在。行く先々でサインを求められ、そのたびに足を止め、にこやかに応じる姿はまさに世界チャンピオンの余裕を感じさせるものでした。STIギャラリーを訪れた翌日の9日(土)は午前中に『セントラルラリー愛知・岐阜2019』の観戦エリアとなっている愛知県岡崎市の岡崎中央総合公園へ。現在はトヨタWRCチームで監督を務めるトミ・マキネンとともに、大勢のラリーファンに囲まれてのトークショーを行い、スペシャルステージではトップドライバーの走りを見学しました。その後ソルベルグはすぐに新城市へと移動し、『WRXファンミーティング2019』に合流。SUBARUのレーシングスーツをまとったソルベルグは以前と変わらず精悍で、万雷の拍手を受けてステージに迎えられたのでした。さらにトークショーではサプライズゲストとしてマキネンが登場。会場に集まったファンにとっては2002年、2003年のSUBARUワールドラリーチームで戦ったドライバーがそろう、貴重な時間となりました。
トークショーではSUBARU時代の思い出や、WRXやEJ20の運動性能について、WRCのモータースポーツ活動で培われたノウハウが活かされている点、WRCでの様々なエピソードが披露されました。そして平岡泰雄STI社長から、ソルベルグのトップレベルのモータースポーツからの引退に際して、「私たちSUBARUとSTIはあなたとともに、WRCを戦うことができ大変誇りに思っています。現役引退を迎えるあなたの長年の功績を讃え、ここに感謝の気持ちを贈ります」と英語で挨拶。青い花束が贈呈されました。ソルベルグは、「これだけ多くの人に集まっていただき最高です。スバルとSTIがなしてきたこと、それはこの素晴らしいクルマに対する情熱を失うことなく、多くの人々に喜びをもたらすことでした。みなさんから長年にわたる応援をいただいたことも、素晴らしいことだと思います」と、ファンへの感謝を語りました。
ソルベルグは来場者との全体記念写真の撮影を経て、いよいよスペシャルランへ。用意された車両は、2019年の全日本ラリー選手権で新井大輝が使用していた左ハンドルのGRB型WRX STIです。往年のSUBARUワールドラリーチームのカラーリングが施されてはいるものの、ソルベルグがこのクルマに乗るのはこれが初めて。しかしコースをわずかに走っただけで、ソルベルグはWRX STIの挙動を把握し、完璧にコントロール。一度も失敗することなく、広いとは言えないコースで何度もドーナツターンを繰り返すなど、世界チャンピオンのテクニックにその場の全員が圧倒されました。さらに往年のトレードマークでもあったハコ乗りも披露し、会場を沸かせます。最後は使っていたグローブをギャラリーにプレゼントするなど、エンターテイナーぶりを発揮。見る人すべてを笑顔にする力をもった、SUBARUワールドラリーチームのエースがそこにはいました。その後もソルベルグは報道陣の取材に応え、会場に展示されたかつての愛車を眺めたり、ファンとの交流を楽しむなど、日が傾くまでWRXファンミーティングの雰囲気を堪能しました。
翌10日(日)にはセントラルラリー愛知・岐阜2019の拠点となっている長久手市の愛・地球博記念公園(通称モリコロパーク)へ。午前中にはWRXファンミーティングで使用したWRX STIを駆ってモリコロパーク内の特設コースでデモンストレーションランを披露。コースの途中でドーナツターンを行うなど、集まったラリーファンを驚かせるなどファンサービスにも余念がありません。サービスではSUBARUドライバーの新井敏弘、勝田範彦、鎌田卓麻らのテントを訪問し、イベントステージでは再びマキネンとのトークショーを行うなど、多忙なスケジュールをこなしました。サインのリクエストにも常に笑顔で応じ、より一層ファンの数を増やした週末となったのではないでしょうか。

また、今回は残念ながら息子のオリバーは来日できませんでしたが、2019年はWRX STIを駆ってアメリカのラリーに参戦していました。SUBARUのモータースポーツストーリーを語るうえで欠かせないふたりが、そろって日本のファンの前に姿を見せてくれる日を楽しみに待ちましょう。
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