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BACKSTAGE COLUMN

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2019.07.19

目に見えない大切なものを探る

2019年モデルのSUBARU BRZ GT300の外観上の特徴としては、新しいフロントフェンダーの形状があげられます。人間の顔で言うと、頬の部分が盛り上がったバルジ形状となっています。これが効果を発揮し、コーナリングマシンであるBRZの武器である旋回中のスピードをさらに上げ、苦手としていた直線の最高速領域でも空気抵抗を減らしていると言います。この形状を採用するに至った経緯を、STI技術統括部主査の野村章が解説します。
「レーシングカーの空力面を考える際に、高ダウンフォースと低ドラッグという相反した要素が出て来ます。ご存じのように、ダウンフォースと言うのはクルマを下方に押し付ける力で、ブレーキ性能を十分に発揮させたりタイヤが路面をしっかりグリップするために必要なもの。またドラッグというのは空気抵抗で、なるべく抵抗をなくしてスピードを出すためのもの。それをいかに両立させるかというのがポイントです。
ですから、サーキットによってもどちらを重視するかが大事になってきます。SUGOやオートポリスのようなタイトなコーナーが多いコースであれば、高いダウンフォースが必要ですし、ストレートが長い高速コースの富士では低ドラッグの占める要素が大きいでしょう。そこで私たちが注目したのが、旋回中の車両の下の空気の流れでした。そこって良く分かっていないよねというのが最初でした。そこで2019年モデルでは、ボディの下で何が起こっているのかを解析することから始めました。
旋回中は、フロントタイヤから乱れた空気が流れてフロアを乱していることが分かりました。またダウンフォースが阻害されたり、旋回中にダウンフォースが抜けたりすることも分かりました。そこでその乱れた渦をいかにフロアに影響させないかを考えました。また旋回中はリヤウィングに空気が均等に当たっているわけではありませんから、それをいかにきれいにするかもポイントでした。そこであの立てたバルジ形状を採用しました。参考にしたのはル・マンプロトタイプ(LM P)車両でした。フロントからバルジに当たった空気を横方向と上部流に分け、上部流がルーフを越えてリアウィング面に当たるようにしています。
フロントのダウンフォースは、(フロントノーズ下の)スプリッターで出していますが、どうしてもエンジンの冷却に必要なラジエターグリル開口部との絡みで分割される構造になっています。そしてエンジンルーム内の圧力も高まり、抵抗となります。それやタイヤハウス内に溜まった空気をいかにカナード(整流板)などでできた渦(風圧)を使い、空気を誘導して抜いてやるかが課題です。
大学では機械工学を学び、SUBARUに入社してからモータースポーツに興味を持ちました。最初は振動や騒音対策を担当していましたが、入社時からやりたかった量産車の車体の操縦安定性の担当になりました。その中に空力という要素もありました。3年前にSTIへ来て、モータースポーツで得られた技術をコンプリートカーのSシリーズやSTIスポーツパーツの開発などに応用して、SUBARUの量産車にフィードバックするということをやってきました。
現場で教わることは多いです。現場の中にヒントがあると思います。あとは、お客様に喜んでいただけることしか考えていません。それが一番大切な仕事だと思います。「大切なものは目に見えない」というサン-テグジュペリの言葉(「星の王子さま」)がありますが、それがモチベーションの原動力になっています」。
SUBARU BRZ GT300のリアウィングの角度やフロントフォンダー下部のカナード枚数や角度などで、空力のセッティングがどうなっているかを想像してみるのも面白そうですね。

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