2025.01.11
SUBARU/STI、2025年モータースポーツ計画を発表
TOKYO AUTO SALON 2025
2025年1月10日(金)、恒例の新春初イベント「東京オートサロン2025」が、千葉市の幕張メッセ国際展示場にて開幕し、SUBARUブースでは午前11時からメディア向けの「SUBARU/STIプレスカンファレンス」が行われました。
まず初めに、スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI))の賚寛海(たもう・ひろみ)が登壇し、SUPER GTシリーズへの参戦計画概要を発表。「チーム体制は昨年を踏襲します。2024年は残念な結果に終わってしまいましたが、それぞれ起きたトラブルなどはギリギリを狙ったチャレンジの結果だと理解しています。2025年はこれまでの経験を活かした上で、改めてチャンピオン奪還を目指します」と語り、「出場車両のSUBARU BRZ GT300は、様々な競争力が上がっているので、そのパフォーマンスを受け止めるシャシーの剛性を上げることや、空気抵抗を抑えながらも四輪のタイヤ接地性を確かにするため、新しいコンセプトによる空力性能の開発などを進めています。一新する車体には、新たに導入となる新しいFIA国際規格のロールケージの採用や、新タイヤルールに適合させることも盛り込んでいます」、と付け加えました。また、シャシーの刷新に合わせ、ボディのカラーリングも新しいものになっているとのことです。
続いてニュルブルクリンク24時間レースについては、12月17日に富士スピードウェイにて2025年仕様車のお披露目を済ませていますが、今回はドライバー編成が発表となりました。2024年同様、カルロ・ヴァンダム(オランダ)、ティム・シュリック(ドイツ)、佐々木孝太、久保凜太郎の4名が6月19日から行われるレースウィークにSUBARU WRX NBR CHALLENGE 2025を駆り、SP4Tクラス連覇を目指します。賚社長は、「2025年のマシンは、昨年出場車の改良版です。当たり前のことですが、テストを繰り返して信頼性・耐久性の確保を心掛けています。これからも玉成を重ね、2年連続クラス優勝、最多周回数146周の更新、最速ラップタイムの8分48秒台を実現します」、と語っています。本年もチームにSUBARUディーラーから選抜された優秀メカニック8名が加わります。また、賚社長は、「本年も引き続き全日本ラリー選手権に出場しているアライモータースポーツのSUBARU WRX S4をサボートしてまいります。”世界の新井敏弘”の参戦を支えたいと思います」、と続けました。
続いて特別仕様車の「S210プロトタイプ」がアンベールされました。説明したSTIの高津益夫開発副本部長によると、「S210プロトタイプは、SUBARU WRX S4 STI SPORT R EXをベースに、エンジン、トランスミッション、足回り、車体をトータルでチューニングし、専用の内外装を施したSTIコンプリートカーの最高峰です。このクルマには、STIがニュルブルクリンク24時間レースで培った技術や知見が投入されています。パワーユニットは、ドライバーのアクセル操作にリニアに応答するトルクレスポンスが特徴です。トランスミッションの制御も見直しており、これによって駆動力のコントロール性は抜群に仕上がっています。このクルマの販売計画については、春頃には発表できる見込みとなっています」、と語っています。
プレスカンファレンス第2部には、スーパー耐久シリーズに参戦するTeam SDA Engineeringの本井雅人チーム代表が壇上に立ち、「本年もスーパー耐久シリーズにSUBARU High Performance X Future Concept、通称SUBARU HiPerf-Xで出場し、正常進化を続けます。体制としては、これまでと同様にSUBARU技術者中心のチームにプロドライバーの井口卓人、山内英輝を迎え、社内ドライバーを組み合わせたラインアップで臨みます」、と語りました。SUBARU取締役専務執行役員の藤貫哲郎CTO(最高技術責任者)は、司会者の問いに答える形で、「最近欧州車などで直列4気筒エンジンの採用が流行っていますが、SUBARUとしては、水平対向エンジンを極力残していきたいと考えています。最近ストロングハイブリッドで実現したように、水平対向エンジンと電動化との組み合わせは悪くないと思っています。ご存知のように、水平対向は高回転域で気持ちいいユニットです。この味を残したい。一方、BEV(バッテリーEV)の開発も進めていますが、スバルらしいBEVとは何か、を追求し続けており、ある程度めどは立っています。良い道具は使っていて気持ち良いですよね。そんな、クルマから語りかけてくるような、気持ちの良いBEVにしたいと考えています」、と語り、詰めかけたSUBARUファンの皆さんは、大きくうなづいていました。
東京オートサロン2025は、1月12日(日)まで開催しています。