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NBR
2020.12.07

SUBARU WRX STI NBR、ウィンターテストも順調

富士スピードウェイ走行テスト

12月4日(金)、富士スピードウェイにて、SUBARU/STIチームによるWRX STI NBRの走行テストが行われました。今回は、2021年6月3日(木)から6日(日)にドイツで開催される第49回ADACニュルブルクリンク24時間レースに出場予定のこのマシンの性能開発を目的とした走行テストで、特に低い気温、路温下でいかにタイヤ性能を引き出すかを主眼に置いたテストとなりました。今回のテストには、ドライバーとして山内英輝が参加しています。
この日の富士スピードウェイは晴天に恵まれ、気温は最高で13度程度とのことでしたが、日差しが暖かかったため体感的にはもう少し高めに感じるほど。しかし、時折冷たい風がコースに吹き付ける中、良い条件でテストは実施されました。STIの辰己英治総監督は、「ニュルは6月であっても夜間は10度ほどに気温が下がり、路面も相当冷えます。一方日中の気温は25度を超えることもあり、条件の差が激しいのが特徴です。しかもレースウィーク中に一度は冷たい雨が降り、しかもそれがコース全長の一部分だけだったりします。そんな中、どのような条件下でもタイヤ性能を適正に引き出さないと目標とするラップタイムで周回するのが困難なのです。そこで着目したのが、ホイールの役割です。以前マグネシウムホイールを使ったことがあるのですが、剛性が高すぎるので、車体全体をしならせながらタイヤの接地性を保とうとする私たちのクルマにはマッチしませんでした。現在は鍛造アルミニウム製を使っているのですが、十分軽く、それでいて適度にしなる良いホイールをBBSさんからご提供いただいています。昨年来、いかにタイヤ全体に熱を入れ、適正なグリップ感を得るかを考え続けていたのですが、今回の試験はホイール側で仕様違いをご用意いただいたので、フロントとリアで何パターンかを組み合わせ、ベストなマッチングを探ろうとしています」と事前に語っていました。
テスト走行は、午前中に30分のセッションを2回、午後40分を1回走る計画で、ホイールの組み合わせのほか、リヤウイング角度やフロントバンパーにつけているカナード(空力的付加物)などを調整し、フロントとリアのダウンフォース配分をコントロールするテストも合わせて実施されました。ホイールのテストでは、タイヤ性能がしっかり発揮されるかはもちろんのこと、グリップの維持性能についても見る必要があるため、ある程度の連続走行が必要となりました。
テスト走行を通じて、ホイールは想定通りの組み合わせがベストマッチであることが立証されました。組み合わせのバランスが合っていないと、例えばギアのダウンシフトがスムーズでなくなるような現象が起きます。ベストな組み合わせではそのような症状はすっかり消えています。ホイールの工夫でトランスミッションにまで影響があるのは不思議な気がしますが、ロードカー同様にレースカーもバランスが大事だと言うことがわかります。ドライバーの山内も、「(ベストマッチング時の)クルマはとってもよいバランスです。10月に久しぶりにこのクルマに乗った時より、進化していることを体感できました」と語っています。
辰己総監督は、「予想通りの結果となりました。ニュルで使う予定のホイールを加工していただく必要があるので、BBSさんにはご苦労をかけますが、クルマ全体としてまたひとつ改良が進みました」とテスト結果に満足の様子です。今後の予定について、STIの沢田拓也監督に伺うと、「ドライバーはフロントのダウンフォースがもう少しほしい、と言うのでその対策を用意します。コロナ禍の影響がこのあとどのように作用するかはまったく予想できず、クルマを航空便でドイツに輸送するのは少しリスキーなので、例年よりも早めの輸送準備を予定しています。年明けにはどうするかを決めないといけないのですが、遅くとも4月中旬までにドイツに到着させるためには2ヶ月ほどのリードタイムが必要だと考えています。その上でニュルで行われる6時間のQFレースに出場して、24時間本番を待つという例年の流れに乗せないといけませんから」と返答が返ってきました。
冬の間もNBRマシンの進化は続いています。今年は残念ながら参戦中止となりましたが、来年はより強いWRX STI NBRがニュルブルクリンクで活躍することを期待しましょう。
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