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NBR
2023.01.11

SUBARU NBRチャレンジ2023、参戦車両をお披露目

NBRチャレンジ2023

スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は、12月15日に富士スピードウェイに自動車メディア、テクニカルパートナー、スポンサーを集め、2023年のニュルブルクリンク(NBR)24時間レースに出場する新開発のSUBARU WRXレース車のお披露目を行いました。
説明会の冒頭、STIの平岡泰雄社長は、「このたび2023年のNBR 24時間レースに出場する新型車両および新しいパワーユニットの準備が整いましたので、本日お披露目申し上げます。2022年の同レースは、残念ながらリタイヤに終わりましたが、2023年は必ずや再びクラス優勝を達成し、チーム全員で笑って帰ってくる決意です」とご挨拶。続いて、来年も引き続きチーム総監督を務める辰己英治は、「引退を考えましたが、負け逃げは許さない、という周囲に押されて来年も総監督を引き受けることになりました。やるからには、クラスは異なるものの通算7勝目を記録したいと思っています」と語っています。
今回からこのNBRプロジェクトリーダーを務めることになった車体技術部の渋谷直樹から新型参戦車両などについて、説明がありました。その中で、車体は最新型のSUBARU WRX左ハンドル仕様車であり、新パワーユニットは2.4LシングルターボのFA24水平対向エンジンであることを明らかにしています。SUBARU独自の高剛性ボディであるSGP(SUBARUグローバルプラットフォーム)をベースに、SGPの優位性である「フロントからリヤまで荷重を効率的に伝達できるボディ」を活かしながら、「捻り剛性を上げ過ぎず曲げ剛性を向上させる」補剛を施しており、大型ターボを採用することで約380PSにパワーアップしたFA24型直噴エンジンは、レース専用設計のピストンやコンロッドなどを組み込み耐久性・信頼性を向上させています。車両パッケージは、幅広タイヤ+11Jホイール、専用サスペンション、AWD制御技術など2022年モデルまでに熟成を重ねた車体技術を踏襲し、SGPボディとFA24直噴エンジンをマッチさせることで、さらにレースパフォーマンスを深化させているとのことです。2022年レースで発生しリタイヤの原因となったフロントサスペンションのロワアームボールジョイント破損トラブルは、同部品のサイズを大型化しさらに厳格なライフ管理を実施することで解決済みと説明されました。また、外観デザインと空力性能を両立させるため、SUBARUデザイン部と連携し、完成度の高いボディシルエットを実現しています。また、拡幅フェンダーを強調することでAWDマシンの力強さと量産車技術を基盤としていることを表現。また、車体の各部に黒色のカーボン素地を残すことで、NBRレースカーとしての存在感を強調しています。タイヤは、従来同様ファルケンタイヤを採用しています。
渋谷プロジェクトリーダーは、「このクルマで、2023年4月のNBR予選レースを経て5月18日から21日のNBR 24時間の本番に挑みます。目標は、ベストラップタイム8分51秒を達成し、2L以上2.6Lまでのターボ車が出場できるSP4Tクラスのポールポジションを狙います。決勝レースでは、クラス優勝はもちろんのこと、上位ターボ車クラスのSP8Tクラスをも凌駕するパフォーマンスを発揮するのが目標です。SUBARU/STIファンのため、勝つことでSUBARU車の走りの確かさをお届けするのが参戦目的であり、人材育成や技術開発を推進し、ファンコミュニケーションを強化します」、と力強く語っています。
なお、11月12日に栃木県のスバル研究実験センターで行われたディーラーメカニック選考会で選出された8名のSUBARUディーラーメカニックがチームに合流。座学と実際に車体に触れる研修を受けています。彼らは、STI社員チームと共に5月中旬に渡独し、NBR 24時間レースを共に戦うことになります。また、この日、開発ドライバーを務めたSUBARUレギュラーの井口卓人、山内英輝および2022年NBRレースに出場した佐々木孝太の3名が、交代で新型NBRマシンをドライブ。正式なドライバーラインアップは、後日発表となります。
SUBARUモータースポーツマガジンでは、このSUBARU WRX NBRチャレンジマシンの開発ストーリーを順次掲載する予定となっています。お楽しみにお待ちください。みなさん、今年もご愛読ありがとうございました。来年2023年もどうぞよろしくお願いいたします。良いお年をお迎えくださいませ。
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