2021.09.12 - 全日本ラリー選手権 第9戦 RALLY HOKKAIDO Leg2
サバイバルラリーを生き抜き、SUBARU WRX STI勢がダブル表彰台
2021年の全日本ラリー選手権第9戦RALLY HOKKAIDOは9月12日(日)の競技最終日を終え、SUBARU WRX STIの新井大輝/小坂典嵩が総合2位、鎌田卓麻/松本優一が総合3位となりました。

ラリー最終日はSS9~SS11の3SS、SS距離22.64kmという、例年のRALLY HOKKAIDOに比べればコンパクトな構成でしたが、この日の天候は雨混じり。路面コンディションは3SSともにウエットで、選手たちは気の抜けない戦いを強いられました。
前日のレグ1を終え、首位と9.2秒差の総合2番手につけていた2020年度王者の新井大輝は最終日の逆転を期していましたが、レグ1で悩まされたエンジン不調が完治せず、この日は我慢の走行となりました。一時は症状が悪化しリタイアも危惧される場面もありましたが、新井大輝の豊富な海外経験とこれまで幾多の激戦を戦ってきたWRX STIの堅牢さが活かされ、致命的なタイムロスなく最後までステージを走り切り、首位奪取こそならなかったもののポジションをキープして2位でフィニッシュしました。
ほとんどのドライバーがなんらかのトラブルに悩まされるサバイバルの様相を呈した今大会で、総合3番手につけてレグ2をスタートした鎌田はこの日もトラブルフリーで走行しました。SS9から総合2番手をいく新井大輝との差を少しずつ詰め、最終的には2.1秒の僅差で3位となり、新井大輝とともに表彰台に上がっています。
なお、土曜日のデイ1で車両出火によりリタイアとなった新井敏弘/田中直哉はこの日再出走せず。次戦以降の挽回を狙います。

4月の新城ラリー以来となる全日本ラリー選手権での戦いを総合2位で終えた新井大輝は「昨日からのトラブルが続いて、なんとかスタートできたという状況でしたが、フィニッシュまでたどり着くことができました。自分ではコントロールできない問題だったのでもどかしいですが、2位でフィニッシュできた点は良かったと思います。ターマックとなる残り2戦も出ることになると思うので、トラブルの対策をしっかりして臨みたいです」と悔しさを滲ませながら次戦以降の抱負を語っています。
総合3位となった鎌田は、「やれることはやりました。良い戦いでした。今まで以上にライバルも手強くて、こちらもクルマの戦闘力を上げないとダメだと、あらためて分かりました。来年に向けた新たな課題が見つかったという感じです。残りのターマックラリーに関しても今回のようにトラブルを出さず、自分の持っているものを出せれば上位を狙えると思うので頑張りたいです」とこちらも次戦以降の奮起を誓っています。

・担当チーム:SUBARU TEAM ARAI
・寺井拓哉
・滋賀スバル 草津店 メカニック
普段行なっている一般整備や車検の完成検査とはまったく違う整備状況で、自分がどこまでできるかを試したくてプロジェクトに応募したという寺井。
「86/BRZラリーには一度参加したことがあって、次のステップアップとして今回応募しました。しっかりチームプレイで作業を進めるのが大切だと思うので、そのあたりも学べればと思っています」
ラリー前にそう抱負を語っていた彼の今回の担当チームはSUBARU TEAM ARAI。右フロントを任され、タイヤ脱着やトルクチェック、ドライブシャフト交換などを行った。
「リヤデフの交換も見学させてもらいました。作業は声が行き交う状態なので、声かけの重要性にあらためて気づくことができました。安全面を考えるうえでも声かけをしっかりして、誰がどんな作業をしていて何が進められているのか、みんなで共有して作業を行うのがとても重要だと思いました。店舗に帰ったら、工場内でもそういった環境を作れればと考えています」と学びの多い2日間を振り返った。
次戦は10月15日~17日に岐阜県高山市を拠点として開催される「M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ 2021」です。6月以来のターマックラリーでのSUBARU勢の奮闘にご注目ください。