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ニュルブルクリンク24時間レース・レースウィークレポート
SUBARU WRX NBR CHALLENGEは第3グループフロントロウからスタート

RACE REPORT

5月20日(土)、第51回ADACニュルブルクリンク24時間レース決勝日の朝を迎えました。曇りがちですが、前日までと同様にポカポカと暖かい日和です。朝10時半過ぎには、日本からの応援ツアーが到着。STIの平岡社長、辰己総監督、沢田監督が並び、「遠路はるばるお越しいただきありがとうございます。昨日まではトラブルもありましたが、なんとか解決しています。レースを目の前で観戦いただきながら応援をよろしくお願いします」と辰己総監督が挨拶すると、大きな拍手が発生しました。一行とドイツのSUBARUファンクラブが合流し、記念撮影をパチリ。その後、ドライバー4名を加えたチーム全体で朝礼です。最後に「やるぞっ、オーッ!」の掛け声でレース前準備の作業を開始しました。
このあと、12時40分から45分間のウォームアップ走行があり、14時45分からグリッド整列が始まります。114号車SUBARU WRXは第3グループのフロントロウにつけることになります。ちなみに総合トップは、金曜日のトップクォリファイをコースレコード更新タイムで制した4号車メルセデスAMG GT3となっています。グリッド整列の制限時間である15時30分前にグリッドにつけないと、ピットスタートとなってしまいます。
ディーラーメカニックの皆さんもチームやサーキットの雰囲気にも慣れてきて、落ち着いて作業にあたっています。山形スバルの鈴木亮祐さんは、「もうだいぶ慣れてきて、現地の方に英語で話しかけられるようになりました。昨日オフィシャルショップでジャケットを買ったんですが、ホテルで試着してみたらブカブカでした。今日小さいサイズに交換して、とお願いに行ったらバッチリ通じました」と笑顔を見せてくれました。寄せ書きにも、アルファベットで所属と氏名を書いていました。また、ディーラーメカチームのムードメーカーである東京スバルの三井雄太さんは、「私は、右フロントが担当です。普段は安全最優先なので、温度の高いブレーキローターを触ることはありませんが、レースではまるで逆です。熱いうちに交換しないとならないので、安全には気をつけないといけませんね。また、ピットが狭いので、他のチームの作業にも気をつけなければなりません。適度な緊張をもってレースに臨みます」と語ってくれました。
フォーメーションラップスタートが15時40分頃に始まり、決勝レースは16時スタートの予定です。
ニュルブルクリンク24時間レース・レースウィークレポート
SUBARU WRX NBR CHALLENGEはクラストップで予選通過

RACE REPORT

5月19日(金)、予選最終日も晴れ。これほど晴れて暖かい日が続くことは、ここニュルでは稀です。気温も正午12時現在で15℃ですが、体感的には20℃くらいに感じるほど温暖です。しかも風も穏やかで、空気がドライなので過ごしやすい天候ですね。午後1時30分から1時間15分のQ3予選が行われます。SUBARU/STIチームでは、前夜エンジンを載せ替え、補機類や制御系の結線、配管を終え作動チェックを済ませたのは朝4時半だったそうです。ベテランエンジン担当者の小林昌弘は、「決勝前のエンジン交換は、ルーティーンのひとつなので、朝までかかること自体はどうってことないです。今日は(仕事が)早く終わるはずなので、ゆっくり寝て明日に備えますから」と、余裕のコメントでした。
今回のSUBARU On-tubeライブ配信では、お馴染み井澤エイミーさんがピットレポーターを務めます。「ピットでは、チームメンバーの”人”にフォーカスした取材をしようと思います。ドライバーはもちろんですが、メカさんやエンジニアさん、辰己(総監督)さんのお仕事ぶりなどを紹介したいと思います。また、コースサイドでもレポートしますのでお楽しみに。私自身も2019年以来のニュルなので、楽しんで観戦したいと思います。どうぞよろしくお願いします」と、エイミーさん。ライブ配信は、日本時間20日(土)22時からの予定です。
13時30分から75分間のQ3予選が始まりました。SUBARU WRX NBR CHALLENGEは、交換したエンジンのチェック走行を含み、可能な限りロングランを実施する計画です。ドライバーはカルロ・ヴァンダムで、グランプリコースを1周してからオールドコースに入り、6周連続で走行しました。前日起きた水漏れもなく、またトラブルの兆候も見られなかったため、辰己英治総監督や沢田拓也監督ほかスタッフは安堵の表情を見せていました。「カルロはGPコースで1周チェック走行したのち、フルコースを6周走りましたが、ラップタイムは8分57秒台、56秒台で走れていました。最後の2周は燃費セーブモードである”エコモード”を選択して走行しました。少し燃費をセーブしたい時にパワーを絞るプログラムに切り替わるようになっていて、それでどれくらいパフォーマンス差があるかを確認しておこうということです。それのデータも取れたので、決勝レース前にやれることは完了したと思います」と沢田監督は話しています。また辰己総監督も、「昨日のトラブルは結構深刻で、放置しておけばエンジンを壊す可能性がありました。しかし、冷却水の経路を少し修正したことで、今朝は全く問題なく6周走らせることができました。国内のベンチテストなどで同様のトラブルがなぜ出るかをシミュレートして、より詳細な対策を考えておくべきだと感じました。いずれにしても明日は決勝レースがスタートします。これで悔いのない戦いができそうです」と語りました。
Q1、Q2、G3の結果を総合すると、114号車SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2023は、予選総合51位、ST-4Tクラストップという結果を残したことになります。決勝レースは、5月20日(土) 16時にスタートします。
ニュルブルクリンク24時間レース・レースウィークレポート
予選初日は総合50位

RACE REPORT

5月18日(木)、少し肌寒かった前日とは異なり、この日は朝から空は晴れ上がり、最高18℃にまで気温は上昇しました。今週最初の走行は、いきなり予選です。予選を前に、スバルテクニカインターナショナル(STI)の平岡泰雄社長も合流。全員揃ったところで、集合写真を撮影しました。SUBARUテント前にはすでにドイツのSUBARUファンクラブの皆さんが陣取っており、写真撮影の後はにわかにサイン会と化しました。その後、ドライバー達は、ドライバーズミーティングに出席しました。総参加台数135台で1台あたり4名ほどのドライバーだとすると、合計で540名ものドライバーが登録されることになります。そのため、ドライバーズミーティングはドイツ語版と英語版の2回に分けて実施されます。ダブルイエロー(120km/h制限)、コード60(60km/h制限)など、ニュルブルクリンク特有のルールを聞き、ドラミ(ドライバーズミーティング)はお開きとなりました。
13時15分から15時までの1時間45分のQ1は、井口卓人が先発し、計測2周を走行。1周目はブレーキの慣らし運転を兼ねての走行で、2周目に井口はタイムアタックしました。その結果、この周回がこの日のベストラップ8分59秒081となりました。続いてティム・シュリックに交代。彼の周回は、いずれもどこかでイエーフラッグやダブルイエローが振られていたものの、3周それぞれ9分00秒台の好タイムを記録しました。公式予選は、ノミネートされたドライバー全員が、計測周回2周以上を走ることが義務付けされています。長いインターバル経て20時00分からのQ2は、カルロ・ヴァン・ダムがステアリングを握ります。計測1本目はやはり9分00秒台のタイムでしたが、冷却水漏れがあったため、急遽そのままピットでチェックを受けることとなりました。走行前に冷却水が無理なく流れるよう対策をとっていましたが、再チェックの結果、一部を修正し、ヴァン・ダムは走行を再開。1周走ってピットインしました。交代した山内はまず計測ラップを1周し、冷却水漏れチェックを兼ねて一旦ピットイン。ここで計画されていたブレーキアッセンブリーの交換作業があり、乗り込んだ山内がグランプリコースを4周してブレーキタッチを確認したのち、再度アタック走行に入ります。もうあたりはほぼ暗くなっていましたが、山内は9分4秒972を記録して走行を終えました。山内は、「全体的に路面のグリップが低かったと思いますが、そのほかには問題ありませんでした」と語っていました。
その後、4月のQFレースから継続使用していたエンジンを本番レース用に交換しています。沢田拓也監督は、「4名のドライバーがそれぞれ計測2周することが義務付けられていますが、Q1とQ2でそれは完了しました。明日のQ3は、交換したエンジンのチェック走行をメインとし、決勝レースを迎えることにします。今日は遅くまで作業があったので、ゆっくり体を休めてください」とディーラーメカニックやヘルパースタッフに声をかけていました。Q3は19日(金)の13時30分から14時45分に行われます。
ニュルブルクリンク24時間レース・レースウィークレポート
ドライバーが合流してチェックイン完了

RACE REPORT

5月17日(水)、ニュルブルクリンクでは各チームのドライバーがパドックに到着し、続々とチェックインに向かいました。SUBARU/STIは、前夜日本から山内英輝/井口卓人がホテルに入り、午後にはパドックのSUBARUテントにやってきました。続いて朝早くドライビングコーチの仕事をしているタイランド・バンコックから戻ったカルロ・ヴァンダムもサーキット入り。集合時間に30分遅れて、刃物の生産地として有名なゾーリンゲンにほど近いドイツ・ヴェルメルスキーフェン出身のティム・シュリックがやってきました。「いつも停めているパーキングスペースが満車で、30分間あたりをウロウロしちゃったよ」と言い訳。テレビ番組のコメンテーターを務めるティムは、身振り手振りを加えて愛嬌たっぶりにメンバーに挨拶しました。憎めないですね。
ドライバー4名は、それぞれのレーシングスーツ、ヘルメットやハンス(肩のせヘルメットサポート)、シューズ、グローブやバラクラバ(目出し耐火マスク)、アンダーウェアなどの装備品一式をもって車検場へ。それぞれ安全規格や有効期限が適正であるかのチェックを受けます。全てドライバー自身を守るためのデバイスや着装品なのです。これが完了すると、2階のオフィスに移動します。ドライバーズライセンス、運転免許証、各国ASN発行の出場証明書を提示し、指定書式にサインすればチェックインは完了。ドライバーであることを示すアームバンドを受け取ると登録完了です。
出場車両のSUBARU WRX NBR CHALLENGEは長い列に並び、前日主催者都合で完了できなかった車重計測をお昼までには済ませました。パドックのSUBARUテントでは、マシン整備スペースにメカニックたちが集まり、タイヤ交換やブレーキアッセンブリー交換の練習を繰り返しています。彼らの迅速で正確な作業によって、ピットイン時のタイム経過が左右されます。ピットインタイムの差で順位がひっくり返ることも稀ではないので、SUBARUディーラーメカニックの皆さんも緊張感と責任感を持って動作練習に臨んでいます。明日から走行が始まります。
ニュルブルクリンク24時間レース・レースウィークレポート
NBR決勝レースに向けた1週間がスタート

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5月16日(火)、ドイツ・ニュルブルクリンクには、24時間レースに出場するチームが続々と到着。パドックには次々とテントやオーニングが張られていきます。今回のSUBARU/STIチームは、Aパドックからパーマネントサーキットの最終コーナーに近い部分が見下ろせる位置にスペースが割り当てられました。面積も少し大きくなり、ドライバーの休憩用にバスを用意しました。この中で仮眠をとることができます。短時間に体を休めることもドライバーの仕事のひとつなのです。SUBARUディーラーメカニックの8人も勢揃いし、無線通信用のアンテナの設置やテント内の作業エリアの整備などに取り掛かっています。
正午過ぎには、トレーラーに載せられたSUBARU WRX NBR CHALLENGE 2023がコース上でアンロードされました。アーデナウの街にあるガレージから輸送するために外していたノーズおよびリアディフューザーを取り付ければ、車検を受ける準備は完了です。4月の予選(QF)レースで車検は通過しており、今回も特に問題点を指摘されてはいませんが、車検委員からはボンネットフード中央に貼ったカーナンバーは、「コントロールタワーから見やすい位置に貼り替えること」とのコメントがありました。その後、車検ライン最終セクションのフォトポイントで写真を撮られると本来はここで車検は終了です。しかし、この日は車検場の計量機が不調であり、翌日再度車重を測りに来るように、とのお達しを受けています。
プロジェクトリーダーであるSTIの渋谷直樹は、「ここまでは順調で、テントの設営も車検もとてもスムーズに完了しました。ディーラーメカの皆さんも元気に作業してくれています。整備スパンの準備ができたので、アライメント調整が完了すれば今日の予定はほぼ終了です」と語っています。明日水曜日はドライバーたち4名が合流し、ライセンスや装備品などのチェックを受けます。いよいよレースウィークの始まりです。
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