NURBURGRING 24H RACE

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2023.10.02

【NBRディーラーメカニック派遣を通じて学んだこと、気づいたこと】

2023年のニュルブルクリンク24時間レースは、新型WRX S4ニューカーでのチャレンジとなりました。STIとしては長いNBRチャレンジの経験があっても、常にニュルは新しいものに厳しい場所です。それでもマシンは、旧モデルより速くなり、ドライバーたちも走りには満足していると言っていました。ところが、スタートから14時間後に大きなトラブルが発生し、ディーラーメカニックたちは力を合わせて修復に当たりました。そんな経験を共にした8名のディーラーメカニックからのコメントが届きましたので、ご紹介しましす。
北海道スバル 茅ヶ迫 雅弘
ドイツでの10日間は本当に毎日が楽しく刺激的な日々で、あっという間に過ぎました。その中でもデメカの仲間やSTIスタッフの方々とコミュニケーションをとり、チームとして仲間として信頼関係を築いたこと、一体感を持って本戦のレースに臨めたことが、緊急ピットインでの作業に活きたのだと今はそう感じています。実際緊急ピットインの時には、状況を把握するまでに時間がかかりましたが、STIスタッフさん達の動きをみて自分のできることをやらなくては、と回りをみて冷静になれたのもチームとして一体感があったからだと思います。デメカ同士でも声をかけ合いながら、報告しながらしっかりと連携できたことでよりいっそう絆を深められたと感じます。今は、終わってしまった喪失感は多少ありますが、最高の仲間とニュルブルクリンクで最高の経験が出来たことに自信を持ち、すべての関係者の方々に感謝でいっぱいです。今後については、まずはNBRで体感したことをたくさんの人にしっかり伝えていく活動をしたいと思っています。
山形スバル 鈴木 亮祐
選考会で私の名前が発表された時は、心から震え、涙が溢れました。勝つために一切の妥協をしない姿勢は、普段の店舗業務にはない刺激的な体験でした。私がニュルでの10日間を通して多く学んだことは、他のディーラーメカニックのコミュニケーション能力の高さです。個人のスキルが高くてもレースに勝てない事を皆がよく理解をしていたと思います。また、今回のレースで、ディーラーメカニック8人が生涯忘れる事のない苛烈な体験があります。それは4時間半におよぶ大修理でした。ディーラーメカニックとしてお互いを信頼できる関係が築けていたので、8人が協力し合い下回りの修理を迅速に行うことができました。再スタートできた時は、両サイドのピットからも拍手が沸き起こり、そこにいたメンバー全員が感極まり、モ-タースポーツの魅力を強く感じた時でした。その後、二次不具合もなく、ドライバーからも感謝の言葉を頂いたときは、お互いのチームプレーを称え合いました。この体験を今後店舗で展開していきたいと思います。
宮城スバル自動車 高橋 和也
日常業務でもそうですが、レースではなおさら事前準備が大切です。考えられるトラブルをすべて想定して、部品の準備や気持ちの準備をしておくことが大事だと感じました。現地ではシェイクダウン以来久しぶりにレースカーに触れ、仲間全員で確認を行いました。細かな確認事項はその場で共有し妥協が無いよう準備を行いました。しっかりと話し合いお互いを気遣う事によりチームとして絆が深まっていったと思います。レースが始まるとトラブル等も多少ありましたが、その都度チームで解決していきました。そして、14時間経過後の緊急ピットインでエンジン交換と足回り交換が始まりました。初めは何をしたら良いか分かりませんでしたが、落ち着いて周りをしっかり見て状況を把握し、お互いに声を掛け合い作業しました。何時間も続く作業の中で誰一人弱音を吐く人はなく、必ずレースに復帰すると確信していました。結果は、惜しくもクラス2位でしたが、大きな目標である完走を果たせ、チーム全員で喜びを分かち合えることが出来ました。
福島スバル自動車 柳沼 陽一
STIのキャッチフレーズに、「自らが主体性をもって 心を一つに」とあり、何も知らなかった私は かっこいいフレーズだなとしか思っていませんでした。しかし、レース準備や決勝レースを経験して「心を一つに」ということがいかに重要であるかを実感しました。準備期間の時から様々なスタッフが立場関係無くコミュニケーションをとり、予選が始まってからは 「スバルが世界を相手に勝つ」 という大きな目標に一丸となって向かっている所を目の当たりにして、自分の心に深く刻まれたのを覚えております。店舗に戻った日常業務でも、「自らが主体性をもって、心を一つに」ということを忘れず、店舗全体、会社全体に伝えたいと思いました。そして、NBRで培った技術力や「迅速、安全、丁寧、確実」ということを、お客様に伝えたいという気持ちの変化が現れたことに自分でも気付きました。NBRを通じて、共通する大きな目標は、「スバルが勝つ」ということ、「全世界のスバルファンのために」ということ、そして「心を一つに」という3つのキーワードが重要だと感じました。
富士スバル 大塚 靖久
選考会で選ばれた喜びは、NBRレースに参加することが自分自身の長年の目標であったことはもちろんですが、何よりこれまで関わってくださった富士スバルのスタッフ全員に恩返しができたことが何よりの喜びでした。24時間レースは、事前に予想していたよりもはるかに車両はもちろん人にとっても非常にタフなレースでした。大きなトラブルがありながらも無事に完走できたのは、多くの人の技術・経験・時間・努力・思い・応援があって挑んでいるレースの車両を、ドライバー、STIスタッフ、スバルスタッフ、ディーラーメカニック全員が力を結集しその大切な一台を最後まで走らせるため取り組んだ結果であります。また、2023年のNBRチャレンジでしか経験しえないとても価値のある完走でした。憧れであった舞台でチームスタッフ一丸となり、自分の力の限りを尽くせた経験は大きな自信と財産になったとともに、レースで培った技術が市販車や次期NBRチャレンジマシンへ引き継がれていくのだと考えると、その活動の一部に関われたことを誇りに思い、感謝しかありません。 
千葉スバル 佐藤 晃太
NBRから学ぶことは非常に多かったです。技術だけでなく、ひとりの人間として学びがありました。モチベーション維持、オンオフの切り替え、一緒に働く仲間へのリスペクトなどなど。STIやドライバーの方々、他のデメカメンバーからも、とても多くの事柄や心構えなどを教わりました。現地では、この経験を1秒も無駄にしたくないという気持ちで日々を過ごしました。レース中に印象に残ったことは、緊急ピットインの時に誰一人として焦ることなく、活動していることにとても驚きました。普段の仕事だと緊急時には誰しもが冷静でいられないと思うのですが、レースでは冷静に黙々と自分の最善の動きをしていました。レース後考えたのですが、関わるみんなが車両をコースに戻したいというベクトルで一致していたからだと思います。日本に帰って来てから特に気持ちの変化を感じており、今回のNBR派遣を思い出で終わらせずに、この経験を会社や後輩やお客様に還元したいと思うようになりました。まずは、後輩育成に努めたいと思います。
東京スバル 三井 雄太
24時間レースは、それまでの味わう事の無かった雰囲気でしたが、不思議と自分の中では適度な緊張感を感じながら上手く役割をこなす事が出来たと思います。その理由は、今まで培ってきた技術を信じていた事と上司からのアドバイス、そして現場のスタッフの全員が一致団結していたからだと思います。レースではドライバーとの距離感が近く自分の作業を信頼して命を懸けて走ってくれている姿を見ると、絶対にミスは出来ないと感じました。普段の業務でお客様のクルマを作業する時も命を預かる事を意識していましたが、今回の経験で一層その気持ちが強まりました。今回特に印象に残った事は、長いピット作業を終えてマシンが再び走り始めた時の周りからの歓声が、メカニックとして一番の賛辞に感じ目頭が熱くなりました。私は、今回のNBRディーラーメカニックの中で最年長の41歳です。もし年齢が気になって一歩が踏み出せない方には、是非ともチャレンジしていただきたいです。そのために行ってきた努力は、確実に普段の業務の中でも活かせると思います。
京都スバル自動車 中西 慶光
メカニックとしては、これ以上ない経験が出来たと思います。トラブル発生の際、全国トップレベルのメカニックが集まれば、誰が言ったわけでもなく、WRX S4をコースへ戻す為に動き出しました。誰1人として諦めずに。長い時間の重整備を含めて車両を修復すれば、言葉も通じない土地でも人々に感動を与えられると感じました。SNSなどでも、日本国内から応援し感動して下さっている方々のコメントを目にしました。自動車整備がこんなにも人々の心を動かせるのだと初めて気づかされ、この気持ちをもっと多くのメカニックに味わって欲しいと思いました。目標であったNBRは次第に通過点へと変わり、次のNBRメカニックを育て、スバルチーム全体がそんなメカニック達で溢れたら・・・と思います。持論ですが、クルマや機械のことだけを考え、その最善手のみを目指す“整備士”では生き残れないと思っています。そのクルマに乗るお客様のことを考え、いくつかの好手を提案できる“サービスマン”でありたいと考えています。
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