SUPER GT

辰巳コラム

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2017.07.25 - 第4戦 スポーツランドSUGO

悔しい結果ですが、最善を尽くした戦いでした

今回のレースはセーフティカー(SC)とピットインのタイミングが明暗を分ける結果となりました。様々な要素が重なり合って9位という悔しい結果となってしまいましたが、我々としては最善を尽くしました。SUBARU BRZ GT300の勝機はピットインのタイミングを遅らせることにしかなかったと思います。勝とうとしてあの戦略を採り、勝負をしにいったということです。
2回目のSCがピットに入った時、我々のライバルたちはすでにタイヤが厳しい状態でした。40周以上も走っていますし、ラインも少しずつ乾いてきている。普通、そういう状況ではラップタイムも落ちて、タイヤのブロックもボロボロになるはずなのですが、今回ダンロップのウェットタイヤは非常に保ちが良かった。周囲がピットインするのを横目に、山内はそれまでのベストラップを出しているほどです。ドライバーからのフィードバックも良く、後続との差を拡げるならここでタイムを稼ぐしかありません。さらに引っ張れば引っ張るほど燃料を入れるための静止時間が少なくて済むわけです。残り周回数を考えたらスリックタイヤで出るしか選択肢がないわけですが、周囲がピットに入っている段階では、スリックタイヤに変更するにはリスクもありました。実際、タイヤが温まらずに多くのマシンがコースアウトやクラッシュを喫していましたよね。

しかも、我々の前を走る2台もピットに入らずラップを重ねる作戦でした。そういう状況でピットインしてしまったら、逃げ切られて、SCが出ていなければ逆転の目はゼロになっていたでしょう。唯一優勝できるチャンスが、そのままラップを重ねることだったんです。その狙いが3回目のSCですべてご破算になってしまったということなんですね。SCが入ったおかげでリードタイムはなくなり、スリックタイヤにしたチームはタイヤに熱を入れることができ、路面も乾き……と、周回を伸ばした上位陣にとっては最悪のパターンでした。
オンボードビデオから速さへのヒントを探る

会社にもどり、今回のオンボードビデオを見直していたのですが、後から見ても参考になることはいっぱいありますね。ドライバーは孤独ですから、ひとりで戦っているところを見て、「良く抜いたな」とか「行きすぎだな」とか声をかけてやります。山内が最終コーナーで前を行く3号車をオーバーテイクしましたが、進入の仕掛けがうまかったと思います。ただ、ウェットでは抜くチャンスがありましたが、ドライになるとストレートが速くて厳しいですね。コースのすべてがドライだったらちょっと無理した攻めもできるかもしれませんが、レコードラインしか乾いていない。仕掛けていったら、そのままコースアウトもあり得たと思います。しかもコーナーリングは3号車の方がブレーキングポイントが早くて、結局こちらもそれに合わせるしかない。後半スティントを走った井口にとっては、ストレスの溜まるレースになってしまったと思います。
駆動系トラブル解消の糸口は見えた

今回のレースでは、土曜日午前中の練習走行で再び駆動系のトラブルが出てしまいました。ただ、大きな要因は分かってきてはいます。最終的に対策ができるところまで来ていますが、フリー走行の時間を削るようなことになってしまって、なかなか思うように熟成が進みません。空力とかシャシーのセットアップなどができなくなってしまうんです。セットアップをほぼ終わらせてサーキットに持ち込んでいますから、なんとか間に合っている状態ですが、走り込んで直しているわけではないので、そこがまだ改善すべきポイントですね。明日からは次戦に向けたセットアップを考えて、チームと連絡をとりながら決めていきます。あとはつまらない故障の原因を作らないようにどうしていくか、STIの設計部も投入して対応にあたっています。もっとよく考えて、勝機を見出していきたいと思いますので応援よろしくお願いします。

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