2020.03.16
SUBARU BRZ GT300、岡山公式テストはトップタイム
SUPER GT開幕前公式テストレポート
例年であれば「ファン感謝デイ」として多数のレースファンで賑わうこの公式テストは、新型コロナウィルス感染拡大抑止のため、無観客で実施されました。初日は時折雨が降る中、路面コンディションが刻々と変化する難しい状況でしたが、二日目の日曜日の朝方はコースは湿った状態だったものの、その後ドライとなりました。しかし、両日とも気温は低く、二日目は気温8度、路面温度10度という状態で、どのチームもタイヤの温度が上がらず苦慮していたようです。
本年からGT500車両が全車新車となり、GT300のマシンにも新顔が増えました。それらの車両と共にテスト走行することで、実際のレースコンディションに近い状態で周回を重ねることができます。中にはルーキードライバーも参加しており、彼らの技量チェックもこのテストセッションで実施されます。また、他のスポーツカーレースでは既に取り入れられているFCY(フルコースイエローコーション)が本年からSUPER GTでも採用されることとなり、そのテストもセッションの合間に行われました。FCYが各ポストで提示されている間、全てのGTレースカーは80km/hで走行しなければなりません。もちろん追い越し禁止です。
井口卓人と山内英輝でドライブするSUBARU BRZ GT300は、二日間合計で約9時間用意されたテスト枠を使い、セットアップを進めました。2月26日に富士スピードウェイでシェイクダウンを行ってから、この週末までにはABSの制御ソフトウェアのアップデートを実施。フロントサスペンションのジオメトリーを小変更しています。しかし、持ち込んだ開幕戦用タイヤの温度レンジがコンディションにマッチしておらず、SUBARUドライバーのふたりはタイヤグリップ不足に悩んでいました。それは、変速時のクラッチ操作にも影響します。クラッチを繋ごうとすると、タイヤが空転し車体が思わぬ挙動となるからです。チーム総監督のSTI渋谷真は、「タイヤがコンディションにあっていないので、いろいろと問題はありました。変速時のクラッチ操作を難しくしているのも同じ理由です。しかし、それ以外のメカニカルなトラブルはありませんでしたし、ABSの制御も予想通り機能しています。ドライバーには慣れてもらわないといけないですが、これは武器になると思います。富士でのシェイクダウンでは軽量ブレーキローターを試して、よい結果がでていましたが、岡山はもてぎの次にブレーキに厳しいコースなので、開幕戦は従来型ローターを使うことになると思います。また、ソフトタイヤで走らせたら、ポンとトップタイムが出たので、クルマのバランスは悪くないと言えるでしょう」と語っています。開幕戦までには、3月28日・29日の二日間に富士スピードウェイで公式テストが行われる予定となっています。
SUBARU BRZ GT300ドライバー井口卓人のコメント
「今回のテストは、気温が低くて難しいコンディションでした。しかし、最終セッションで使ったタイヤは、(このコンディションでは)ピークグリップは薄いものの、ロングランを走った印象ではグリップ低下が少ない印象でした。それは決勝レースに向けては、強みになると思います。岡山はタイヤ表面がささくれてしまう現象に悩むのですが、それが少なかったのも好印象です。クルマ全体の印象はとても良いので、レースが楽しみです」
「今回のテストは、気温が低くて難しいコンディションでした。しかし、最終セッションで使ったタイヤは、(このコンディションでは)ピークグリップは薄いものの、ロングランを走った印象ではグリップ低下が少ない印象でした。それは決勝レースに向けては、強みになると思います。岡山はタイヤ表面がささくれてしまう現象に悩むのですが、それが少なかったのも好印象です。クルマ全体の印象はとても良いので、レースが楽しみです」