STIのドライバーである井口卓人と山内英輝は、普段の足として共にSUBARU車をドライブし、さらに自分流にアレンジして気に入った仕様に仕上げている。井口はレヴォーグ 2.0STI Sport EyeSightのCVTスポーツリニアトロニックとBRZ GTのマニュアル車、山内はWRX S4 2.0GT-S EyeSightのCVTスポーツリニアトロニックだ。前回のインタビューでもお分かりのように、ふたりにはメカニズムの知識もあるが、クルマのメンテナンスに関しては「プロに任せている」という。ふたりの言うプロとは、SUBARUのディーラーメカニックだ。

「僕には神奈川スバルさんにスポンサーしていただいているので、自宅から第三京浜を使って新横浜のお店で面倒を見てもらっています。以前からお付き合いもありますし、メカさんも顔なじみですから、オイル交換からちょっとした相談などお任せしています」と山内。井口も「僕も東京スバルさんにスポンサードしていただいているので、恵比寿や三鷹のお店でお任せです。恵比寿には山ちゃんがニュル24時間(NBR)に出場したときにディーラーメカとして参戦した佐久間さんもいらっしゃいますし、BRZも安心して預けています。やはりディーラーのメカさんたちはSUBARU車のプロですから、本当に安心です。僕もクルマはいじれますが、時間的に厳しいし作業のできるガレージを持っているわけではありませんし」と、ディーラーに任せているようだ。

井口はメンテナンス面で、レーシングカーと同じコーティングを施しているという。「GTに参戦しているBRZはもちろん、NBRのWRXにもコーティングされている『チューズナノテック』をレヴォーグにも施してもらっています」。山内が「レーシングカーも卓ちゃんのクルマもめちゃくちゃきれいなんですよ。ボディをさわってもツルツルだし、ツヤもすごいんです。僕もお願いしたいんです」と羨ましそうに口を挟む。「まず水の弾き方が違うし、レースカーにはフェンダーの内側にも塗ってあるんですね。するとインナーフェンダーにタイヤ片が付きにくくなる。つまり滑りが良いのでくっつきにくくてきれいなんですよ。だからメカさんたちも作業が楽ですよね。もちろん僕が今乗っているクルマもケアが楽です。もしかしたらホイールにも塗ってあるのかもしれません。ブレーキの粉などつかないし。レーシングカーについては、空気の滑りも良いので抵抗も減ってるようです。体感できるほど僕は繊細ではありませんが」と井口は笑う。「『チューズナノテック』の社長さんは元々は地元の方で個人的に応援していただいたのですが、レース車にも効果があるということでSTIのテクニカルパートナーになられて、今はGT500の車両にも施工されています。スポンサーさんの応援はとてもありがたいです。これも何かのご縁ですよね」

さて、最終戦ということでふたりには今年を簡単に振り返ってもらった。 「こういう年もあると思うし、今年経験したことを生かして未来につなげないといけないと思います。そうじゃないと今年経験したことがすべて無駄になると思うので、いかにプラスに捉えて進むかが大事です。失敗というのは挑戦していれば必ず起きるので、これをいかに変えていくのかが大事だと思います。常にプラス思考で来年につなげて頑張りたいです」と山内。「浮き沈みの多かったこのシーズンでしたが、常にSUBARUのファン、つまりスバリストは成績が悪い時にすごく応援してくれたので、僕たちも頑張れたし、チームも立ち直ることができました。改めてスバリスト、SUBARU応援団の一体感と心の強さを感じる一年でした」と井口。「一年間の応援ありがとうございました！」とふたりは口をそろえた。