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RALLY
2020.06.02

SUBARU Team ARAI、再始動準備中

SUBARUチームアップデート 6月1日

新型コロナウィルスの感染拡大については、産業界もスポーツ界も各方面で多大な影響を受けています。しかし、4月上旬に発せられた政府による非常事態宣言は、延長期限の5月末を待たずに終了となり、三密回避や移動制限など一定の制約を守りながら、日常生活は徐々に戻りつつあります。そんな中、全日本ラリー選手権で活躍する新井敏弘/新井大輝親子にインタビューし、自粛期間にどのように過ごしていたかなどを聞きました。
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「本来であれば3月上旬から様々な行事やイベント対応が始まり、全日本ラリー選手権も本格的なシーズンに入っていくところでした。しかし、このコロナ禍が巻き起こり、私たちも率先して感染拡大抑止の姿勢をとることになりました。5月末時点で群馬県内の感染者数はさほど多くないとはいえ、首都圏中心部と信越方面を結ぶ地理的な特性から、移動制限や外出制限をしなければ、感染は拡大してしまう危険性がありました。SUBARUの本社工場がある群馬県太田市と県庁所在地である前橋市のちょうど中間地点の伊勢崎市に私たちARAIモータースポーツのガレージがあり、緊急事態宣言下は営業を自粛していました」。
「その間は、体力を落とさないことは続けなければならず、そうは言っても外出自粛も励行しなければなりません。他人と交わる可能性の少ない夜間に自宅周辺をジョギングしたりはしましたが、スポーツジムも休業していたので筋力トレーニングは一切できません。なので、ネットでトレーニング機材を購入し、自宅で毎日汗を流していました。最小限のトレーニングはそれでカバーできたとしても、私たちドライバーに最も必要なのは運転感覚です。群馬県の緊急事態宣言が終了したのち、少し走りに行ってみましたが、やっぱり感覚がずれているのを実感しました。これから選手権の再スタートに向けてドライビングトレーニングに力を入れていく必要があると思います」。
「しかし、ラリー競技は主催クラブが地元自治体や警察に道路使用許可を申請し、許可を得てから管理団体のJAFに開催を宣言し、選手権のカレンダーに登録してもらう必要があります。JAF から6月いっぱいは全日本レベルの競技会は自粛するように通達されており、それが解けてからでないと選手権の再開は調整すらできないのです。しかも、サーキットと異なり、開催される場所が確定されないとそれに合わせたクルマ作りやトレーニングはできません。ターマックかグラベルかもわからなければ準備しようがないのです。夏の終わりから秋には選手権は再スタートできると予測していますが、実際はどうなるのか、関係諸団体との連絡を取りつつ、準備を進めていきたいと考えています」。
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「コロナの影響で様々な業種の人々が多かれ少なかれ支障を被っていますが、私たちドライバーも、社会の歯車のひとつとして同様に影響を受けています。ラリーでは競技中の長いステージでいつ、どの歯車がダメージを受けて使えなくなるかなんてわかりません。しかし、ひとつのギヤが壊れても他で補って最後まで走り切る工夫をするのがラリーです。今の状況と似ている気がします。だから、いつ終わるのかも分からないこの状況を憂いているばかりでは前を向く原動力にはなれないので、今は考え方を180°変えて精一杯学び、未来へむけての準備と割り切って、いつでも最大限のパフォーマンスが出せるように鍛錬しています」。
「SNSなどで他のドライバー達の活動を見ると、eスポーツに目を向け新しい環境にアプローチすることで勘を鈍らせないように工夫をするドライバー、身体的なトレーニングに一層力を注ぐドライバーなど、様々な形で皆努力しています。私は、小さい頃から身体を動かすのがとても好きだったので、最近は往復で90分ほどの山岳コースを週に2回ひとりでトレイルランしています。赤城山の鍋割という往復6キロほどのハイキングコースです。所要時間は6キロで約90分なので、どれほどコースがハードなのか、勘の良い方はすぐに気付くと思います」。

「全身の神経を最大限使うトレイルランニングは、個人的には最高のトレーニングだと思っています。走っているところは急勾配のきつい山岳地帯なのでもちろん足場は良くありません。目で見た箇所を的確に判断して手や足を思った位置にコントロールしないといけないので、末梢神経の隅々まで意識する必要があります。このトレーニングは、普段のステアリング操作やブレーキングの際に緻密なコントロールが必要な身体のセンサーを、常に鈍らないように研ぎ澄ましておく効果があります。体のバランス能力を養い、体幹筋力も同時に養うことができるので、最近は専らこのトレーニングをメインに行っています。空気の薄い高所での運動とも相まって心肺機能の向上にはもってこいです」。
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