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RACE REPORT

2024.05.29 - スーパー耐久シリーズ第2戦「NAPAC富士SUPER TEC24時間レース
Team SDA Engineering BRZ、有終の美を飾る
5月25日(土)・26日(日)に、富士スピードウェイにおいて2024スーパー耐久シリーズ第2戦「NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース」が行われ、Team SDA EngineeringからST-Qクラスに出場した61号車SUBARU BRZ CNF Concept(伊藤和広/山内英輝/井口卓人/花沢雅史/廣田光一)は、24時間で673周(約3,080km)を走破し、総合20位・クラス3位でレースを終えました。
レースに先立ち、イベント広場で行われたトークショーにて新型S耐レースカー「HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT」が、発表されました。このマシンは、ターボBOXERエンジンを搭載した4ドアAWDセダンです。SUBARUの代名詞といっても良いターボBOXER AWDを鍛えることで、内燃機関を未来に残し、ハイパフォーマンスなSUBARU車を開発する人財を育成することが、このクルマでS耐に参戦する意義だとTeam SDA Engineeringの本井雅人代表は語っています。参戦時期は、7月26日から28日に大分県日田市のオートポリスで開催されるS耐シリーズ第3戦からとなっており、今回の富士24時間レースが現行のSUBARU BRZ CNF Conceptのファイナルレースであることを明らかにしました。
5月8日に富士スピードウェイで行われた富士24時間レースに向けた公式テストでは、SUPER GTテストのため井口と山内が不在だったため、SUBARU社員ドライバーである廣田、伊藤(和)、花沢の3名が十分な走り込みを実施しています。また今回は、「剛性最適化によるステアリング特性改善の目的で、トヨタさんと共同開発したフロントサスクロスメンバーを新たに導入しました。ドライバーたちからも乗りやすい、と好評を得ています」、と本井代表が語るように、総決算レースにも関わらず新しいチャレンジを盛り込んでいます。
24日金曜日に行われた公式予選は、Aドライバーの伊藤(和)とBドライバー山内のベストタイム合算で予選順位が決定します。晴天のドライコンディションで行われた公式予選では、山内は前年実績よりも1.5秒短縮しており、さらに伊藤(和)は山内とのタイム差が約1秒に迫っており、合算タイム比較では約4秒のタイムアップを実現しています。直接ライバルの28号車トヨタGR86 CNF Conceptには先行を許しますが、チームは「これなら勝負できる」という感覚を抱いたようです。25日土曜日は、やや涼しさを感じる曇り空ながら、路面はドライであり、国内最高峰のツーリングカーレースを観戦するために集まった観客の前で58台のレースカーがスターティンググリッドに並べられました。今回は、自動車メーカーの実験車両が出場できるST-Qクラスには。ニッサンZレーシングコンセプト、GRスープラレーシングコンセプト、GRカローラH2コンセプト、ホンダシビック・タイプR CNF、GR86 CNFコンセプト、MAZDA3 Bioコンセプト、ロードスターCNFコンセプトおよびBRZ CNF Conceptを加え、総勢7台7車種がエントリーしています。61号車BRZ CNF conceptは総合34番手から、#28号車GR 86 CNF conceptは総合31番手からのスタートとなります。61号車のスタートドライバーは伊藤(和)です。その後は、井口、花沢、山内、廣田へと繋ぐローテーションでドライバー交代する計画です。

61号車は3時間後には総合26位、一時的に順位を下げたため6時間後には29位、雨が降り出した9時間後には27位、さらに深夜の12時間後には23位、雨が上がった18時間後には22位となると、24時間目の26日午後3時の時点では総合20位にまでポジョンを上げ、チェッカーフラッグを受けています。
チーム監督の伊藤奨は、「今回は、BRZ CNF CONCEPTプログラムの集大成として参加しました。これまでよりも攻めたセットで臨み、トラブルなく完走することを目標にしましたが、全く何もなかったわけではありません。序盤に他車と接触してダメージを負ったり、ギアオイルの油温上昇を知らせるワーニングが点灯してトランスミッション交換の準備をしたりと、ひやっとする場面はありました。しかし、油温の原因については車両が戻ってから詳しく確認しますが、どうやらセンサーかインジケーターのエラーだったようです。そのほかにもクラッチのエア抜きを実施するなど細かい予定外はありましたが、大きなトラブルやアクシデントはなく、目標は達成できたと思います。これまではエンジニアとしての参戦であり、今回は初めて監督として参加したので不安が沢山ありましたが、トラブル発生時の若手エンジニアの動き、検討の速さなど、とても頼もしく、みんなに助けてもらってなんとか24時間を耐えることが出来ました」と、笑顔で語っています。チーム代表の本井は、「序盤に他車と絡んでエキゾーストを傷め、それがぶら下がってバンパー表面を溶かしてしまいました。しかし、スーパープロメカニックの皆さんが見事に修復してくれました。また、油温の異常を知らせるワーニングについては、使っているセンサーが3年越しであることから、そういった点にも気を配るべきなのがレースならではの難しさだと痛感しました。また、クラッチについては、これまでに解決済みだと思っていた件ですが、消しきれていなかったことが露呈してしまいましたね。これらは反省点です。それでも原因はわかっているし対処法も用意があるので、素早い対応ができました。その意味では、メンバー全員が自分の仕事をきちんとこなし、バトンをつないでこの結果に結びついたと言い切れるんじゃないかと思います。次のクルマについても、いきなり何かを大きく変えるのではなく、まずは素のままで走らせる予定です。その次のパフォーマンスアップについては、まずは机上で仮説を立て、実車で検証していくという我々の開発スタイルを継承するつもりであり、それが開発プロセスを鍛えることになると考えています。引き続き応援をよろしくお願いいたします」、語っています。
Aドライバーである伊藤和広は、「今シーズンは、Aドライバー指名を受けたので予選からパフォーマンスが発揮できないといけません。一年間プロドライバーのコメントを理解し、クルマの挙動を正しく感じられるようになる、という目標を立てましたが、今回は(BRZでの出場という)一区切りなので結果を出したいと考えていました。結果的には、ライバルに勝つという念願も達成できたし、プロドライバーから”速くなりましたね”と言われて、正直嬉しかったです。次のプログラムでもやることは一緒です。成長を開発業務に活かすのが私たちの使命なので、引き続き精進したいと思います」、と心境を語りました。

次戦は、7月28日にオートポリスで開催されるスーパー耐久シリーズ第3戦5時間レースです。新型レースカーのデビューとなります。
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