
5月28日(土)、ニュルブルクリンク24時間の決勝レース日を迎えました。少し雲が多く、時折冷たい風が吹くのが気掛かりですが、午前11時のウォームアップセッションはドライコンディションで行われました。

前日、インテイク関連の部品をスペアに交換し、フロントのサスペンションジオメトリーを変更したため、45分間のウォームアップセッションは、主にそれらが正常に機能するかのチェックに当てられました。テイム・シュリックがグランプリサーキットを数周走り、改善が確認できたため北コース(ノルドシュライフェ)を含むフルコースを1周しました。シュリックは、「まずはグランプリサーキットを4ラップ走行し、エンジン関連部品のチェックを受けました。その後、ノルドシュライフェを1周だけしました。その時は、一瞬ひやっとするできごとがありました。ハイスピードセクションだったのですが、何台かがスロー走行するのが見え、コーナーに進入すると、にわか雨によって路面が濡れていて、マーシャルがウェット路面を知らせる準備をしているところでした。とっさに身構えたので、スリップすることなく抜けられましたが、とても危険なシチュエーションでした。避けられたのはラッキーでしたが、チビリそうでした。それ以外は何の問題もありません」と語っています。

総監督の辰己英治は、「フロントのサスペンションジオメトリを少しだけ修正し、旋回しやすい方向にセットしましたが、アンダーステア傾向を抑えることができているようです。決勝レースは、ドライで走れそうな予感がしますが、何があっても自信をもって攻め、力強く周回してポジションを上げていきたいですね。58番手スタートなので、多くの車両を抜いていかなければなりませんが、なんとか総合20位以内フィニッシュを目指したいと思います」と話しています。

スタートを前に、東京スバル墨田店の長澤慎馬さん(Bグループ・左フロント担当)は、「ドイツに来てちょうど6日目なので、体はだいぶ慣れましたが、こちらは夜10時すぎないと暗くならないので、最初の数日は戸惑いました。ここまでで、ピット作業やタイヤ交換後の作業、ニュータイヤの準備など、ひと通りルーティン作業は落ち着いてできるようになったと思います。しかし、レース中は他のチームが背後を通ったり、場合によっては緊急事態が起きるかもしれないので、とにかく注意して安全に作業をこなしたいです。墨田店に異動する前は高島平店にいたので、両方の拠点の応援を背負ってきています。忙しい時期なのに送り出してくれた皆さんのご協力に感謝しながら、力一杯頑張ってきます」と語りました。

また、岩手スバルの千田武紀さん(Bグループ・右リア担当)は、「2年間待ちましたが、モチベーションは上がる一方でした。車体に岩手スバルの社名を貼り続けられたので、少し得した気分です。岩手スバルからは私が初の参加者となるので、後輩のためにもチームに貢献できるよう頑張る所存です。レースカーは、普段扱い慣れているWRX STIがベースなので、レース特有の整備手順や締め付けトルクなどに注意しながらミスなく送り出す自信はあります」と目を輝かせました。
現在午後3時を回り、レースカーはグループごとにスターティンググリッドに着く準備が進められています。