2025.10.19 - 全日本ラリー選手権第8戦 第52回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ 2025 supported by カヤバ レグ2
果敢な攻めを見せた新井敏弘は無念のリタイア

この日は、高山市交流広場駐車場に設置されたサービスパークの北東部エリアを走るSS7/10『青屋上り(8.72km)』、SS8/11『駄吉下り(6.24km)』という、このラリーがグラベルラリーだった1980年代から長年使われている伝統のSSと、前日の観戦ステージを逆方向に走行するSS9/12『無数河-アルコピア(6.08km)』を、サービスを挟んで2回ずつ走る6SS、合計42.08kmという構成となりました。ラリーエリアはこの日も朝から空に厚い雲が広がり、時折小雨が降るという天候。青屋上りと駄吉下りの頂上付近は霧に覆われウエット路面となりましたが、無数河-アルコピアはほぼドライという、入り混じった難しいコンディションとなりました。
前日は改善の手応えを感じながらクラス6番手で折り返した新井は、この日最初のSS7で4番手タイムをマークすると、順位も5番手に浮上。続く2本を6番手タイムでまとめ、4番手まで15.2秒差につけて午前のセクションを終えます。午後最初のSS10は、1度目の走行で4番手タイムをマークしたステージ。ポジションアップを目指して果敢にプッシュに挑んだ新井でしたが、コーナーの立ち上がりでバランスを崩し、マシンの姿勢を戻そうとした際に大量の落ち葉に乗ってしまい、コースのアウト側に落ちてしまいました。クルーに怪我はありませんでしたが、残念ながらここでラリーをリタイアすることとなりました。

マシンの改良に手応えを感じ始めたなかで、攻めるアプローチに挑んだ新井は「フルカウンターになって次のコーナーで姿勢を戻そうとしたのですが、道の両側に積もっていた大量の落ち葉に乗ってしまい、戻すことができませんでした。4番手を狙えるタイム差だったので、攻めるならあのステージしかないと思い、攻めた結果です。今シーズン、厳しい戦いが続いてきましたが、サスペンションのジオメトリなどよくなってきたところはありました。さらに速くするために、いろいろな要素があると感じています」と状況を語りました。

・小林虹輝
・北陸スバル自動車株式会社 富山店
SUBARUがメーカーとしてモータースポーツ活動をしていることに動画などを通じて興味を持ち、参加したという小林。ラリー現場で見たラリー車両の第一印象は「見た目は量産車でも、中身はまったく異なっていて、最初は困惑しました」というものでした。
「今回は貴重な経験ができました。基本的に左リヤの足まわりの増し締めの確認と、要求された作業をこなしました。泥にまみれての作業もありましたが、限られた時間のなかで求められる作業、やるべきことをこなしていくことがすごく大変でした。まわりの方が親切に教えてくださいましたし、ダメなところは厳しく教えていただきました」
日常の職場とは違う環境であることも、有意義な体験になったようです。「普段の仕事ではお客様に対する作業になりますが、1分1秒を争うラリーでの作業はなかなか体験することはできません。まず、正確な作業、そして効率の良いやり方など、ラリー中に学んだ作業の取り組み方などは、店舗に戻っても実践していきたいです。先輩や後輩にも伝えていけたらと思います」
2025年の全日本ラリー選手権は、今回のラリーをもってすべてのスケジュールを終了しました。性能差で上まわるライバルたちとの戦いに果敢に挑んだSUBARU勢は、新井敏弘/小坂典嵩がJN-1クラスランキング8位という結果で、多くの皆様に応援をいただき、戦い抜くことができました。今後とも、熱い応援をよろしくお願いいたします。