SUPER GT

BACKSTAGE COLUMN

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2019.06.03

EJ20エンジンと共に20年

悲願のタイトル奪取に向け、SUBARU BRZ GT300の進化のために日夜愛情を注ぎ込む男たちがいる。決して華やかな仕事ではないが、彼らはなぜその仕事に就いたのか、そして仕事のやりがいは? マシンに直接タッチする技術者に話を聞いた

EJ20エンジンと共に20年
ファンとスポンサーさんと笑顔になれる瞬間を増やせるようにしたい

エンジンエンジニア
STI パワーユニット技術部モータースポーツグループ主査 土岐文二(41)
もともとモータースポーツ、特にラリーが好きで、モータースポーツに関わる仕事がしたいと思っていて、テレビや雑誌でWRC(世界ラリー選手権)を見ていました。そのきっかけになっているのが、STIの最初の仕事であったレガシィの”10万km世界速度記録挑戦”だったのです。「明日の追跡」というテレビ番組で取り上げられていて、それが小学校1年生の時だったのですが、鮮烈で子供ながらになんか面白いことをやっている会社があるんだな、こんな仕事をしてみたいなと思ってみていました。

高校卒業時には、モータースポーツに強い学校をということで、地元の奈良を離れ高山短期大学(現高山自動車短期大学)の自動車工学科へ進学しました。そこではWRCへの海外メカニック派遣をやっていまして、現在は国内派遣だけですが当時はオーストラリアへ行っていました。それでその告知を見て応募して参加しました。オーストラリアでは、STIの久世(隆一郎)会長やSTIのスタッフがいらっしゃって、現場で直接ご指導いただき、ラリーの話を聞かせていただきました。ラリーを終えて帰国した時にSTIから学校に採用募集が来て、生涯の仕事はここしかないだろうと思い入社しました。それから20年が経ちました。
入社してすぐに携わった仕事は、WRCの基礎開発でした。それと現場へ送り出すまでのエンジンセッティングなどをやり、その後スポットでWRCの現場へ行くようになりました。入社以来ずっとエンジン担当です。EJ20型エンジンとは20年付き合っていますから、親と一緒にいる時間よりEJと一緒にいる時間の方がもう長くなってしまいましたね。ですからEJ20がどういう変遷をたどってきたのか、知り尽くしています。

GTではインプレッサをAWDにしていた2005年ごろから関わり始め、クスコ(キャロッセ)さんが、GTから撤退されるまでエンジンの担当を行っておりました。その後は新井(敏弘)さんとPCWRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)で転戦。2011年のレガシィGT300の最後の年からまたGTのエンジニアとして戻って来ました。
GTではEJ20エンジンをずっと使用しているわけですが、2018年以降エンジンの出力については大きく変えない、性能バランスを改変することはしないということをGTAと申し合わせています。これと同時に性能調整レギュレーションに大きな変更があり、今まではリストリクターを装着することで性能調整を行っていたわけですが、FIA GT3と同様にブースト圧で制御したいということになりました。しかし、私たちのブースト制御のシステムはリストリクターありきでやっていたので、レスポンス重視の制御で細かい制御が苦手なシステムになっていたのです。そこでブースト制御システムを大きく変更し、ターボのコントロールシステムを、GTAの性能コントロールに合わせたものに入れ替えました。

また、耐久信頼性に関わるトラブルが近年多発していますので、そうならないようにパーツの管理や材質の安定性を保つように進め、去年のSUGO以降は大きなトラブルなく連続して走り切れるようになりました。しかし、まだ、トラブルをすべて解決し切れていなく細かなトラブルが出ているので、気を引き締めている状態です。
モータースポーツとはファンとスポンサーさんがあってのもの。でも彼らをがっかりさせてしまうようなことが続いてしまっていたので、何とかどこかで切り替えなければいけない。こんなに完走させることが難しいのかと考えこんでしまう時期がありました。

今は、只々ファンとスポンサーさんと笑顔になれる瞬間を増やせるようにしたい思いで進めています。

 学生時代はずっと柔道をやっていまして、今は子供2人と一緒に合気道を稽古することが気晴らしになっています。
現場には毎回来ているわけではありません。来たとしても土曜日だけの場合もありますし土日いる時もあります。その時の状況次第ですが、現場は若手に任せていますが、行かないとやはり不安な部分はありますね。でも開発の仕事もありますし、そこも見ないといけませんから。それでも仕事は楽しいです。好きじゃないとやっていけないのと責任感というか、何とかしなきゃという意地や義務感がモチベーションを高めています。

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