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NBR
2023.12.22

「SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2024」、富士SWでシェイクダウン

2024年のニュルブルクリンク24時間レース

スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は、12月21日(木)に富士スピードウェイにて2024年のニュルブルクリンク24時間レースに出場する「SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2024」シェイクダウンテストを行い、メディアやパートナー各社に同車のお披露目を行いました。
メディアブリーフィングの冒頭、平岡泰雄STI社長は、「2023年の24時間レースには必勝体制で臨みましたが、目的を果たせませんでした。発生したトラブルをレース後に検証し、信頼性を徹底的に鍛え上げました」と話し、意気込みの高さをアピール。続いて、辰己英治総監督を筆頭とするチーム運営体制が発表されました。それによると、チーム監督にはこれまで通り沢田拓也が務め、本年はプロジェクトリーダーであった渋谷直樹が技術監督となります。また、チーフエンジニアは引き続き宮沢竜太が担当するとのこと。その他各領域に若手を中心としたSTI社員が、主要スタッフとして現地に赴く予定となっています。また、11月に実施した選考会により選抜され、現地に帯同する全国のスバル特約店所属の精鋭ディーラーメカニック8名が紹介されました。
SUBARU WRX S4をベースとした新型レースカーを投入した2023年のニュルブルクリンク24時間レースは、フロントスタビライザーブラケットやエキゾーストパイプにトラブルが発生し、サスペンション修復やエンジン交換のために多くの作業時間を費やし、狙っていたSP4T(排気量2.0L〜2.6L未満のターボ車)クラス優勝を逃しています。2024年車両は同じ車体を使い、不具合箇所を修正して本来発揮すべきパフォーマンスを適正にアウトプットすることを目指しています。具体的には、フロントスタビライザーブラケットの締結方法の改善、代替オルタネーターの採用とベルトレイアウト変更、エキゾーストパイプは耐高温性と強度に優れたインコネル系素材を使ったものに一新、エンジン冷却水経路の見直しとエアボリューム式タンクの採用などを盛り込んでいます。また、本年は控え気味なセッティングにしていたエンジンについては、ピストンリング、スタッドボルト、ヘッドガスケットなどに改良品を用い、本来の性能を余すことなく発生するようになっている、と説明がありました。
新たに盛り込んだ改良点としては、フロント部のダウンフォース増加を図るためアンダーパネル形状を改良し、先端部分をラウンドシェイプ化することで旋回性を向上させています。また、リヤウィングの翼端板を大型化し、トランクリッド後端にスポイラーを付加することで走行安定性を高めています。また、エンジンフードのエアアウトレット、フロントフェンダールーバー、リアコンビランプ上部に空力的付加物を追加することで、空力バランスを改善しています。また、ホイールのリム形状に工夫を盛り込むことで、ハンドリング性能の向上を果たしています。これらの改良や適正化により、2024年のニュルブルクリンク24時間レースの公式予選では、目標タイム8分50秒とクラスポールポジションの獲得、決勝レースではSP4Tクラス優勝のほか、自己最多周回数145周の更新、上位ターボ車クラスのSP8Tクラスを含むトップ順位で完走することを目標としています。
また、沢田監督は、「ニュルブルクリンク24時間レースは、近年特に人気が急上昇しており、コロナ禍が明けた2023年大会には235,000人もの観客が当地を訪れています。また、STIが発信するSNSでは、他のモータースポーツカテゴリーよりもダントツで注目度が高く、海外からのアクセスも大きく増加しています」と語り、同レースに出場し続けることの価値について触れています。
辰己総監督は、「このクルマには、STIの若手技術者が様々な技術を投入しています。来年はなんとしてもクラス優勝を勝ち取り、それによってSTIの量産車技術が優秀であることを証明したいです」と語り、ブリーフィングを締めくくりました。
 
この後のスケジュールとしては、1月に開催される東京オートサロンにてドライバーラインアップを発表したのち、レース車両はスペア部品やツール類などと共にドイツに輸送され、4月第2週のニュルブルクリンク24時間レースに向けた予選レースに出場します。その後、チームは5月中旬にディーラーメカニック8名と合流して再度渡独し、5月30日から6月2日に行われる24時間レース本番に臨みます。
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