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NBR
2020.10.20

2台のSUBARU WRX STI NBRが富士を疾駆

WRX STI富士スピードウェイ開発テスト

10月19日(月)、富士スピードウェイに久しぶりにSUBARU WRX STI NBRのエキゾーストサウンドが響き渡りました。この日、スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は、本年のNBRプロジェクトのためにサポートを提供していだいたパートナー企業、スポンサー各社、サプライヤーご担当者をお招きし、本年のニュルブルクリンク24時間レースに出場するために開発されたWRX STIの開発テストをお見せしました。
コロナ禍によって3月に予定されていた公式シェイクダウンが中止となり、さらには5月から9月末に延期されたニュルブルクリンク24時間レースへの出場もキャンセルとなっていたため、WRX STI NBRが富士スピードウェイを走るのは、実に7か月ぶりのこととなります。今回のテストは、2021年の同レースに向けた開発テストと位置付けられ、2時間の専有走行枠をフルに使ってデータ収集などが行われました。天気予報では、曇りから雨模様に変わると予想されていましたが、この日朝は冠雪した富士山が姿を見せ、ドライコンディションのもとでテストが実施されました。
NBRプロジェクトにご協力いただき、この日ご来場いただいたパートナー、スポンサー、サプライヤーのご担当者は、19社25名でした。この中から選ばれた12名の皆さんは、山内英輝、井口卓人のNBRドライバーがドライブする2016年仕様のWRX STI NBRのパッセンジャーシートに乗り込み、同乗走行を体験されました。テストに先立ち、STIの平岡泰雄社長は、「皆様におかれましては、SUBARU/STIのNBRプロジェクトにおいて多大なるご支援をいただきながら、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて計画がキャンセルとなり、大変申し訳ないこととなりました。本日は、せめてNBRに向けて準備していたレースカーの走りを見ていただき、一部の方々には2016年仕様のNBRレースカーの同乗走行を体験していただき、今後も変わらぬサポートをお願いする次第です」とイベントの趣旨を説明しました。
テストは、最初の1時間を山内が2020年仕様をテストドライブし、井口が2016年仕様で同乗走行のドライバーを務め、次の1時間はそれぞれドライバーが入れ替わるという手順で実施されました。気温は17度で、専有テストの終盤に少し小雨がパラつきましたが、コースコンディションは終始ドライでした。テスト準備を指揮したチーム監督の沢田拓也(STI)は、「本当に今年は残念なことになりました。クルマは、4月には渡欧の準備が整い、輸送のために成田空港にまで運んでありました。しかし、その後政府の緊急事態宣言が出てクルマを群馬に戻した後は、私たちも在宅勤務となり、スタッフたちと顔を合わすことなく時間を過ごしていました。まだ事態の推移を見守っている段階で、確実に来年のニュルにいけることになったわけではありませんが、準備だけはしておかけなればならず、この開発テストを計画しました」と語っていました。また、ドライバーの山内英輝は、「久々のニュルカーでしたが、専有走行なので気持ちよく走れました。来年(のNBR参戦)はどうなるかまだわかりませんが、僕たちは自分たちの役割を果たすだけですので、テストがあればベストを尽くしてチームに貢献したいと思います」と語り、井口も「半年ぶりではありますが、2時間にわたってドライコンディションで走り込めたことはとても良かったと思います。来年のニュル出場に向けて、一歩前進したわけですから、もちろん希望やモチベーションは高まってきます。本日来られたパートナー様やスポンサー様にも同乗走行を楽しんでいただけたようで、僕たちも嬉しいです」とコメントしました。
辰己英治総監督は、「今回はホイールの試験も実施しました。これは将来に向けての新しい考え方なのですが、面白い結果が出ています。全体的には、7か月ぶりに走らせたので、セットアップは完全ではないものの良いフィーリングは掴めました。2時間を通して安定的なラップタイムで走れましたから。また、新たなアイディアをみつけたので、2020年仕様で準備していたことから、2021年仕様ではさらに一歩進めることができそうです」と語っています。この日2016年仕様のWRX STI NBRに同乗試乗した東亜工業株式会社の飯塚慎一社長は、「私もS208を所有しているのですが、WRX STIをこれほどよく走らせられるものかと、驚きました。私どももサスペンションの開発をやっていますので、開発のレベルを2段階ぐらいあげるべきだな、と改めて強く感じました。弊社では、このクルマ(WRX STI量産車両)のサスペンション周りのフレームやボディの骨格周りの開発を担当させていただいています」と笑顔で感想を語っていただきました。
来年のニュルブルクリンク24時間レースは6月に予定されています。
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