9月20日(日)、宮城県のスポーツランドSUGOでSUPER GT第6戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝レースが行われ、予選7位からスタートしたSUBARU BRZ GT300(井口卓人/山内英輝)は5位入賞を果たしました。

より完成されたセットアップを目指す

チーム総監督の辰己英治は、今回投入した新仕様のタイヤにマッチするセットアップを煮詰められなかったことが苦戦を強いられる要因になったと分析しています。「決勝レース中のファステストラップは獲れませんでしたが、それに迫るタイムを記録できたので、予選の時よりもセットアップは良くなったと判断しています。とはいえ、抜群の状態ではありませんでした。そうしたなか、井口と山内が本当によく頑張って、アクシデントに遭うこともなく最後まで走り切ってくれました。その意味では手応えを掴むことができるレースでしたが、やはり優勝を狙うのであればしっかり仕上げたセットアップで予選に臨み、ポールポジションからスタートしなければいけません。ふたりのドライバーにはそれだけの実力があるので、次のオートポリスにはいいセットアップを用意して挑みたいと思います」

公式練習は8番手

午前9時ちょうどに始まった公式練習は、途中2度の赤旗を挟んで10時57分まで行われました。今回はダンロップが新たに開発したタイヤを投入。ダンロップタイヤは富士、鈴鹿と着実に進歩してきたこともあり、今回も大幅な性能アップが期待されました。そこでSTIチームはタイヤのグリップが大きく向上したことを前提としたセットアップを用意してこのSUGOに持ち込みましたが、実際のタイヤの性能が事前の想定とややずれていたため、公式練習ではふたりのドライバーが苦戦を強いられることになります。ここでは19周を走り込んだ井口卓人が1分20秒499をマーク。一方、山内英輝選手は12周を走行してベストタイムは1分22秒371でした。総監督の辰己英治はこの時の様子を「抜本的な対策を行うと1時間ほどかかることが予想されたので、公式練習では空力やキャンバーなど、比較的短時間で対応できる作業を行って、その反応をチェックしました。けれども、結果的に満足な結果は得られませんでした」と語りました。

夏のタイヤテストで短距離ながらも走行済み

014年のスポーツランドSUGOでは、悪天候のために予選が延期され、日曜日に両方が行われる事態となりましたが、今年は金曜日の時点で天候は曇り、夜に雨の予報が出ているものの、週末にかけては回復傾向の模様です。SUBARU/STIチームは夏のタイヤテストでドライコンディションのSUGOを短時間ながら走っており、セッティングの面ではおおまかな合わせ込みはできていると言っていいでしょう。チーム総監督を務める辰己英治は、スポーツランドSUGOについて、セッティングについては鈴鹿と共通する部分もあると語っており、自信を覗かせています。

上昇気流に乗って迎えるSUGOラウンド

SUBARU BRZ GT300は、シーズンをとおして徐々に、しかし着実に進化を果たしてきました。開幕当初から課題とされてきた予選でのスピードも、前戦鈴鹿での戦いぶりを見る限り良い方向へと向かっており、ドライバーとマシン、そしてタイヤがしっかりと噛み合ってきた証拠と言えるでしょう。加えてスポーツランドSUGOは、2013年にポールポジション、2014年は予選2番手タイムを獲得するなど、これまでも得意としているサーキットです。

SUPER GTシリーズ第6戦「SUGO GT 300km RACE」が、9月19日(土)、20日(日)にスポーツランドSUGO(宮城県)で開催されます。SUBARU BRZ GT300(井口卓人/山内英輝)にとっては鈴鹿サーキットに続いて相性の良いコースでの開催であり、前戦の鈴鹿で見せたスピードを再現すべく、チーム一丸となって準備を進めています。

宮城県の山あいに位置するスポーツランドSUGOは全長3.704kmと比較的短めで、アップダウンの多いサーキットです。コース前半は比較的テクニカルなセクションが多く、下りバックストレートからの右鋭角“馬の背”コーナー、続くSPコーナーとドライバーの技量が試されます。他のサーキットと比べコース幅が狭く、GT500クラスとGT300クラスが入り乱れて走るSUPER GTにおいてはGT500車両や周回遅れの処理もポイントになるものと思われます。そのため予選の順位が重要になると言えるでしょう。

表彰台の頂点を狙って

第5戦の鈴鹿では予選4番手、決勝3位と手応えを得ることのできたレースでしたが、チームはさらに上を目指して気を引き締めています。

「鈴鹿の最後のスティントは、上位のマシンの優れた部分を間近で体感できました。少しでもSUBARU BRZ GT300をそれらのクルマに近づけられるよう、SUGOに向けて勝つための準備をしてきたいと思います」と井口。昨年のSUGOでは雨のなか好走を見せており、今回もその走りに期待が持てます。一方の山内は、「鈴鹿の結果は悔しい部分もありますが、次に勝つための第一歩としてはいいところかと思います。SUGOに向けてもっとパフォーマンスを上げて、勝つことができるように頑張ります」と語っています。

各チームとも7月のタイヤテストである程度の走り込みは行っており、SUBARU/STIチームもテストでのデータを参考に、セットアップを詰める予定です。今大会でSUBARU BRZ GT300には48kgのハンデウェイトが搭載される予定となっています。ただし、50kg以上のハンデを搭載しているチームも多く、それらのチームは手堅いレース運びをみせてくることも予想されます。チーム総監督を務める辰己英治は前戦鈴鹿の終了後に、「次のフリー走行では思い切ったことをして上を狙う」と語っています。好調の波をさらに活かす、その手腕にもご期待ください。