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NBR
2023.10.12

SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2023総括進む

SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2023

周囲の山木が色づき始めた10月某日、富士スピードウェイにて、スバルテクニカインターナショナル(STI)によるSUBARU WRX NBR CHALLENGE 2023の走行テストが行われ、2023年のニュルブルクリンク24時間レースの技術的な総括を行いました。
シャシー、エンジンともにブランニューの新車となり、久々のフレッシュスタートとなった本年のニュルブルクリンク24時間レースは、小さなトラブルはあったもののレース中盤までは快調に周回を重ね、目標としていたSP4Tクラス優勝に近づきつつあリました。しかし、14時間が経過した午前6時、マシンはコントロールを失ってガードレールにヒット。スロー走行でピットに戻ったものの、直接の原因となったフロントスタビライザーのブラケットボルト欠損のほか、エキゾーストパイプからの排気漏れによるエンジンパワーロスが発覚し、そこから4時間半に及ぶ修復作業が行われることとなりました。もちろん、このロスによって、はじめて挑むSP4Tクラス優勝は遠のき、周回数の記録更新も諦めざるを得ませんでした。しかし、大修復後にコースに復帰したマシンはクラス前走者を猛追し、レース後半には過去最速記録であった公式予選タイムをさらに1秒縮めるベストラップタイムを出しています。課題のひとつであったタイヤマネジメントも機能し、ドライバーたちからは速さと安定感に高評価を得ていたことは事実でした。
7月に日本に戻っていたNBRマシンは、今回のテストを前にオーバーホールを受け、特にフロントスタビライザーのブラケットには補強が施されています。ステンレススティール製エキゾーストパイプについては、温度変化による金属伸縮を吸収するための蛇腹部分からエア洩れしたことがわかっているため、この日には間に合わなかったものの別の仕様で対策しようとしています。さらに、エンジン冷却水の水圧が不安定だったことも解決できていなかったため、冷却水経路を変更する改良が実施されています。
この日は30分間のスポーツ走行枠を3本走って終了。対策箇所が問題なく作動していることを確認しました。昨年からこのマシンの開発・育成を担当しているテストドライバーの佐々木孝太は、「これまでは少し抑えている感じでしたが、エンジンのピックアップフィーリングが乗りやすくなっているのを感じます。シャシーのセッティングについては、まだ本年のNBR仕様のままですが、今後様々な改善が加えられると聞いています。今後がたのしみです」と語っています。総監督の辰己英治は、「今日は予定した試験を予定通りこなしました。ドライバーのフィーリングに近づきつつあるとのことなので、ここからは来年仕様の改良を次々に試していきます。来年のNBR車の改良も担当することになりましたので、やるからには、課題克服のために全力投球しますよ」、と話してくれました。
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