2025.09.06 - 全日本ラリー選手権第6戦 ラリー北海道 レグ1
新井敏弘が好走もエンジントラブルでリタイア

全8戦が行われる2025年全日本ラリー選手権は、この第6戦がグラベル2連戦の2戦目。北海道帯広市を拠点とする高速グラベルラリーは、例年どおり5日の夕方から帯広市駅前通りで行わるセレモニアルスタートで開幕。ラリーショーにはクルーにサインを求める多くの観客が長い列を作り、セレモニアルスタートでは、翌日から十勝地方に広がるスペシャルステージに挑む競技車を沿道から激励しました。また、ラリー開幕前には、新井と小坂は大会主催者が行った帯広市内の小学校で開催されたラリー教室に参加し、地元の子どもたちとふれあう時間も過ごしました。
競技初日の6日は、帯広市の北東部がラリーエリアに。帯広市の北愛国交流広場に設定されたサービスパークをスタートした後、SS1/7『PAWSE KAMUY(9.47km)』、陸別町にあるオフロードコースの陸別サーキットとターマック&グラベル林道を組み合わせたSS2/5/8『RIKUBETSU LONG(4.63km)』、大会最長のSS3/6『YAM WAKKA REVERSE(23.53km)』の8SSを、陸別サーキットに隣接されたリモートサービスパークを挟んで走行し、最後に北愛国のサービスパークでサービスを行う構成となりました。
4日の木曜日に行われたレッキではステージに雨が残ってぬかるんだ路面が延々と続くステージもありましたが、この日はステージが始まる頃には日差しが出始め、木陰には一部湿った部分が残るものの路面はドライとなりました。
■調子を上げてきたなかでエンジントラブルが発生
ラリーが始まると、SS1〜4は5番手タイムを並べ、SS5では4番手タイムと調子を上げて、JN-1クラス4番手で日中サービスに戻ってきた新井。午後のループ最初のSS6では、SS3番手タイムもマークするなど好ペースを発揮し、JN-1クラスの3番手につけ表彰台圏内に入ります。ところが、続くSS7でエンジントラブルが発生。競技続行は難しいと判断し、車両を路肩にストップし、リタイアとなってしまいました。

チームをサポートする嶋村誠は「詳細については、現在データを解析していますが、リタイアが続出する波乱の展開のなかで新井選手にはしっかり走っていただいていました。まずまずのタイムが出て、サスペンションの改良もうまくいっていただけに、残念です。シーズンの残りはターマック2戦となりますが、今回のサスペンションの改良がうまく機能したことが証明できたので、ターマックでも基本的に同じ考え方でセットアップができると思っています。エンジンのトラブルも大至急、原因を究明して、対応して臨みます」と状況を説明しました。

・嘉手苅拳人
・兵庫スバル自動車株式会社明石店 メカニック8年目
モータースポーツに関わることは、まったく初めてだという嘉手苅。スバルに入社しようと思ったきっかけがWRCだったことから、いつか何らかの形で携わりたいと思っていたのだそうです。
「同じ会社の先輩がラリー北海道に参加されていたので、話を聞いて自分も応募しようと思いました。普段、関わっているWRXとは異なる競技車は、基本的にベースは一緒なのですが、競技車両という面で、普段見られない場所があったり、少し手こずる部分はあります。そうしたところは色々教えていただきながら、作業をさせていただきました。事前に、ある程度の準備や心積もりはしていたのですが、土曜日はサービスのために遠くまで移動したり、いろいろと大変ですね。サービスの作業では、右リヤを担当しましたが、土曜日の昼のサービスは、20分という制限時間のなかで、自分が決めた段取りのとおりにはやはりいかず、バタつくこともありました」
厳しい環境のなかで取り組むラリーのサービス作業を経験し、感じたことも大きかったようです。
「作業に携わらせていただいて、何より手際の良さや作業前の準備は、自分たちにもできる範囲で真似をしていきたいと思いました。手際よく、まず安全を第一に。予定を組んで進めていくようなことは、店舗に帰ってすぐに実践できるところだと思うので、仲間にも伝えられたらと思います」
今シーズンの全日本ラリーも、残すところあと2戦。次の第7戦は10月3日〜5日、愛媛県上浮穴郡久万高原町を拠点に開催される『久万高原ラリー』です。ポディウムを狙うSUBARU WRX VBHの熱き戦いに、応援をよろしくお願いいたします。