SUPER GT

辰巳コラム

  • TEST
  • Rd1
  • Rd2
  • Rd3
  • Rd4
  • Rd5
  • Rd6
  • Rd7
  • Rd8
2017.05.22 - 第3戦 オートポリス

SUBARU BRZ GT300を、もっと“懐の深いクルマ”に

今回のレースは、SUBARU BRZ GT300にとっては、もっと暑い方が良かったかもしれませんね。スタート前の段階で路面温度は40℃ありましたが、セーフティカーが入った頃にはグッと下がり、30℃くらいになってしまったのです。あのくらい温度がずれただけで、速く走れないことが問題と言えるでしょう。もう少しクルマを速くしないといかんなと。SUBARU BRZ GT300はまだ懐が深くないのです。状況の変化に対して、ついていけない。“ピタっとハマれば速い”というのではレースになりません。すべてが噛み合わないと100%の力が出せない。どこかが悪くても98%くらいで走れるようにならないといけませんね。
手応えは感じられたが、スピードが必要

2台がいいレースをしたという感じですね。結果的に負けてしまったので面白くはありませんが(笑)、少しもったいなかったですね。すぐにセーフティカーが入ったことで、GT500との混戦になるタイミングが遅れ、序盤はGT300クラスだけのバトルができました。先に25号車がピットインした後、山内にもう少し走ってもらおうとしたのですが、周回遅れのマシンに前を塞がれてしまい、十分なマージンのないままピットに戻してしまったのです。タイヤ交換の際にリヤ2本ですませることができれば、アウトラップで25号車に抜かれることもなく、前を抑えることができたかもしれません。ウォームアップ走行の際にリヤ2本交換のシミュレーションをして、十分な手応えもありました。ただ、序盤に2台でハイペースで走ってしまったため、お互いタイヤがもたずに4本交換というかたちになりました。

後半を担当した井口は、55号車のミスを見逃さず、いいタイミングで抜き去りましたね。55号車は2本交換で済ませていたので、我々の前でコースに戻っていたのです。マシンはスティント後半でのペースの落ち幅も少なく、ずっとやってきたことの手応えは得られました。それでも25号車を追い切るには足りませんでしたね。向こうにトラブルがなかったらあれほど詰められたかどうか。この後のテストでしっかりと走り込みたいと思っています。
さらなるレベルアップのためのアイデア

6月にはスポーツランドSUGOと鈴鹿サーキットでのテストが実施されます。そこに向けてやらなければならないことが色々とありますね。すでに支度が進んでいるものや、これから作るパーツもあるのですが、もう少し曲がりながら安定しているクルマにしたいと思っています。クルマは曲げると不安定になりますが、それをレベルの高いところでバランスさせていかないと、ライバルを追い詰めることもできませんし、一瞬の隙をついて抜くこともできません。今回のレースでも、走っている時には抜けなかったとしても、ライバルのペースが落ちて来たところでオーバーテイクできたかもしれない。全体としてはもうちょっとなんですね。
あとは空力にも開発の余地はあると思います。そのあたりもSUGOと鈴鹿のテストで試していきます。そのほか、あらゆる部分で積み重ねを続けていくしかないですね。ほかのチームがやっていないような部分にも注目していかないと。そういう目でクルマを見ていくと、まだまだやるべきことはいっぱいあるなあという感じです。もちろんそれが裏目に出ることもあるかもしれませんが、現状では、これまでやってきたことは間違っていない。全体的に手応えは得つつあります。今回は、岡山、富士の2戦に比べれば、トップのクルマとほぼ同じペースで走れたということで、得るものの多いレースでした。
23日の火曜日に、ドイツに向けて出発します。意外かもしれませんが、ニュルブルクリンクでのセットアップも参考になる部分があるんです。ニュルブルクリンクは200km/hでクリアする高速コーナリングが多い。だからドライバーにとっては高速の不安定感が一番怖い。200km/hでリヤが流れたらたまらないですよね。そういうところでクルマがどうなっているか。しかもスピードも必要で、さらに安定していなければならない。それを逆手に考えると、SUPER GTのやり方に参考になるものがあるのではと思っています。1週間ニュルブルクリンクに行って、考えて、今後の秘策を練ろうかなと思っています。引き続きご声援をよろしくお願いします。

TEAM PARTNER

  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube
  • ニコニコチャンネル
Scroll to top