2018.04.23 - ニュルブルクリンク24時間レース・事前レポート
WRX STI NBRの懸念は解消。あとはレースウィークを迎えるばかり。
スバルテクニカインターナショナル(STI)は、4月20日(金)にドイツ・ニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)にて本年のニュルブルクリンク24時間レースに出場するSUBARU WRX STIの走行テストを行い、前週のQFレースで発生したトラブルが解消していることを確認しました。
16日、17日の両日に鈴鹿サーキットで行われたSUPER GT公式テストを終えた井口卓人と山内英輝のふたりは、18日水曜日にはニュルブルクリンクに到着。翌日ガレージでシート合わせなどを行い、20日のテストセッションに臨みました。チームは、前週のQFレースで発生したトラブルの対策として、ギアボックスアッセンブリーを予備のものに交換し、エキゾーストのテールパイプに触媒を追加。さらに、ドライバーのカルロ・ヴァンダムとティム・シュリックが訴えたアンダーステア傾向を解消するためセンターデフの制御を調整し、AWD特性を変更しています。
この時期のニュルブルクリンクにしては異例とも言える夏のように高い気温(27度)と路温(49度)のもと、テストはスタートしました。今回からWRX STI NBRに乗る井口の慣熟がテストの目的のひとつでしたが、コースを知り尽くしているだけにすぐにクルマには慣れ、リズミカルに周回を重ねました。山内も井口と同様に10ラップを走行。ハンドリングを確かめてテストを終了しました。午後には前週のQFレースに出場し、WRX STIのベストラップタイムを記録していたティム・シュリックがチームに合流。15周を走行し、「強いアンダーステア傾向が消えて、非常に乗りやすくなった。完璧です」とフィーリングを語りました。
辰己英治チーム監督は、「ティムが前週とは全く逆の反応で、乗りやすいと言ってくれたのでホッとしています。今年の彼は非常に波に乗っている印象です。ラップタイムも速く、他の三人と遜色のない走りができています。井口もクルマに慣れてくれたようだし、富士で行なった耐久テストで最もこのクルマに乗っている山内も何の問題もないと言っており、クルマの仕上りは上々だと思います。懸念していた排気音量もクリアしたし、パワーロスも全くないようです。もうこれで走行テストは終了で、あとはレースウィークのプラクティスを待つばかりです。全体的には良い印象でここまでを終えることができています」と語っています。
井口卓人のコメント
「QFレースでトラブルが出たこともあり、チームはハードワークだったと思いますが、素晴らしいテストになったと思います。QFレースで問題があった部分がテストでは解消方向にあり、僕自身もWRXへの理解を深めることが出来ました。24時間レース本番が本当に楽しみです」