2025.07.05 - 全日本ラリー選手権第5戦 2025 ARKラリー・カムイ レグ1
初日に新井敏弘が奮闘。ポディウムも視野に

全8戦が行われる2025年全日本ラリー選手権は、シーズン後半戦に突入。第5戦は、北海道虻田郡ニセコ町を拠点とする今季最初のグラベルラリーです。5日の朝、サービスパークが置かれたニセコアンヌプリ国際スキー場の駐車場ではセレモニアルスタートが行われ、集まった多くのファンが、グラベル路面のスペシャルステージに挑む競技車を見送りました。
競技初日は、SS1/SS5『STREAM(11.04km)』、この日最長のSS2/SS6『ORCHID SHORT(12.55km)』、SS3/SS7『KNOLL(7.77km)』の3SSを、蘭越町内に新設された観戦ステージ、SS4『NEW SENMU(0.33km)』を挟んで2ループする7SS・63.05kmを走行する構成です。前日に行われたレッキでは一時小雨に見舞われましたが、この日は一日を通して晴天。路面はおおむねドライとなりましたが、木の陰など部分的に湿った路面が残る複雑なコンディションとなりました。また、砂利が少なく土が踏み固められた路面は轍ができやすいうえ、今回はクロスカントリー車両で争われるXCRスプリントカップ北海道が併催されていることから、2ループ目は車格の大きな車両が走行した後の深い轍が刻まれた路面を走る、ラフグラベルラリーならではの難しい要素も攻略しなくてはなりません。

シーズン前半戦は厳しい戦いが続いたことを受け、チームはサスペンションセッティングや車体剛性のバランスについて基本に立ち返り、SUBARU WRX VBHについてスーパー耐久のデータも顧みながらセットアップを施しました。サスペンションのストロークを伸ばし、事前のテストでも新井は好感触。そして迎えたSS1で5番手タイムを刻んだ新井は、ロングステージのSS6では4番手タイムもマークしました。ラリー全体では暑さや荒れた路面でコースオフやマシントラブルが続出。レグ離脱やリタイアなど多くの波乱が起こるなか、新井は大きなトラブルもなく走行を重ね、この日を終えて4番手まで2.8秒差、ポディウムまで12.0秒差と射程に捉えての5番手で折り返しました。
タフな一日を走り切った新井は「荒れた路面では差が開いてしまう部分はありますが、クルマには大きな問題はありません。グラベルに対して全体のパッケージがうまく噛み合った感じを受けています」と手応えを語っています。
競技最終日となるLeg2は、新設ステージのSS8/SS10『SUNFLOWER(16.01km)』、SS9/SS11『SUN-RISE(3.65km)』の2本を2ループする4SS・39.32kmが設定されています。ポディウムを狙うSUBARU WRX VBHの熱き戦いに、応援をよろしくお願いいたします。