2024.12.20
SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2025、発進
シェイクダウンイベントレポート
12月17日(火)、富士スピードウェイにて、スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)が、2025年ニュルブルクリンク24時間レースに出場する「SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2025」のシェイクダウンイベントを行い、このクルマの開発に協力したパートナー企業、スポンサー、メディアなどに向けて同レースへの出場計画の概要を発表しました。
はじめに、STIの賚寛海社長が挨拶しました。「ニュルブルクリンク24時間レースは、みなさんご存知の通り、量産車ベースのレースカーが究極のサーキットで競う非常に過酷な競技です。今年は何とかクラス優勝できましたが、2025年レースもしっかり優勝を目指してやっていきたいと考えています。STIは、まだ未熟なところもあって発展途上ですが、ここにいる8名のディーラーメカニックの方々、SUBARU技術本部の2名の力をお借りし、チーム一丸となって成績を残していきたいと思います」、と語りました。
続いて、チーム監督の沢田拓也を初め、技術監督の渋谷直樹、チーフエンジニアの宮沢竜太チーフパワーユニットエンジニアの菊地渉、車両の開発ドライバーを務めた佐々木孝太、久保凜太郎が紹介され、全国のSUBARUディーラーから選考会を経て選抜された8名が並びました。今回は、宮城スバル、福島スバル、富士スバル(群馬県)、千葉スバル、東京スバル、山梨スバル、静岡スバル、大阪スバルから各1名が選出されています。
続いて、チーム監督の沢田拓也を初め、技術監督の渋谷直樹、チーフエンジニアの宮沢竜太チーフパワーユニットエンジニアの菊地渉、車両の開発ドライバーを務めた佐々木孝太、久保凜太郎が紹介され、全国のSUBARUディーラーから選考会を経て選抜された8名が並びました。今回は、宮城スバル、福島スバル、富士スバル(群馬県)、千葉スバル、東京スバル、山梨スバル、静岡スバル、大阪スバルから各1名が選出されています。
チーフコーディネーターの篠﨑久美子は、2024年のレースを振り返り、結果を解説しました。「ニュルブルクリンク24時間レースは、毎年多くの観客が集まる世界最大級のツーリングカーレースとなっております。2024年につきましては、前年を超える24万人の観客が来場しました。レースには23クラス、128チームが出場。約2、000人のボランティア、そしてマーシャルが参加する世界でも稀な大規模レースとなっています。2024年の決勝レースでは、濃霧による視界不良のため赤旗中断となる前の約7時間半の間に、126位から39位まで追い上げ、SUBARU WRX NBR CHALLENGEはパフォーマンスを発揮することができました。その後リグループののちに再開されたレース終盤のセーフティカーラップを走りきり、総合51位でSP4Tクラスの優勝を飾っています。STIがニュルブルクリンクに挑戦する目的は、量産車ベースのレース車で勝利することでSTIの技術の確かさを証明し、人材育成、ファンコミュニケーション強化を図ることとしています。2025年レースの目標としましては、予選ではクラスポールポジション、そして過去最速の8分48秒台のラップタイムを目指します。決勝ではSP4Tクラス2連覇、自己最多周回数である146周の更新、そして上位ターボ車クラスのSP8Tを含めてトップフィニッシュを目標とし、さらなるマシン性能向上に取り組んでいます」、と語っています。
2025年車両の技術開発項目については、担当エンジニアより説明がありました。「2025年出場車両は、パワーユニットの効率向上を目的に、エアリストリクターの径を39mmから41mmに拡大しました。ブースト圧は信頼性確保のため昨年同様の2.4バールとし、燃料消費率で2%の改善と吸入空気温度の低減を達成しております。同時に、コンプレッサー負荷低減による排気圧力低減、およびポンピングロス低減を確認しております。ふたつ目は、オルタネーターの負荷軽減を目的に、リアデフ電動オイルポンプの小型化を行いました。オイルクーラーの冷却性能はそのままに、重量230gの軽量化、消費電力43%の軽減を達成しています。次に、本年車より継続し、耐久信頼性の確認を行ったエキゾーストマニホールドについては藤壺技研工業様のご協力の下、共同開発したインコネル材エキゾーストマニホールドを採用し、総走行距離は約9、000km、ニュルブルクリンク24時間レース換算で2レース分相当の距離をノートラブルで走っています」(パワーユニット技術部助川昇太)。
車体領域については、「ひとつ目は、エアロダイナミクスです。コース特性、NBR車両の速度域、これらのデータを分析し、より効率的にダウンフォースが発揮できるよう解析した結果、リヤウィングステイと翼端版のアップデート、それからフロアパネルの導入を行うことで、高速域の安定性に寄与するバランスが実現できることが分かりました。続いて、特別仕様車のWRX S4 STI SPORTS#にも織り込まれた技術をさらに高めるべく、新形状のホイールを投入いたします。インナーリムにSTI独自の思想を織り込むことによって、過渡領域のタイヤ接地面積を向上させ、操安性向上につなげております。続いて、新ボディ補剛パーツの採用についてです。リアサスマウントの間をフレキシブルドロー構造で橋渡しすることにより、ボディを補剛しつつ、ボディのヒステリシスを低減することで安定性向上を図っています。また、2025年レースは6月開催のため、熱対策を施しました。効果的に冷却できるよう、エキゾーストの周辺に遮熱カバーを追加いたしました。さらに、ドライバーとコンピューター類、これらも効果的に冷却できるよう、コクピット内の冷却システムを一新いたしました(車体技術部仁田坂公太)」。また、SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2025の新しいカラーリングについて説明されました。チェッカーフラッグ模様から赤い富士山のグラフィックに変化する柄で、日本らしさSTIらしさを表現しているとのこと。